上 下
142 / 200
第15話・LOVE〜抱きしめたい

【火の国の女】

しおりを挟む
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、5月21日の朝6時半頃であった。

私は、寝台特急はやぶさに乗って九州へ向かった。

大阪駅から網干駅《あぼし》までの間はJRの新快速電車に乗って移動した。

網干駅《あぼし》から下松駅《くだまつ》で(兵庫県姫路市)までは、長距離トラックをヒッチハイクして移動した。

下松駅に着いたあと、立席特急券と乗車券を購入した。

その後、寝台特急はやぶさに乗り込んだ。

B寝台の個室座席に座っている私は、窓に写る風景を見つめながらウォークマンで歌を聴いていた。

イヤホンから、坂本冬美さんの歌の全曲集に収録されている歌が流れていた。

『あばれ太鼓』『祝い酒』『夜桜お七』『能登はいらんかいね』『火の国の女』…

その中で、『火の国の女』を繰り返して聴いていた。

大阪キタの曽根崎新地のストリップ劇場で見た踊り子さんのさよなら公演の2曲目で流れていた歌が坂本冬美さんの歌で『火の国の女』だった…

その時、踊り子さんは赤じゅばんをぐちゃぐちゃに乱れた姿で妖《あや》しく踊っていた。

この時、私は20年前(1995年)に小番頭《こばんと》はんと一緒に旅をしていた時を思い出した。

あれは、9月11日から15日に催された藤崎八旛宮秋季例大祭の時だった…

3つの私は、小番頭《こばんと》はんと一緒に熊本市中央区の上通町《かみどおりまち》にある旅館に宿泊していた。

小番頭《こばんと》はんが藤崎八旛宮《ふじさきはちまんぐう》でテキ屋商売をしていた時、私は旅館で留守番していた。

その時に、日本とヴェラルーシのハーフの23歳のコンパニオンの女の子が私のお世話をしてくださった。

コンパニオンの女の子は、ゆうべストリップ劇場で見た踊り子さんと同じ顔で、130のMカップの極爆乳《おおきすぎるおっぱい》のむっちりボディであった。

コンパニオンの女の子は、親身になって遊び相手になってくださった。

お元気で暮らしているだろうか…

お元気であれば、お会いしてお礼を述べたい…

朝9時40分頃であった。

寝台特急はやぶさが熊本駅のプラットホームに到着した。

ショルダーバッグを持って列車を降りた私は、改札口を通って駅の外へ出た。

私は、熊本駅から歩いて上通町《かみどおりまち》にある旅館へ向かった。

旅館は、今も営業を続けていたので安心した。

私は、旅館のオカミと再会することができた。

私は、オカミに20年前(1995年)にお世話になったお礼をていねいに述べた。

オカミは『ああ、おぼえているよ…たくましくなったわね~』と言うてよろこんでいた。

お世話になったお礼を述べたあと、私は『人を探している…』とオカミに伝えた。

オカミは私に『ああ、ぼうやと一緒に来たテキ屋のニイちゃんね…おぼえているよ。』とやさしく答えた。

私は『小番頭《こばんと》はんはこちらにおられますか?』とオカミに聞いた。

オカミは『きのうまではここにいたけど…』と答えたが、その先がどうなったかは分からないと言うた。

小番頭《こばんと》はん…

熊本にいたんだ…

せやけど…

どこかで行方不明になったと聞いた…

困った~

どないしたらええねん…

時は、午前11時半頃であった。

ところ変わって、上通町《かみどおりまち》にある『こむらさき』(熊本ラーメンの店)にて…

お腹がすいた私は、とんこつラーメンとぎょうざ6個でランチを摂っていた。

私は、ミネラルウォーターをのんだ考え事をした。

この時、私は5月17日に門司港駅の前の広場でバナナのたたき売りのおっちゃんと会ったことを思い出した。

バナナのたたき売りのおっちゃんは、泉大津の港でゆかさんを見たといよった…

ゆかさんが泉大津の港で阪九フェリーの予約を申し込んでいた…

ゆかさんは、5月17日の夜に阪九フェリーに乗って、九州へ向かう予定であった…

そこから先は『聞いてない。』とおっちゃんは答えた。

あの時、ゆかさんがまだ泉大津の港にいると思ったので新幹線に乗って再び大阪へ向かった。

けれど、途中でアクシデントに遭ったので泉大津の港に行くことができなかった…

あとになって、私はおっちゃんにだまされたことに気がついた…

ゆかさんは、どこへ行ったのだろうか?

私は、5月19日から20日にかけて堺市~松原市~藤井寺市~八尾市の4つの市《まち》へ行った。

4つの市《まち》は、大番頭《おおばんと》はんの家族がかつて暮らしていた市《まち》であった。

ゆかさんの中学・高校時代の友人知人さまたちが4つの市《まち》にいると思って、手当たり次第にたずねてみた。

しかし、返ってきた答えはゆかさんと会ってない…と言うことであった。

20日の夕方頃に、大阪天王寺区にいるゆかさんの友人夫婦が経営している串カツ屋へ行ってゆかさんと会ったかどうかを聞いたけど、友人夫婦は『知らん…』と言い返した。

この時、私は大失敗したと思った。

そしてきょう(21日)熊本にやって来た。

熊本県内にゆかさんの友人知人が2~3人いると聞いたので、ランチを摂ったらすぐに出発することにした。

このままゆかさんが見つからなかったら…

私は、一生放浪する身で人生を終えることになるだろう…

私に残された時間は…

わずかしかない…

急がなきゃ…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...