116 / 153
第24話・傷だらけの人生
【別れの一本杉】
しおりを挟む
時は、日本時間10月4日の深夜0時30分頃であった。
私・イワマツは、雲の上にいた。
A班のメンバーたちが乗っている専用機は、10月3日朝9時頃に福岡空港を出発したあと、東シナ海からインドシナ半島を通ってインド洋へ抜けるルートに変更して最終目的地へ向かった。
この時間、専用機はマラッカ海峡を通ってインド洋へ出た。
専用機に乗っているA班のメンバーたちは、リクライニングシートにもたれて眠っている。
私は、ネットウォークマンで歌を聴きながら窓に写る真夜中の海をみつめていた。
イヤホンから、ネットでダウンロードした歌が流れていた。
今、私が聴いている歌は、氷川きよしさんのカバーで春日八郎さんが歌っていた『別れの一本杉』である。
私は、なにも言わずに窓に写る風景をながめていた。
さて、その頃であった。
カラオケパーティーを終えたけんちゃんたちは、帰宅途中であった。
あびるように酒をのみまくったけんちゃんは、かーくんとりゅうくんに両肩を抱き抱えられた状態で帰宅していた。
けんちゃんは『オレはまだのみたい…』と言うてワガママこねよる…
かーくんとりゅうくんは、けんちゃんに『ワガママ言うな!!』と怒った。
場所は、旭町側の一方通行始まりの交差点から二つ目の四つ角にて…
けんちゃんは、かーくんとりゅうくんに『ガールズバーへ行きたいけん、右へ行かせろ!!』と要求した。
かーくんとりゅうくんは、けんちゃんを連れて松本町のマルナカ(スーパーマーケット)へ向かう方向へ向けて歩かせた。
この時、けんちゃんは次々とトラブルを起こした。
けんちゃんは、その近くにある花屋さんを自分の家だと言うて大声をあげた。
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!違うやないかぇ!!」
「るせー!!オレの家はここや…ヒョーサツがみえんのかボケ!!」
「コラ!!行くぞ!!」
「るせー!!…なんやねん…」
(ガラガラガシャーン!!)
けんちゃんは、花屋さんの出入り口付近にある植木鉢のたなを壊してもうた。
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「るせー!!」
「るせーはオドレや!!」
「すみません…」
このあと、けんちゃんはななめ向かいの家の敷地に勝手に入った。
そして、玄関のドアを激しくたたいた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「オレの家はここや!!」
「ウソつけ!!」
「コラ!!行くぞ!!」
「離せ!!」
「すみません…」
かーくんとりゅうくんは、けんちゃんを引っぱりだしたあと、再び歩き出した。
グデングデンによおとるけんちゃんは、家の近くにある電柱に抱きついて、ワケのわからへんことをいよった。
「ゆりこちゃん…ゆりこちゃん…」
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「るせー!!ゆりこちゃんを抱きたいねん!!」
「アホなことすな!!」
「行くぞ!!」
「るせー!!田布施の家に帰りたくねえ!!」
「ワケのわからへんことを言うな!!」
「オレは布師田の家の主だ!!田布施の家のムコじゃねぇ!!」
「どっちかてえかろが!!」
「るせー!!」
「コラ!!」
「オンドレ、誰にコラいよんぞ!?」
「オメーにいよんや!!」
「コラ!!行くぞ!!」
3人は、信号機がある交差点の横断歩道を渡った、けんちゃんの家へ向かった。
しかし、その途中にある甘味やの店舗の入り口でけんちゃんが自分の家だと言うて戸を叩いた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!」
「やめんか!?」
「オレの家はここや!!」
「ゼンゼン違うわ!!」
「行くぞ!!」
やっとの想いで家に到着したのは、深夜2時半頃であった。
けんちゃんは、家の向かいの教会の門扉をこじ開けて敷地に勝手に入った。
「お~い、帰ったぞぉ~」
「コラ!!そこは教会や!!」
「オレの家はここや!!」
「なにいよんや!!」
「ワケのわからへんことを言うけんしゃーきまわしたろか!?」
「るせー!!」
「すみません…」
「コラ!!」
「るせー!!」
「オメーの家は、教会の向かいだろ!!」
「違うわ!!田布施はよその家だ!!」
「ほな、おにいのとこへ帰れや!!」
