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第19話・哀しみ本線日本海
【つぐない】
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時は、2022年9月頃であった。
この時、A班のメンバーたちは海外と沖縄県の各地を移動しながらお仕事を続けていた。
B班のメンバーたちは、プリンスエドワード島の本籍地の家を活動拠点にして班ごとの活動を続けていた。
アンナは、34歳から38歳までの間にクイーンデビューすることを目標にカリキュラムを受けていた。
イワマツのオーナーと家庭とハーレムのお妃さまと家庭内恋愛の4つを両立できるようになるまでにはまだまだ時間がかかる…
それでも、アンナは日々の暮らしの中で少しずつりりしくなった。
ヨシユキは、すくすくと大きくなった。
ヨシユキが成人《おとな》になるまで…
アンナがクイーンデビューするまで…
一年でも長く生きていこう。
話しは変わって…
2022年9月19日にイオンモール今治新都市で2年ぶりに会社経営者東西対抗歌合戦が開催される予定であったが、台風14号が接近するおそれが出たので中止になった。
2020年と2021年は世界規模の危機があった関係で中止になったので、2年ぶりの開催となるはずだった。
私は、テレサ・テンさんの歌で『つぐない』を選曲して出場する予定であった。
しかし、東軍で出場するコスメメーカーの女性経営者さまが『つぐない』を歌う予定だったので曲目を変更してくれと主催者側からサイソクされた。
しゃーないけん、違う曲目に変更して出場することにした。
しかし、開催数日前になってトラブルが発生した。
出場予定の経営者さまの半数が別の予定が入るなどのスケジュール変更が生じた。
このために、主催者側は残った20組で曲順を組むことになった。
9月17日に曲順が決まった。
開催時刻を12時から13時に変更した。
同時に、終了時刻を16時に変更した。
規模を縮小して歌合戦を開催することが決定したが、前日に台風14号が接近する予報が出たので中止になった。
その頃、A班のメンバーたちは急な予定変更が生じたのでドバイの国際本社へ行くことになった。
B班のメンバーたちは、引き続きプリンスエドワード島の本籍地の家で班ごとの活動を続けていた。
主催者側は、2023年に改めて歌合戦を開催すると言うていた。
しかし、私自身の気持ちにゆとりがないので出場を見合わせることにした。
話しは変わって…
9月27日の午前11時頃であった。
ところ変わって、今治市山方町《しないやまかたちょう》にあるすいふう苑《えん》(斎場《やきば》)にて…
施設のえんとつから青空《そら》に向かって白煙《けむり》がもくもくと上がっていた。
4年前のこの日、ゆりこは今治市宮下町《しないみやしたちょう》にある大型病院の病室でリスカして命を絶った。
ゆりこの遺体は、別の場所で4年間冷凍保存されていた。
前々日に、中国人の家族がゆりこの遺体を引き取りたいと名乗り出た。
名乗り出た中国人の家族は、ゆりこの遺体を引き取ったあと少人数で葬儀をあげた。
そしてこの日、ゆりこの遺体は火葬された。
時は、午後1時過ぎであった。
ところ変わって、忠霊塔《ちゅうれいとう》がある広場にて…
広場に、喪服姿のイワマツグループのA班のメンバーたちとマァマとゆりこの遺骨を引き取った中国人の家族5人がいた。
家族の主人がゆりこの実父であった。
ゆりこの実父は、ものすごく悲しい表情で私に言うた。
「イーイーは、ものすごくかわいそうな娘《こ》でした…私の不徳が原因で、イーイーの人生をだいなしにしてしまった。」
「イーイーって…」
この時私は、ゆりこの本当の名前が『イーイー』であることを知った。
マァマは、私にわかるように説明した。
「ゆりこちゃんの本当の名前は、リンイーイーと言うのよ。」
