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第20話・秋冬(しゅうとう)
【泣いて長崎】
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(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、1995年7月25日の午前10時半頃であった。
私は、JR長崎駅で寝台特急《れっしゃ》を降りたあと長崎電気軌道の路面電車《トラム》に乗って大浦天主堂方面へ向かった。
大浦天主堂前の電停《えき》で路面電車《トラム》を降りた私は、大浦天主堂・グラバー園方面へ向かって歩いた。
ゆかさんは、長崎市内のどこかにいると思う…
一刻も早く見つけなきゃ…
私は、大浦天主堂・グラバー園の近辺で暮らしているゆかさんの友人知人宅をたずねた。
しかし、ゆかさんを見かけたと言う人はひとりもいなかった。
午後1時半頃であった。
ところ変わって、長崎新地の中華街《チャイナタウン》の中にあるちゃんぽん屋にて…
私は、一杯700円のちゃんぽんとぎょうざ6個一皿でランチを摂った。
午前中は大浦天主堂・グラバー園の近辺の地区を回ってゆかさんを探したが、有力な手がかりを得ることはできなかった。
(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
ランチのあと、私は路面電車《トラム》に乗って浦上《かみ》の方へ向かった。
浦上地区で暮らしているゆかさんの友人知人は、2~3人である…
たとえ手がかりを得ることができなくても、探し出さなきゃ…
浦上車庫で路面電車《トラム》を降りた私は、地区の東側の本原町《もとはらまち》へ歩いて向かった。
ところ変わって、本原町《もとはらまち》の住宅地にて…
ここで私は、有力な情報を得ることができた。
私に有力な情報を提供してくださった人は、小学校3年までゆかさんと同じ小学校に通っていた主婦の方であった。
女性は、私にゆかさんと会ったと伝えた。
私は、女性に対してゆかさんはどこへ向かったかをたずねた。
「ゆかさんは、こちらにお越しになられたあとどちらへ向かうと言うてましたか?」
「そうねぇ…あっ、思い出したわ…ゆかちゃんはたしか…早岐《はいき》(佐世保市)へ行くと言うてたわよ。」
「早岐《はいき》…」
「佐世保の近くにある街よ。」
「あの~、早岐《はいき》の方にゆかさんの友人知人の方はいらっしゃいますか?」
「さあ、そこまでは聞いてへんけど…」
女性は、ひと間隔おいてから『ああ、思い出したわ~』と言うた。
私は、おどろいた声で女性に言うた。
「思い出した?」
「たしか、ゆかちゃんとうちが小学校2年生まで同じ小学校に通っていた女の子が早岐《はいき》で暮らしているのよ…ゆかちゃんは、その子の家に立ち寄ったと思う…」
「ホンマでっか!?おおきに、おおきに…」
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、夜9時過ぎであった。
私は、JR長崎駅から最終の特急かもめに乗って肥前山口駅(佐賀県)まで行った。
肥前山口駅で特急《れっしゃ》を降りた私は、数台の大型トラックをヒッチハイクして佐世保方面へ向かった。
7月26日の朝6時半頃であった。
私がヒッチハイクした大型トラックがJR早岐駅《はいきえき》に到着した。
早岐《はいき》は、JR佐世保線と大村線の分岐点にあたる駅である。
佐世保市の中心部とハウステンボス方面へ向かう分かれ道にあたる街でもある。
トラックから降りた私は、運転手《うんちゃん》にお礼を言うたあとショルダーバッグを持って再び歩き出した。
ところ変わって、若竹台団地にて…
私は、ここで暮らしているゆかさんの知人の女性宅にいた。
私が女性にゆかさんのことをたずねた。