「おにいはマッチャマにおらん!!」
「ほんなら、ここやろが!!」
「あれはよその家だ!!」
「行くぞ!!」
「離せ!!」
けんちゃんは、かーくんとりゅうくんを押しのけたあと、教会のとなりにある駐車場に勝手に入った。
「コラ!!待たんかい!!」
「オレの家はここや!!」
「コラ!!」
かーくんとりゅうくんの制止を振り切ったけんちゃんは、駐車場に停めているキャンピングカーの戸を叩いた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!」
「オレの家だ!!」
「ドアホ!!それはキャンピングカーだろが!!」
「キャンピングカーがオレの家だ!!」
「アホなことすな!!」
「すみません…」
「コラ!!」
「離せ!!」
「待たんかい!!」
けんちゃんは、駐車場の中にある家のドアを激しく叩いた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~…あけえや!!」
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「離せ!!」
「オンドレどついたろか!?」
「離せ!!」
「ここはよその家や!!」
「オレの家や!!」
「ほんなら、マッチャマへ帰れ!!」
「身よりいてへん!!」
「身よりいてへんオンドレを待っとる家族の顔を忘れたのか!?」
「忘れたわ!!」
「ウソつけ!!」
「オレは布師田賢也や!!オレのことを待っているのはゆりこちゃんや!!」
「オメー!!えかげんにせえよ!!」
「せやせや!!コラ!!」
「離せ!!」
おしあいへし合いの末に、かーくんとりゅうくんはけんちゃんを律世とふたりの子どもたちがいる家に引き寄せた。
「帰ったぞ!!」
「イヤや!!」
「ワガママこねんな!!」
「ヒョーサツが違うわ!!」
「ヒョーサツが違おうとなんであろうとかまんやろが!!」
「るせー!!」
この時、玄関のドアが開いた。
ドアの中から律世が出てきた。
「あの~」
「奥さま、けんちゃんを連れて帰りました。」
「すみません…」
「コラ!!オメーの帰りを待っていた嫁はんがおるぞ!!」
「コラ!!」
グデングデンによおとるけんちゃんは、律世に『酒もてこい!!』と叫んだ。
「コラ!!」
「るせー!!」
「えかげんにせえよ!!」
このあと、かーくんとりゅうくんはけんちゃんをだまらすためにボコボコにいて回した。
しかし、けんちゃんはなおもワケのわからへんことをいよった。
律世は、どうすることもできないのでおたついてばかりいた。
私・イワマツは、雲の上にいた。
A班のメンバーたちが乗っている専用機は、10月3日朝9時頃に福岡空港を出発したあと、東シナ海からインドシナ半島を通ってインド洋へ抜けるルートに変更して最終目的地へ向かった。
この時間、専用機はマラッカ海峡を通ってインド洋へ出た。
専用機に乗っているA班のメンバーたちは、リクライニングシートにもたれて眠っている。
私は、ネットウォークマンで歌を聴きながら窓に写る真夜中の海をみつめていた。
イヤホンから、ネットでダウンロードした歌が流れていた。
今、私が聴いている歌は、氷川きよしさんのカバーで春日八郎さんが歌っていた『別れの一本杉』である。
私は、なにも言わずに窓に写る風景をながめていた。
さて、その頃であった。
カラオケパーティーを終えたけんちゃんたちは、帰宅途中であった。
あびるように酒をのみまくったけんちゃんは、かーくんとりゅうくんに両肩を抱き抱えられた状態で帰宅していた。
けんちゃんは『オレはまだのみたい…』と言うてワガママこねよる…
かーくんとりゅうくんは、けんちゃんに『ワガママ言うな!!』と怒った。
場所は、旭町側の一方通行始まりの交差点から二つ目の四つ角にて…
けんちゃんは、かーくんとりゅうくんに『ガールズバーへ行きたいけん、右へ行かせろ!!』と要求した。
かーくんとりゅうくんは、けんちゃんを連れて松本町のマルナカ(スーパーマーケット)へ向かう方向へ向けて歩かせた。
この時、けんちゃんは次々とトラブルを起こした。
けんちゃんは、その近くにある花屋さんを自分の家だと言うて大声をあげた。
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!違うやないかぇ!!」
「るせー!!オレの家はここや…ヒョーサツがみえんのかボケ!!」
「コラ!!行くぞ!!」
「るせー!!…なんやねん…」
(ガラガラガシャーン!!)