たつろうさんは、おどろいた声で言うた。
「それじゃあ、なんでカノジョは鳥居ゆりこと名乗っていたのですか?」
たつろうさんの問いに対して、マァマはわかるように説明した。
「ゆりこちゃんの実のママは、九州の串間《くしま》の農家の家の次男坊に嫁いだ中国人女性よ。」
「ご主人さまとゆりこさんの実母《おかあさま》は、どのようなご関係があったのですか?」
たつろうさんの言葉を聞いたゆりこの実父は、骨壷《おこつ》を抱えた状態で座り込んだあと声を震わせながら泣いた。
「うううううううううううう…」
ゆかさんは、怒った声でゆりこの実父に言うた。
「なんなきよんで(なんで泣いているのよ)!!ふざけるな!!」
この時、奥さまは沈痛《ちんつう》なおもむきで私たちに説明した。
「主人は、52年前(1970年)の7月頃に…レイプ事件を起こして逮捕されました。」
ゆかさんは、怒った声で言うた。
「その時、被害を受けた女性がゆりこさんの実母《おかあさま》だったのね。」
「はい。」
長男さんは、泣きそうな声で私たちに言うた。
「父のせいで、女性の嫁ぎ先の家の幸せをぶち壊した…私たちも落ち度があるんですよ…父が犯したレイプ事件のせいで、私たちは社会的制裁《きびしいせいさい》を受けました…私たち家族も、事件の以前から…父を孤独のふちに追い詰めるようなことを繰り返した…」
マァマは、私たちにこう言うた。
「ゆりこちゃんの実母《おかあさま》が母子保護施設《しせつ》に移ったのは、それから6ヶ月後よ…そしてゆりこちゃんは、1971年の5月5日に母子保護施設《しせつ》で生まれた…鳥居ゆりこと名乗ったのはそれから数年後よ…鳥居は養女に行った先の家の姓《せい》で、ゆりこはゆりの花のように美しく育ってほしいと言う願いを込めて施設のスタッフさんたちが命名《なづけた》のよ。」
そうだったのだ…
私は、なっとくした表情でつぶやいた。
九州の串間《くしま》と言うと…
私がちいちゃい時に小番頭《こばんと》はんと一緒に行った市《まち》だった…
私はこの時、1975年秋の出来事を思い出した。
この時、A班のメンバーたちは海外と沖縄県の各地を移動しながらお仕事を続けていた。
B班のメンバーたちは、プリンスエドワード島の本籍地の家を活動拠点にして班ごとの活動を続けていた。
アンナは、34歳から38歳までの間にクイーンデビューすることを目標にカリキュラムを受けていた。
イワマツのオーナーと家庭とハーレムのお妃さまと家庭内恋愛の4つを両立できるようになるまでにはまだまだ時間がかかる…
それでも、アンナは日々の暮らしの中で少しずつりりしくなった。
ヨシユキは、すくすくと大きくなった。
ヨシユキが成人《おとな》になるまで…
アンナがクイーンデビューするまで…
一年でも長く生きていこう。
話しは変わって…
2022年9月19日にイオンモール今治新都市で2年ぶりに会社経営者東西対抗歌合戦が開催される予定であったが、台風14号が接近するおそれが出たので中止になった。
2020年と2021年は世界規模の危機があった関係で中止になったので、2年ぶりの開催となるはずだった。
私は、テレサ・テンさんの歌で『つぐない』を選曲して出場する予定であった。
しかし、東軍で出場するコスメメーカーの女性経営者さまが『つぐない』を歌う予定だったので曲目を変更してくれと主催者側からサイソクされた。
しゃーないけん、違う曲目に変更して出場することにした。
しかし、開催数日前になってトラブルが発生した。
出場予定の経営者さまの半数が別の予定が入るなどのスケジュール変更が生じた。
このために、主催者側は残った20組で曲順を組むことになった。
9月17日に曲順が決まった。
開催時刻を12時から13時に変更した。
同時に、終了時刻を16時に変更した。
規模を縮小して歌合戦を開催することが決定したが、前日に台風14号が接近する予報が出たので中止になった。
