乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

佐伯達男

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第14話・いっそセレナーデ

【酒は大関】

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日付が変わって、5月18日の深夜0時50分頃であった。

またところ変わって、大阪ミナミの道頓堀川沿いにある公園にて…

川沿いにある飲食店などの看板の灯りやネオンサインがたくさん灯っていた。

(ピーッ、ピッ、ピッ、ピッ…ピーッ…ドボーン!!ワーッ!!)

この時、川のどこかで笛の音と水音と歓声《さけびごえ》が響いた。

プロ野球セ・リーグ・阪神タイガースが試合に勝った時によく見かける光景であった。

また若いモンがおちょうししよるわ…

私は、冷めた目で遠くを見つめながらつぶやいた。

この時、私は川沿いにある小さな公園にあるベンチで過ごしていた。

通りのスピーカーから、加藤登紀子さんの歌で『酒は大関』が流れていた。

ベンチに座っている私は、近くのファミマでこうたワンカップ大関をのみながら考えごとをしていた。

肴《アテ》は、カネテツ(デリカフーヅ)のちくわとかまぼこである。

私は、ゆかさんと会うために泉大津へ行く予定であったが行くことができなかった。

原因は、南海本線で発生した路線アクシデントであった。

どこかの踏み切りで、エンコした乗用車が放置されたトラブルがあった。

トラブルの影響で、南海本線は泉大津から和歌山市の間で折り返し運転をしていた。

南海なんば駅から泉大津駅まで代替バスが運行されていたけど、しんどくなったので断念した。

…という事で、私はここ(ミナミ)に来た。

またチョンボしてもうた…

ホンマになさけないわ…

それよりも…

啖呵売人《おっちゃん》が泉大津の港でゆかさんを見たといよったけど、それはホンマか?

もしかしたら…

大変だ!!

これは陥穽《わな》だ!!

陥穽《わな》に違いない!!

啖呵売人《おっちゃん》は、私を陥穽《わな》に陥《おとしい》れようとしているつもりだ!!

啖呵売人《おっちゃん》は、シャテイとグルになって、故意に車をエンコさせて逃げた…

許さん!!

ブチ切れた私は、のみかけのワンカップ大関を一気にのみほしたあと、より激しい怒りを込めて全身をブルブルと震わせた。

時は、朝9時半頃であった。

またところ変わって、JRと南海電車の新今宮駅のすぐ近くにあるハローワークにて…

私は、職を探しにここへやって来た。

私は求人票を一件ずつ探していたが、アホらしくなったのでやめた。

給与は最低11万円から…

休日は不問で、最低限の保険等があればいい…

だけど…

身の丈に合う職はなかった。

もうアカン…

ギブアップしそうだ…

どないしょ…
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