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第6話・元気を出して
【悪女(あくじょ)】
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日付が変わって、1月9日の深夜0時40分頃であった。
またところ変わって、上朝倉にある特大豪邸にて…
家の広間のテーブルのイスにヨリイさんが座っていた。
ヨリイさんは、ものすごい血相をうかべながらうでぐみをして座っていた。
ヨリイさんは、鎮房《しげふさ》の叔母《おば》にあたる人である。
0時45分頃であった。
鎮房《しげふさ》が午前さまで帰宅した。
「おぼっちゃま!!今なんじだと思っているのですか!?」
玄関で家政婦さんの怒鳴り声が聞こえた。
それから1分後に、背広姿の鎮房《しげふさ》が広間に入った。
鎮房《しげふさ》は、おだやかな声でヨリイさんに声をかけた。
「叔母《おば》さま、こんばんは…すみません…ちょっとお仕事の関係で帰りが遅くなりました。」
鎮房《しげふさ》はヨリイさんにやさしく呼びかけたが、ヨリイさんはひとことも言わなかった。
鎮房《しげふさ》は、やさしい声でヨリイさんに言うた。
「叔母《おば》さま、きょうは徳常《とくつね》さまからイワマツグループのオー…」
ヨリイさんは、怒った声で『鎮房《しげふさ》!!』と言うて話をさえぎった。
鎮房《しげふさ》は、困った声でヨリイさんに言うた。
「叔母《おば》さま…どうかなされたのですか?」
ヨリイさんは、怒った声で鎮房《しげふさ》に言うた。
「鎮房《しげふさ》、お話があるから座りなさい…」
「えっ?」
「座りなさい!!」
鎮房《しげふさ》は、コンワクした表情でヨリイさんの向かいの席に座った。
ヨリイさんは、ものすごく怒った表情で鎮房《しげふさ》に言うた。
「鎮房《しげふさ》!!となりの部屋に目を向けなさい!!」
鎮房《しげふさ》は、となりの部屋に目をむけた。
広間のとなりの6畳ひとまの部屋は、ひどく荒れていた。
ヨリイさんは、怒った表情で鎮房《しげふさ》に言うた。
「鎮房《しげふさ》!!」
「叔母《おば》さま…」
「お前は、今までに何回リコンとサイコンを繰り返したと思っているのよ!!」
「えっ?」
ヨリイさんからどぎつい声で言われた鎮房《しげふさ》は、ひどくコンワクした。
ヨリイさんは、鎮房《しげふさ》に対してより強い怒りを込めながら言うた。
「鎮房《しげふさ》は…たしか…サイコンは4度目…だったわね…」
「そう…だけど…」
「3度のリコンの原因は…お前のDV《ボウリョク》だったよね…」
「そう…だけど…」
「あんたのおとーさまもDV《ボウリョク》が原因でリコン歴があったよね…悪い部分はおとーさんにそっくりだわ!!」
「えっ?」
ヨリイさんからどぎつい声で言われた鎮房《しげふさ》は、ひどくコンワクした。
ヨリイさんは、鎮房《しげふさ》に対して怒った声で言うた。
「鎮房《しげふさ》!!」
「叔母《おば》さま…」
「お前は、仕事と家庭とどちらが大事だと思っているのよ!!」
「どっちも大事だよ~」
「お前、この頃勤務態度も生活態度も両方悪いみたいね!!」
「えっ?」
「ゆうべ、ゆりこちゃんと悠馬《ゆうま》くんと美桜《みお》ちゃんの3人が…施設《うち》に逃げて来たのよ!!」
「えっ?おばさまの施設《もと》に…ゆりこちゃんたちがいる…って…」
「そうよ!!」
「なんで?」
「あんたのおとーさんがわけの分からないことを言いながら家中で暴れたからよ!!…理由はそれだけよ!!」
「そんな…」
「鎮房《しげふさ》…週が明けたら市役所ヘ行って書面をもらって来るから…」
「書面?」
「離婚届をもらいに行くのよ!!」
「(動揺した声で)離婚!!」
「そうよ!!」
ヨリイさんは、よりし烈な怒りを込めながら鎮房《しげふさ》に言うた。
「このままでは、ゆりこちゃんと子どもたちが危ないわよ!!…はっきりと言うけど…あんたはやっぱり所帯《かてい》を持つ資格は最初からなかったのよ…」