その頃、A班のメンバーたちは急な予定変更が生じたのでドバイの国際本社へ行くことになった。
B班のメンバーたちは、引き続きプリンスエドワード島の本籍地の家で班ごとの活動を続けていた。
主催者側は、2023年に改めて歌合戦を開催すると言うていた。
しかし、私自身の気持ちにゆとりがないので出場を見合わせることにした。
話しは変わって…
9月27日の午前11時頃であった。
ところ変わって、今治市山方町《しないやまかたちょう》にあるすいふう苑《えん》(斎場《やきば》)にて…
施設のえんとつから青空《そら》に向かって白煙《けむり》がもくもくと上がっていた。
4年前のこの日、ゆりこは今治市宮下町《しないみやしたちょう》にある大型病院の病室でリスカして命を絶った。
ゆりこの遺体は、別の場所で4年間冷凍保存されていた。
前々日に、中国人の家族がゆりこの遺体を引き取りたいと名乗り出た。
名乗り出た中国人の家族は、ゆりこの遺体を引き取ったあと少人数で葬儀をあげた。
そしてこの日、ゆりこの遺体は火葬された。
時は、午後1時過ぎであった。
ところ変わって、忠霊塔《ちゅうれいとう》がある広場にて…
広場に、喪服姿のイワマツグループのA班のメンバーたちとマァマとゆりこの遺骨を引き取った中国人の家族5人がいた。
家族の主人がゆりこの実父であった。
ゆりこの実父は、ものすごく悲しい表情で私に言うた。
「イーイーは、ものすごくかわいそうな娘《こ》でした…私の不徳が原因で、イーイーの人生をだいなしにしてしまった。」
「イーイーって…」
この時私は、ゆりこの本当の名前が『イーイー』であることを知った。
マァマは、私にわかるように説明した。
「ゆりこちゃんの本当の名前は、リンイーイーと言うのよ。」
たつろうさんは、おどろいた声で言うた。
「それじゃあ、なんでカノジョは鳥居ゆりこと名乗っていたのですか?」
たつろうさんの問いに対して、マァマはわかるように説明した。
「ゆりこちゃんの実のママは、九州の串間《くしま》の農家の家の次男坊に嫁いだ中国人女性よ。」
「ご主人さまとゆりこさんの実母《おかあさま》は、どのようなご関係があったのですか?」
たつろうさんの言葉を聞いたゆりこの実父は、骨壷《おこつ》を抱えた状態で座り込んだあと声を震わせながら泣いた。
「うううううううううううう…」
ゆかさんは、怒った声でゆりこの実父に言うた。
「なんなきよんで(なんで泣いているのよ)!!ふざけるな!!」
この時、奥さまは沈痛《ちんつう》なおもむきで私たちに説明した。
「主人は、52年前(1970年)の7月頃に…レイプ事件を起こして逮捕されました。」
ゆかさんは、怒った声で言うた。
「その時、被害を受けた女性がゆりこさんの実母《おかあさま》だったのね。」
「はい。」
長男さんは、泣きそうな声で私たちに言うた。
「父のせいで、女性の嫁ぎ先の家の幸せをぶち壊した…私たちも落ち度があるんですよ…父が犯したレイプ事件のせいで、私たちは社会的制裁《きびしいせいさい》を受けました…私たち家族も、事件の以前から…父を孤独のふちに追い詰めるようなことを繰り返した…」
マァマは、私たちにこう言うた。
「ゆりこちゃんの実母《おかあさま》が母子保護施設《しせつ》に移ったのは、それから6ヶ月後よ…そしてゆりこちゃんは、1971年の5月5日に母子保護施設《しせつ》で生まれた…鳥居ゆりこと名乗ったのはそれから数年後よ…鳥居は養女に行った先の家の姓《せい》で、ゆりこはゆりの花のように美しく育ってほしいと言う願いを込めて施設のスタッフさんたちが命名《なづけた》のよ。」
そうだったのだ…
私は、なっとくした表情でつぶやいた。
九州の串間《くしま》と言うと…
私がちいちゃい時に小番頭《こばんと》はんと一緒に行った市《まち》だった…
私はこの時、1975年秋の出来事を思い出した。
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