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第9話・ルビーの指環
【ルビーの指環】
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ところ変わって、展望レストランにて…
時は夜9時過ぎであった。
レストランは、パブタイムに入っていた。
テーブルの上には、カナダドライ(ジンジャーエール)とナビスコサンドが盛られている大きな皿が並んでいた。
ドナ姐《ねえ》はんとヨリイさんは、話し合いをしていた。
「施設長。」
「ドナさん。」
「話の内容によっては、よーくんが再起不能におちいる…と言うたわね。」
「うん。」
「それはどう言うこと?」
ヨリイさんは、ものすごくつらい声でドナ姐《ねえ》はんに言うた。
「ゆりこちゃんは…ちいちゃい時に…レイプの被害を受けたのよ…たしか…今から39年前の夏頃だったわ。」
「たしか…1978年…よーくんと同い年の子どもたちが小学校に入学した年ね。」
「そうよ。」
「その時、ゆりこちゃんはどこにいたの?」
「ゆりこちゃんの実の母親(友代ではない)の再婚相手だった男の家よ…その家は北条辻(松山市)にあったわ。」
「ホンマのママの再婚相手だった男の職業は?」
「サンコウのエリート銀行員よ…ゆりこちゃんは、実のママに連れて来られたわ。」
「その時、同居していた家族はいたの?」
「いたわよ…男のせがれ夫婦がいたわよ。」
「せがれは、いくつよ?」
「大学生だったわ…せがれの嫁も大学生だったわ。」
「大学生同士で結婚したのね。」
「そうよ。」
「ゆりこちゃんを犯した相手は、身近なところにいたのね。」
「いたわよ…だけど、直接レイプの被害を受けたのはせがれの嫁の方よ…事件は…6月の終わりの梅雨末期の大雨が降っていた夕方頃に発生したわ…」
ヨリイさんは、事件現場の様子を淡々と語った。
「せがれの嫁は、同じ大学のサークル仲間の男5~6人に集団で犯されて殺されたわ…せがれの嫁が家の居間で着替えをしようとしていた時に…」
「男たちが集団で押しかけたのね。」
「うん。」
「ゆりこちゃんは、なんで被害を受けたの?」
「ゆりこちゃんは、レイプ事件の現場を目の当たりにしたのよ…グチョグチョに汚れた姿で殺されたせがれの嫁の姿を見たのよ。」
「ゆりこちゃんは、間接的な被害を受けたのね。」
「そうよ。」
ヨリイさんは、カナダドライをひとくちのんでからドナ姐《ねえ》はんに言うた。
「事件の翌日、松山市内のラブボで立てこもり事件が発生したのよ…立てこもった男は、嫁を殺されたセガレだった…セガレは、ホテルの中にいたカップルのうち、男性を殺した…殺された男性は…嫁を集団でレイプして殺した大学生の父親だった…一緒にいた女は…大学生の父親の職場のOLだった…」
「加害者の父親は、OLとフリン中に事件に巻き込まれたのね。」
「そうよ…セガレは、突入したSAT隊員によって射殺されたわ。」
「そんな…」
「その後…(松山)東警察署の霊安室に…問題の大学生の男が父親に会いに来たのよ…その時…大学生の男は…オイオイオイオイ泣きながら…『おとーさんごめんなさい…』って…そして…自首したのよ。」
「他の大学生の男は?」
「逃走した…そのうち4人は交通事故で亡くなった…あとの2人は、やくざともめた末にコンクリ詰めにされたわ。」
「事件が発生した時、セガレの父親は単身赴任中だったよね。」
「そうよ…悪いのは、ゆりこちゃんを連れ出した実のママよ!!…ダンナの単身赴任中に超身勝手なことをしていたわよ…そのせいで、ゆりこちゃんがどれだけ傷ついたか…そう思うと…」
「聞いただけでもはぐいたらしくなるわね(怒りに震える)」
「それで、うちはゆりこちゃんを施設に連れ戻したわ…けど、ゆりこちゃんの実の母親の再婚相手だった男がまたゆりこちゃんを連れ戻しに来たのよ…『新しいママともう一回やり直す…』と言うて居直った声で言うて連れ出した…だから…連れ戻しても連れ戻してもまた同じことの繰り返しだったからキリがなかったわよ…」
「それから、ゆりこちゃんは間接的なレイプの被害を受け続けた…と言うことよね。」
「そうよ。」
ヨリイさんは、大きくため息をついた。
ドナ姐《ねえ》はんは、ヨリイさんに言うた。
「施設長、さっき話の内容によってはよーくんが再起不能におちいる…と言うたよね。」
「うん。」
「その封筒は…」
「その…まさかよ…」
ヨリイさんは、愛媛県の児童相談所の字が入っている大きなふうとうをドナ姐《ねえ》はんに見せながら言うた。
ヨリイさんは、ドナ姐《ねえ》はんに対して『ふうとうに入っている調書に、ゆりこちゃんのいやたい(汚れた)姿が写っている写真がテンプされているのよ…』とつらい表情で言うた。