「そんな…叔母《おば》さまこそ無責任ですよ!!…叔父《おじ》さまが『男が一人前になるためにはショタイを持つことだ!!』と言うたから…」
「あの時、叔父《おじ》さまはお前が早く一人前になってほしいと思って言うたのよ…だけど、今は…」
「ふざけんなよ!!」
ヨリイさんは、泣きそうな声で鎮房《しげふさ》に言うた。
「叔母《おば》さんも悪かったわよ…あの時、叔母《おば》さまもひどくあせっていたのよ…ゆりこちゃんをなんとかしようと思ってしたことが…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
ヨリイさんは、両手で顔を隠したあとくすんくすんと泣いた。
鎮房《しげふさ》は、よりし烈な叫び声をあげて立ち上がったあと家中を暴れまわった。
またところ変わって、波止浜の母子保護施設にて…
ゆりこは、ひとりぼっちでお風呂場にいた。
湯船につかっているゆりこは、くすんくすんと泣きじゃくっていた。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんに会いたい…よーくんに会いたい…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんちにお嫁に行きたい…よーくんちにお嫁に行きたい…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすん…よーくんちの床の間にかざられたい…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくん…よーくん…よーくん…よーくん…」
ゆりこは、私・イワマツに会いたいと言うて泣いた。
その後、ゆりこはお湯の中に顔を沈めたあとブクブクとあわだてていた。
(ゴーッ)
1月9日の朝7時頃であった。
A班のメンバーたちが乗り込んだ専用機が大阪伊丹国際空港から飛び立った。
専用機は、四国の上空を通って那覇空港ヘ向かった。
週明け後の1月12日から15日までの間は、沖縄本社でお仕事をする予定である。
またところ変わって、上朝倉にある特大豪邸にて…
家の広間のテーブルのイスにヨリイさんが座っていた。
ヨリイさんは、ものすごい血相をうかべながらうでぐみをして座っていた。
ヨリイさんは、鎮房《しげふさ》の叔母《おば》にあたる人である。
0時45分頃であった。
鎮房《しげふさ》が午前さまで帰宅した。
「おぼっちゃま!!今なんじだと思っているのですか!?」
玄関で家政婦さんの怒鳴り声が聞こえた。
それから1分後に、背広姿の鎮房《しげふさ》が広間に入った。
鎮房《しげふさ》は、おだやかな声でヨリイさんに声をかけた。
「叔母《おば》さま、こんばんは…すみません…ちょっとお仕事の関係で帰りが遅くなりました。」
鎮房《しげふさ》はヨリイさんにやさしく呼びかけたが、ヨリイさんはひとことも言わなかった。
鎮房《しげふさ》は、やさしい声でヨリイさんに言うた。
「叔母《おば》さま、きょうは徳常《とくつね》さまからイワマツグループのオー…」
ヨリイさんは、怒った声で『鎮房《しげふさ》!!』と言うて話をさえぎった。
鎮房《しげふさ》は、困った声でヨリイさんに言うた。
「叔母《おば》さま…どうかなされたのですか?」
ヨリイさんは、怒った声で鎮房《しげふさ》に言うた。
「鎮房《しげふさ》、お話があるから座りなさい…」
「えっ?」
「座りなさい!!」
鎮房《しげふさ》は、コンワクした表情でヨリイさんの向かいの席に座った。
ヨリイさんは、ものすごく怒った表情で鎮房《しげふさ》に言うた。
「鎮房《しげふさ》!!となりの部屋に目を向けなさい!!」
鎮房《しげふさ》は、となりの部屋に目をむけた。
広間のとなりの6畳ひとまの部屋は、ひどく荒れていた。
ヨリイさんは、怒った表情で鎮房《しげふさ》に言うた。
「鎮房《しげふさ》!!」
「叔母《おば》さま…」
