そこは夢の詰め合わせ

らい

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咲楽

130.返り血の中に見えた蒼

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「この頃連続殺人犯が出てるってよ・・・」

「聞いた聞いた!まだ何も分かってないんでしょ?」

「凶器が刃物ってこと以外何もわからないって話!」

口々に噂を広めていく。中高生はこういった話題が大好きだろう。そんな悠長にしている暇などないのに。目の前にいる友達と思っていた奴が殺人犯なのかもしれないのに。

「男子はほんとにこういう噂好きよね~」

「僕もこういう噂嫌いじゃないけどね~」

金髪の髪をした女が前髪を直しながらそう言う。それに対して紫色の髪をした女性がそう返した。

「あんたこういう噂好きだっけ?」

「いや、今回は面白いじゃん?何もわからないってのが」

「そういう事ね・・・?」

金髪の女性は彼女が不思議な事件にただ興味を持っているだけだと考え、特に気にも止めなかった。

その日の夜の事だった。
帰りが遅くなった男は走って家に帰っていたところだった。

「•*¨*•.¸¸♬︎」

鼻歌とともにドシャッという重いものが倒れる音が聞こえる。咄嗟に体が動いた男は物影に隠れた。そして音のした方をそっと覗いた。

ザシュッ・・・・ザシュッ・・・

鋭い刃物を人の体に何度も、何度も何度も何度も何度も。繰り返して突き刺している女が一人そこに居た。

「ひっ・・・」

ひとつ下がった足に何かが当たる。からんからん。乾いた何かが落ちる音。ハッと男が女を見た時、刺していた手を止めぐるりとこちらを見た蒼い目があった。

「見たんだね・・・君も・・・」

特徴的な紫の髪に、返り血で染ったその赤い顔。それから覗く蒼く澄んだ目が男の最後の記憶と言ってもいいだろう。
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