乳房星（たらちねぼし）〜再出発版

第８話・ロマンスの神様

【何度でも花が咲くように私を生きよう】

時は、深夜11時50分頃であった。

またところ変わって、ハレクラニ沖縄の豪華スイートルームにて…

豪華スイートルームは、私とマァマとドナ姐《ねえ》はんが泊まっている部屋である。

Ａ班のメンバーたちは、夜10時半頃にここ（ハレクラニ）に帰って来た。

Ａ班のメンバーたちは、各部屋に入ったあとは明日に備えて身体を休めていた。

私は、執務室で明日の準備を整えていた。

しかし…

きょうはホンマにしんどかったワ…

チョウソガベプロパンの社長さまは、酔った勢いでオイゴの悪口をいよったなぁ～…

チョウソガベプロパンの社長さまは、アカンと思う…

どない返事すればいいのか分からん…

そんな時であった。

（コンコン…）

ドアをノックする音が聞こえた。

「マァマ。」
「マァマよ…ウェンビンさんがお越しになられたわよ。」
「あっ、はい。」

ところ変わって、ソファが置かれている広間にて…

私は、ソファに座って腰を落ち着かせた。

ウェンビンさんは、ソファに座っている私の右腕に聴診器をあてたあと水銀の血圧計のリストバンドをまいていた。

ウェンビンさんは、私にチョウソガベプロパンさまとの商談について話をした。

「さきほど、チョウソガベプロパンの社長さまの奥さまから電話がありまして…みずからジタイを申し出たようです。」
「ジタイするって？」
「ええ。」
「それホンマ？」
「ええ。」
「一体、どういうこっちゃねん？」
「社長さまは、オイゴさんのことを言うたつもりが…周囲にゴカイを与えたようです…私たちイワマツグループとミンジュンさんの実家のご家族だけに話したつもりが…周囲の席に座っているみなさまにまる聞こえになったのです…別の話でございますが…チョウソガベプロパンさまと別の商談をしていた愛媛県にあるガソリンスタンド会社の社長さまが激怒していたようでおます。」
「えっ？ホンマ？」
「ええ…社長さまは、チョウソガベプロパンの社長さまが言うた言葉を聞いておんまく怒っていたようです…ガソリンスタンド会社の社長さまの息子さんも39歳で未婚でした…ガソリンスタンド会社の社長さまの息子さんは、愛媛県の結婚支援センターに登録をしていて…お見合いイベントに積極的に参加して一生懸命にお相手を探していたのです…チョウソガベプロパンの社長さまは『お見合いイベントに行くやつがどーのこーの…』…と言うたようです。」
「そりゃ怒るに決まってるワ…」
「そういうことで、チョウソガベプロパンとの商談は…なしで終わりました。」
「サイアクや…」
「ホンマにホンマでした。」

（プシュー）

水銀の血圧計のエアがぬける音がした。

ウェンビンさんは、私の血圧値をチェックシートに記載したあとマァマに言うた。

「えーと、血圧の上は132、下は93です。」

マァマは、心配げな声で言うた。

「まあ、よーくん少し血圧が高いみたいね…大丈夫？」
「ここのところ、おつかれ気味になっているようです。」

つづいて、ウェンビンさんは私の体温測定に取りかかった。

私は、ウェンビンさんから受け取ったオムロンの電子体温計を右わきにはさんだ。

その後、私はウェンビンさんにミンジュンさんのことをたずねた。

「ウェンビンさん。」
「ヨシタカさま。」
「ミンジュンさん、この最近調子がよくないけど、どないしたんかな？」
「さあ、よくわかりませんけど…ヨシタカさまのお嫁さん選びが始まった日からずっと…」

なんとも言えない…

私は、そうつぶやきながらフーと息をした。

きょうはいろんなことがおましたな～

きょうは、早めに寝ようか…