「お前は、今までに何回リコンとサイコンを繰り返したと思っているのよ!!」
「えっ?」
ヨリイさんからどぎつい声で言われた鎮房《しげふさ》は、ひどくコンワクした。
ヨリイさんは、鎮房《しげふさ》に対してより強い怒りを込めながら言うた。
「鎮房《しげふさ》は…たしか…サイコンは4度目…だったわね…」
「そう…だけど…」
「3度のリコンの原因は…お前のDV《ボウリョク》だったよね…」
「そう…だけど…」
「あんたのおとーさまもDV《ボウリョク》が原因でリコン歴があったよね…悪い部分はおとーさんにそっくりだわ!!」
「えっ?」
ヨリイさんからどぎつい声で言われた鎮房《しげふさ》は、ひどくコンワクした。
ヨリイさんは、鎮房《しげふさ》に対して怒った声で言うた。
「鎮房《しげふさ》!!」
「叔母《おば》さま…」
「お前は、仕事と家庭とどちらが大事だと思っているのよ!!」
「どっちも大事だよ~」
「お前、この頃勤務態度も生活態度も両方悪いみたいね!!」
「えっ?」
「ゆうべ、ゆりこちゃんと悠馬《ゆうま》くんと美桜《みお》ちゃんの3人が…施設《うち》に逃げて来たのよ!!」
「えっ?おばさまの施設《もと》に…ゆりこちゃんたちがいる…って…」
「そうよ!!」
「なんで?」
「あんたのおとーさんがわけの分からないことを言いながら家中で暴れたからよ!!…理由はそれだけよ!!」
「そんな…」
「鎮房《しげふさ》…週が明けたら市役所ヘ行って書面をもらって来るから…」
「書面?」
「離婚届をもらいに行くのよ!!」
「(動揺した声で)離婚!!」
「そうよ!!」
ヨリイさんは、よりし烈な怒りを込めながら鎮房《しげふさ》に言うた。
「このままでは、ゆりこちゃんと子どもたちが危ないわよ!!…はっきりと言うけど…あんたはやっぱり所帯《かてい》を持つ資格は最初からなかったのよ…」
「そんな…叔母《おば》さまこそ無責任ですよ!!…叔父《おじ》さまが『男が一人前になるためにはショタイを持つことだ!!』と言うたから…」
「あの時、叔父《おじ》さまはお前が早く一人前になってほしいと思って言うたのよ…だけど、今は…」
「ふざけんなよ!!」
ヨリイさんは、泣きそうな声で鎮房《しげふさ》に言うた。
「叔母《おば》さんも悪かったわよ…あの時、叔母《おば》さまもひどくあせっていたのよ…ゆりこちゃんをなんとかしようと思ってしたことが…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
ヨリイさんは、両手で顔を隠したあとくすんくすんと泣いた。
鎮房《しげふさ》は、よりし烈な叫び声をあげて立ち上がったあと家中を暴れまわった。
またところ変わって、波止浜の母子保護施設にて…
ゆりこは、ひとりぼっちでお風呂場にいた。
湯船につかっているゆりこは、くすんくすんと泣きじゃくっていた。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんに会いたい…よーくんに会いたい…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくんちにお嫁に行きたい…よーくんちにお嫁に行きたい…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすん…よーくんちの床の間にかざられたい…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…よーくん…よーくん…よーくん…よーくん…」
ゆりこは、私・イワマツに会いたいと言うて泣いた。
その後、ゆりこはお湯の中に顔を沈めたあとブクブクとあわだてていた。
(ゴーッ)
1月9日の朝7時頃であった。
A班のメンバーたちが乗り込んだ専用機が大阪伊丹国際空港から飛び立った。
専用機は、四国の上空を通って那覇空港ヘ向かった。
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