けんちゃんは、花屋さんの出入り口付近にある植木鉢のたなを壊してもうた。
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「るせー!!」
「るせーはオドレや!!」
「すみません…」
このあと、けんちゃんはななめ向かいの家の敷地に勝手に入った。
そして、玄関のドアを激しくたたいた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「オレの家はここや!!」
「ウソつけ!!」
「コラ!!行くぞ!!」
「離せ!!」
「すみません…」
かーくんとりゅうくんは、けんちゃんを引っぱりだしたあと、再び歩き出した。
グデングデンによおとるけんちゃんは、家の近くにある電柱に抱きついて、ワケのわからへんことをいよった。
「ゆりこちゃん…ゆりこちゃん…」
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「るせー!!ゆりこちゃんを抱きたいねん!!」
「アホなことすな!!」
「行くぞ!!」
「るせー!!田布施の家に帰りたくねえ!!」
「ワケのわからへんことを言うな!!」
「オレは布師田の家の主だ!!田布施の家のムコじゃねぇ!!」
「どっちかてえかろが!!」
「るせー!!」
「コラ!!」
「オンドレ、誰にコラいよんぞ!?」
「オメーにいよんや!!」
「コラ!!行くぞ!!」
3人は、信号機がある交差点の横断歩道を渡った、けんちゃんの家へ向かった。
しかし、その途中にある甘味やの店舗の入り口でけんちゃんが自分の家だと言うて戸を叩いた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!」
「やめんか!?」
「オレの家はここや!!」
「ゼンゼン違うわ!!」
「行くぞ!!」
やっとの想いで家に到着したのは、深夜2時半頃であった。
けんちゃんは、家の向かいの教会の門扉をこじ開けて敷地に勝手に入った。
「お~い、帰ったぞぉ~」
「コラ!!そこは教会や!!」
「オレの家はここや!!」
「なにいよんや!!」
「ワケのわからへんことを言うけんしゃーきまわしたろか!?」
「るせー!!」
「すみません…」
「コラ!!」
「るせー!!」
「オメーの家は、教会の向かいだろ!!」
「違うわ!!田布施はよその家だ!!」
「ほな、おにいのとこへ帰れや!!」
「おにいはマッチャマにおらん!!」
「ほんなら、ここやろが!!」
「あれはよその家だ!!」
「行くぞ!!」
「離せ!!」
けんちゃんは、かーくんとりゅうくんを押しのけたあと、教会のとなりにある駐車場に勝手に入った。
「コラ!!待たんかい!!」
「オレの家はここや!!」
「コラ!!」
かーくんとりゅうくんの制止を振り切ったけんちゃんは、駐車場に停めているキャンピングカーの戸を叩いた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!」
「オレの家だ!!」
「ドアホ!!それはキャンピングカーだろが!!」
「キャンピングカーがオレの家だ!!」
「アホなことすな!!」
「すみません…」
「コラ!!」
「離せ!!」
「待たんかい!!」
けんちゃんは、駐車場の中にある家のドアを激しく叩いた。
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
「おーい、帰ったぞぉ~…あけえや!!」
「コラ!!なんしよんぞ!!」
「離せ!!」
「オンドレどついたろか!?」
「離せ!!」
「ここはよその家や!!」
「オレの家や!!」
「ほんなら、マッチャマへ帰れ!!」
「身よりいてへん!!」
「身よりいてへんオンドレを待っとる家族の顔を忘れたのか!?」
「忘れたわ!!」
「ウソつけ!!」
「オレは布師田賢也や!!オレのことを待っているのはゆりこちゃんや!!」
「オメー!!えかげんにせえよ!!」
「せやせや!!コラ!!」
「離せ!!」
おしあいへし合いの末に、かーくんとりゅうくんはけんちゃんを律世とふたりの子どもたちがいる家に引き寄せた。
「帰ったぞ!!」
「イヤや!!」
「ワガママこねんな!!」
「ヒョーサツが違うわ!!」
「ヒョーサツが違おうとなんであろうとかまんやろが!!」
「るせー!!」
この時、玄関のドアが開いた。
ドアの中から律世が出てきた。
「あの~」
「奥さま、けんちゃんを連れて帰りました。」
「すみません…」
「コラ!!オメーの帰りを待っていた嫁はんがおるぞ!!」
「コラ!!」
グデングデンによおとるけんちゃんは、律世に『酒もてこい!!』と叫んだ。
「コラ!!」
「るせー!!」
「えかげんにせえよ!!」
このあと、かーくんとりゅうくんはけんちゃんをだまらすためにボコボコにいて回した。
しかし、けんちゃんはなおもワケのわからへんことをいよった。
律世は、どうすることもできないのでおたついてばかりいた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
怪異・おもらししないと出られない部屋
紫藤百零
大衆娯楽
「怪異・おもらししないと出られない部屋」に閉じ込められた3人の少女。
ギャルのマリン、部活少女湊、知的眼鏡の凪沙。
こんな条件飲めるわけがない! だけど、これ以外に脱出方法は見つからなくて……。
強固なルールに支配された領域で、我慢比べが始まる。
アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選
上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。
一人用の短い恋愛系中心。
【利用規約】
・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。
・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。
・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる