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⒐ 冒険者登録
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ギルドの中に入ると冒険者がたくさんいました。
「混んでるね」
「まあこんなもんだろ。今はまだ昼だからこの程度だが、夕方になるともっとすごい事になると思うぞ」
絶対に夕方には行きたくないと思ってしまいました。
「ほれ、逸れるなよ」
「子供じゃないんだから大丈夫よ!」
「まだ14歳だろうが」
「来年成人だもの」
「まだ子供には違えねえよ」
そんな言い争いをしながら受付に行きます。フレアと仲良くなれたようで、言い合いも実はちょっぴり楽しんでいます。
「冒険者ギルド・フォルト支部へようこそ!」
受付嬢はすごい美人で、元気よく挨拶をしてくれました。冒険者の顔をちゃんと覚えて、私たちが新しく来たという事に気がつくなんてすごいと思います。
「こいつの冒険者登録と素材の買取を頼む」
「かしこまりました。ではこちらに必要事項の記入をお願いします。代筆は必要ですか?」
「いえ、大丈夫です」
「ではお願いします」
用紙に必要事項を記入して渡すと驚かれました。
「字がすごく綺麗ですね」
「...母から教えてもらいましたから」
そういえば、平民の識字率は低いということを忘れていました。識字率が低いこともあって字が綺麗な人というのはかなり珍しいのです。それこそ字が綺麗な人は貴族と言えるほどに。まさか王族というわけにもいかず、咄嗟に誤魔化しました。
「そう、ですか」
少し納得できていないようですが、冒険者に事情を尋ねるのは厳禁。退いてくれました。
「では、ティアラ様ですね。こちらの水晶に手を翳してください。魔力測定を行います」
あ、これはまずいです。私が翳したら水晶が...
「翳せばいいだけだぞ?」
どうすればいいか考えているとフレアに急かされました。もう覚悟を決めるしかありません。私は目を瞑って手を翳しました。
「混んでるね」
「まあこんなもんだろ。今はまだ昼だからこの程度だが、夕方になるともっとすごい事になると思うぞ」
絶対に夕方には行きたくないと思ってしまいました。
「ほれ、逸れるなよ」
「子供じゃないんだから大丈夫よ!」
「まだ14歳だろうが」
「来年成人だもの」
「まだ子供には違えねえよ」
そんな言い争いをしながら受付に行きます。フレアと仲良くなれたようで、言い合いも実はちょっぴり楽しんでいます。
「冒険者ギルド・フォルト支部へようこそ!」
受付嬢はすごい美人で、元気よく挨拶をしてくれました。冒険者の顔をちゃんと覚えて、私たちが新しく来たという事に気がつくなんてすごいと思います。
「こいつの冒険者登録と素材の買取を頼む」
「かしこまりました。ではこちらに必要事項の記入をお願いします。代筆は必要ですか?」
「いえ、大丈夫です」
「ではお願いします」
用紙に必要事項を記入して渡すと驚かれました。
「字がすごく綺麗ですね」
「...母から教えてもらいましたから」
そういえば、平民の識字率は低いということを忘れていました。識字率が低いこともあって字が綺麗な人というのはかなり珍しいのです。それこそ字が綺麗な人は貴族と言えるほどに。まさか王族というわけにもいかず、咄嗟に誤魔化しました。
「そう、ですか」
少し納得できていないようですが、冒険者に事情を尋ねるのは厳禁。退いてくれました。
「では、ティアラ様ですね。こちらの水晶に手を翳してください。魔力測定を行います」
あ、これはまずいです。私が翳したら水晶が...
「翳せばいいだけだぞ?」
どうすればいいか考えているとフレアに急かされました。もう覚悟を決めるしかありません。私は目を瞑って手を翳しました。
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