そこは夢の詰め合わせ

らい

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ミア

21.見知らぬ土地で

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「これは・・・?」

が壊れた壁の奥から何かを見つける。それは再生できる機械の様だった。それを彼女はおもむろに開ける。

『僕は・・・いや、この記録を書き記すならば俺でも良いだろう。俺は世界を旅する旅人だった。いつか、この記録を見てくれる人が後世にいると願ってこの記録を遺す。単刀直入に言うと、この星で、活動している人間はほぼ居ない。いるのは兵器として人から変えられたサイボーグ達だ。人の心のあるサイボーグ達よ。この記録をどうか心のデータに刻んでほしい!』

ここでいきなり記録の中の男性に異変が起きる。虚ろな目をしたサイボーグ達が彼を処刑しに来たのだ。もう生きている人間は上層部だけで良いとでも言うように。

『クソっ・・・もう嗅ぎ付けやがったのか・・・くっ!今は記録だ!いいか!この記録を見ているそこのお前!サイボーグでも、人間でもいい!この記録を託す!サイボーグ達は、あの兵器と利用されたあれは人間なのだ!仲間なんだよ!コアは心臓にある!暴れているサイボーグ達はそれを壊せば止まる!あとは・・・頼んだぞ!』

記録が切れる。彼女は、無意識に顔を、頬を触っていた。この体は元は人間だったことを知った彼女は機械の身体で泣いた。声にならない悲鳴のような、そして嬉しいと思って、彼女は泣いた。彼女は機械、兵器、サイボーグ、呼び方はなんでもいい。兵器として扱われている造られた物の1人である。彼女は人間に憧れていた。何かを思い、考え、一喜一憂する人間という生物に、機械の身体である彼女は憧れを抱いていた。

「私は元は人間なのか・・・」

彼女は自分のココロを感じた。機械の身となって血液も、体温もないのに。何故か身体が暖かかった。
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