女性は、私にこう答えた。
「ゆかちゃんは、きのうの今ごろにうちと会ったよ。」
「ホンマでっか!?」
「うん。」
「その後、どちらへ行くと言うてましたか?」
この時であった。
家に近所で暮らしているおばあちゃんが回覧板を持ってやって来た。
「奥さま、回覧板を持ってきました。」
「おおきに。」
回覧板を持って来たおばあちゃんは、奥さまにこう言うた。
「奥さま。」
「なあに?」
「きのうのいまごろから夕方頃の間に、ちりちり髪でしょうたれのカッコウで黒いサングラスをかけていた変質者《へんたい》がこの近辺をうろちょろしよったよ。」
「えっ?」
回覧板を持って来たおばあちゃんから話を聞いた奥さまは、ひどく動揺した。
もしかしたら…
この近辺に…
番頭《ばんと》はんがいるかもしれない…
ものすごく不安定になった私は、回覧板を持って来たおばあちゃんに写真を見せながら言うた。
「あの、すみません…その…ちりちり髪の変質者《へんたい》と言うのは…この写真の男でしょうか?」
番頭《ばんと》はんが写っている写真を見たおばあちゃんは、おどろいた声で私に言うた。
「ああああああああああああ!!まちがいあらへん!!この男よ!!」
奥さまは、ものすごくおたついた声でおばあちゃんにたのんだ。
「その写真、うちにもみして!!」
奥さまは、おどろいた声で言うた。
「ああああああああああああああああああ!!この男よ!!」
私は、浮かない表情で奥さまに言うた。
「奥さま…写真に写っている男をご存知ですか?」
「ゆかちゃんをつきまとっていた男よ!!」
「ええ~!!ソレホンマでっか!?」
「ホンマにホンマよ!!浦上にいるちーちゃんから聞いたけど…おとといの日中、ゆかちゃんがオランダ坂を歩いていた時に…ちりちり髪の変質者《へんたい》が後ろからついてきた…といよった!!」
奥さまからことの次第を聞いた私は、ひどく動揺した。
番頭《ばんと》はんがゆかさんにつきまとっていた…
…と言うことは…
番頭《ばんと》はんは、より過激な行動に出た…
…と言うこと?
あぶない…
非常にあぶないゾ!!
時は、1995年7月25日の午前10時半頃であった。
私は、JR長崎駅で寝台特急《れっしゃ》を降りたあと長崎電気軌道の路面電車《トラム》に乗って大浦天主堂方面へ向かった。
大浦天主堂前の電停《えき》で路面電車《トラム》を降りた私は、大浦天主堂・グラバー園方面へ向かって歩いた。
ゆかさんは、長崎市内のどこかにいると思う…
一刻も早く見つけなきゃ…
私は、大浦天主堂・グラバー園の近辺で暮らしているゆかさんの友人知人宅をたずねた。
しかし、ゆかさんを見かけたと言う人はひとりもいなかった。
午後1時半頃であった。
ところ変わって、長崎新地の中華街《チャイナタウン》の中にあるちゃんぽん屋にて…
私は、一杯700円のちゃんぽんとぎょうざ6個一皿でランチを摂った。
午前中は大浦天主堂・グラバー園の近辺の地区を回ってゆかさんを探したが、有力な手がかりを得ることはできなかった。
(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
ランチのあと、私は路面電車《トラム》に乗って浦上《かみ》の方へ向かった。
浦上地区で暮らしているゆかさんの友人知人は、2~3人である…
たとえ手がかりを得ることができなくても、探し出さなきゃ…
浦上車庫で路面電車《トラム》を降りた私は、地区の東側の本原町《もとはらまち》へ歩いて向かった。
ところ変わって、本原町《もとはらまち》の住宅地にて…
ここで私は、有力な情報を得ることができた。
私に有力な情報を提供してくださった人は、小学校3年までゆかさんと同じ小学校に通っていた主婦の方であった。
女性は、私にゆかさんと会ったと伝えた。
私は、女性に対してゆかさんはどこへ向かったかをたずねた。
「ゆかさんは、こちらにお越しになられたあとどちらへ向かうと言うてましたか?」
「そうねぇ…あっ、思い出したわ…ゆかちゃんはたしか…早岐《はいき》(佐世保市)へ行くと言うてたわよ。」
「早岐《はいき》…」
「佐世保の近くにある街よ。」
「あの~、早岐《はいき》の方にゆかさんの友人知人の方はいらっしゃいますか?」
「さあ、そこまでは聞いてへんけど…」
女性は、ひと間隔おいてから『ああ、思い出したわ~』と言うた。
私は、おどろいた声で女性に言うた。
「思い出した?」
「たしか、ゆかちゃんとうちが小学校2年生まで同じ小学校に通っていた女の子が早岐《はいき》で暮らしているのよ…ゆかちゃんは、その子の家に立ち寄ったと思う…」
「ホンマでっか!?おおきに、おおきに…」
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、夜9時過ぎであった。
私は、JR長崎駅から最終の特急かもめに乗って肥前山口駅(佐賀県)まで行った。
肥前山口駅で特急《れっしゃ》を降りた私は、数台の大型トラックをヒッチハイクして佐世保方面へ向かった。
7月26日の朝6時半頃であった。
私がヒッチハイクした大型トラックがJR早岐駅《はいきえき》に到着した。
早岐《はいき》は、JR佐世保線と大村線の分岐点にあたる駅である。
佐世保市の中心部とハウステンボス方面へ向かう分かれ道にあたる街でもある。
トラックから降りた私は、運転手《うんちゃん》にお礼を言うたあとショルダーバッグを持って再び歩き出した。
ところ変わって、若竹台団地にて…
私は、ここで暮らしているゆかさんの知人の女性宅にいた。
私が女性にゆかさんのことをたずねた。
女性は、私にこう答えた。
「ゆかちゃんは、きのうの今ごろにうちと会ったよ。」
「ホンマでっか!?」
「うん。」
「その後、どちらへ行くと言うてましたか?」
この時であった。
家に近所で暮らしているおばあちゃんが回覧板を持ってやって来た。
「奥さま、回覧板を持ってきました。」
「おおきに。」
回覧板を持って来たおばあちゃんは、奥さまにこう言うた。
「奥さま。」
「なあに?」
「きのうのいまごろから夕方頃の間に、ちりちり髪でしょうたれのカッコウで黒いサングラスをかけていた変質者《へんたい》がこの近辺をうろちょろしよったよ。」
「えっ?」
回覧板を持って来たおばあちゃんから話を聞いた奥さまは、ひどく動揺した。
もしかしたら…
この近辺に…
番頭《ばんと》はんがいるかもしれない…
ものすごく不安定になった私は、回覧板を持って来たおばあちゃんに写真を見せながら言うた。
「あの、すみません…その…ちりちり髪の変質者《へんたい》と言うのは…この写真の男でしょうか?」
番頭《ばんと》はんが写っている写真を見たおばあちゃんは、おどろいた声で私に言うた。
「ああああああああああああ!!まちがいあらへん!!この男よ!!」
奥さまは、ものすごくおたついた声でおばあちゃんにたのんだ。
「その写真、うちにもみして!!」
奥さまは、おどろいた声で言うた。
「ああああああああああああああああああ!!この男よ!!」
私は、浮かない表情で奥さまに言うた。
「奥さま…写真に写っている男をご存知ですか?」
「ゆかちゃんをつきまとっていた男よ!!」
「ええ~!!ソレホンマでっか!?」
「ホンマにホンマよ!!浦上にいるちーちゃんから聞いたけど…おとといの日中、ゆかちゃんがオランダ坂を歩いていた時に…ちりちり髪の変質者《へんたい》が後ろからついてきた…といよった!!」
奥さまからことの次第を聞いた私は、ひどく動揺した。
番頭《ばんと》はんがゆかさんにつきまとっていた…
…と言うことは…
番頭《ばんと》はんは、より過激な行動に出た…
…と言うこと?
あぶない…
非常にあぶないゾ!!
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