もしかしたら…
時は夜9時過ぎであった。
レストランは、パブタイムに入っていた。
テーブルの上には、カナダドライ(ジンジャーエール)とナビスコサンドが盛られている大きな皿が並んでいた。
ドナ姐《ねえ》はんとヨリイさんは、話し合いをしていた。
「施設長。」
「ドナさん。」
「話の内容によっては、よーくんが再起不能におちいる…と言うたわね。」
「うん。」
「それはどう言うこと?」
ヨリイさんは、ものすごくつらい声でドナ姐《ねえ》はんに言うた。
「ゆりこちゃんは…ちいちゃい時に…レイプの被害を受けたのよ…たしか…今から39年前の夏頃だったわ。」
「たしか…1978年…よーくんと同い年の子どもたちが小学校に入学した年ね。」
「そうよ。」
「その時、ゆりこちゃんはどこにいたの?」
「ゆりこちゃんの実の母親(友代ではない)の再婚相手だった男の家よ…その家は北条辻(松山市)にあったわ。」
「ホンマのママの再婚相手だった男の職業は?」
「サンコウのエリート銀行員よ…ゆりこちゃんは、実のママに連れて来られたわ。」
「その時、同居していた家族はいたの?」
「いたわよ…男のせがれ夫婦がいたわよ。」
「せがれは、いくつよ?」
「大学生だったわ…せがれの嫁も大学生だったわ。」
「大学生同士で結婚したのね。」
「そうよ。」
「ゆりこちゃんを犯した相手は、身近なところにいたのね。」
「いたわよ…だけど、直接レイプの被害を受けたのはせがれの嫁の方よ…事件は…6月の終わりの梅雨末期の大雨が降っていた夕方頃に発生したわ…」
ヨリイさんは、事件現場の様子を淡々と語った。
「せがれの嫁は、同じ大学のサークル仲間の男5~6人に集団で犯されて殺されたわ…せがれの嫁が家の居間で着替えをしようとしていた時に…」
「男たちが集団で押しかけたのね。」
「うん。」
「ゆりこちゃんは、なんで被害を受けたの?」
「ゆりこちゃんは、レイプ事件の現場を目の当たりにしたのよ…グチョグチョに汚れた姿で殺されたせがれの嫁の姿を見たのよ。」
「ゆりこちゃんは、間接的な被害を受けたのね。」
「そうよ。」
ヨリイさんは、カナダドライをひとくちのんでからドナ姐《ねえ》はんに言うた。
「事件の翌日、松山市内のラブボで立てこもり事件が発生したのよ…立てこもった男は、嫁を殺されたセガレだった…セガレは、ホテルの中にいたカップルのうち、男性を殺した…殺された男性は…嫁を集団でレイプして殺した大学生の父親だった…一緒にいた女は…大学生の父親の職場のOLだった…」
「加害者の父親は、OLとフリン中に事件に巻き込まれたのね。」
「そうよ…セガレは、突入したSAT隊員によって射殺されたわ。」
「そんな…」
「その後…(松山)東警察署の霊安室に…問題の大学生の男が父親に会いに来たのよ…その時…大学生の男は…オイオイオイオイ泣きながら…『おとーさんごめんなさい…』って…そして…自首したのよ。」
「他の大学生の男は?」
「逃走した…そのうち4人は交通事故で亡くなった…あとの2人は、やくざともめた末にコンクリ詰めにされたわ。」
「事件が発生した時、セガレの父親は単身赴任中だったよね。」
「そうよ…悪いのは、ゆりこちゃんを連れ出した実のママよ!!…ダンナの単身赴任中に超身勝手なことをしていたわよ…そのせいで、ゆりこちゃんがどれだけ傷ついたか…そう思うと…」
「聞いただけでもはぐいたらしくなるわね(怒りに震える)」
「それで、うちはゆりこちゃんを施設に連れ戻したわ…けど、ゆりこちゃんの実の母親の再婚相手だった男がまたゆりこちゃんを連れ戻しに来たのよ…『新しいママともう一回やり直す…』と言うて居直った声で言うて連れ出した…だから…連れ戻しても連れ戻してもまた同じことの繰り返しだったからキリがなかったわよ…」
「それから、ゆりこちゃんは間接的なレイプの被害を受け続けた…と言うことよね。」
「そうよ。」
ヨリイさんは、大きくため息をついた。
ドナ姐《ねえ》はんは、ヨリイさんに言うた。
「施設長、さっき話の内容によってはよーくんが再起不能におちいる…と言うたよね。」
「うん。」
「その封筒は…」
「その…まさかよ…」
ヨリイさんは、愛媛県の児童相談所の字が入っている大きなふうとうをドナ姐《ねえ》はんに見せながら言うた。
ヨリイさんは、ドナ姐《ねえ》はんに対して『ふうとうに入っている調書に、ゆりこちゃんのいやたい(汚れた)姿が写っている写真がテンプされているのよ…』とつらい表情で言うた。
もしかしたら…
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