乳房星(たらちねぼし)

佐伯達男

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第15話・赤いスイトピー

【結婚するって本当ですか・その2】

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話しは日本時間7月15日の朝10時半頃であった。

またところ変わって、尾鷲市のたつろうさんの実家がある地区にて…

(ガガガガガガガガガガガガガガガガ!!バリバリバリ!!)

たつろうさんの実家は、家屋の周りに建築用の足場が立っていて、カバーでおおわれていた。

足場の内側では、家のリフォーム工事が行われていた。

たつろうさんの実家の家族たちは、家が直るまで那智勝浦(和歌山県)の政子の実家(多賀家の本家)に移った。

リフォーム工事が終了する時期は、早くても9月頃の予定である。

その頃、けんちゃんはてつろうを連れて那智勝浦へ向かった。

またところ変わって、那智勝浦温泉の海沿いにある超豪華リゾートホテルにて…

この日は、たつろうさんの遠い親せきにあたる家の長男の挙式披露宴が挙行された。

たつろうさんの実家の家族たちは、挙式披露宴に出席していた。

時は、午後1時半頃であった。

館内の特大豪華披露宴場にたくさんの招待客が座っている。

しかし、真ん中の70人分のテーブルが空席になっていた。

政子は、披露宴中もソワソワした表情でむき出しになっているテーブルを見つめていた。

披露宴の前半が終了して、出席者のみなさまがランチを摂っていた時であった。

たつろうさんの実家の家族たちが座っている席にて…

席には、2・5世帯の家族たちとゆりこが座っている。

ランチを摂っている時に、ホテルの人が優香に来客がおこしになったことを伝えた。

優香は、食事中のゆりこに『それじゃあ、行こうか』とやさしく声をかけた。

ゆりこは、このあとお見合いをするために優香と一緒に館内のレストランへ行った。

ゆりこのお見合い相手は、優香のハトコ(総合商社勤務・39歳の3高の男性)である。

その一方で、政子がむき出しになっているテーブルを見つめながらイライラしていた。

たつろうと職場の人たちはどこでなんしよんかしら…

もしかしたら、列車に乗り遅れたのかもしれないわ…

職場の人たちと言うのは、私たちイワマツグループのメンバーたちを言うてはると思う。

イライラキリキリしている政子に対して、みつろうがあつかましい声で言うた。

「かあさん!!ええかげんにせえよ!!」
「そないに怒ったらおかーさんしんどいのよ!!」
「かあさんは、さっきからむき出しになっているテーブルばかりをみてはるけど、気になることでもあんのかよ!?」
「気になるわよぉ…たつろうと職場の人たちに招待状を送ったのにきてへんけん、事故に巻き込まれたのではないかと思って…」
「かあさんがカンケーない家に招待状を送ったけん、こななことになったんだろ!!」
「たつろうは小関の家にムコに行ったけど、血をわけたおやきょうだいなのよ!!」
「やかましいだまれ!!」

みつろうに怒鳴られた政子は、両手で髪の毛をかきむしりながらキーッと怒った。

和子は、シラけた目つきで政子を見つめた。

六郎は、ひどくコンワクしていた。

政子は、たつろうさんとイワマツグループの全メンバーたちに実家のリフォーム工事代を払ってとお願いする目的で招待状を送った。

ゆりこは優香のハトコとお見合いして、とんとん拍子で結婚を進める…

私がゆりこにフラれたので、なんとかしてあげたいから和子とお見合いして結婚させる…

めでたく婚姻関係が成立したら、リフォーム工事代を全額払ってもらう…

和子は家事全般ができないが、メイドさんたちなどがいるからなーんもしなくてもいい…

政子六郎夫婦やみつろう優香夫婦が金銭トラブルを起こした際にはイワマツの外交力で解決できるからなーんもしなくてもいい…

…と政子六郎夫婦とみつろう優香夫婦は考えていた。

しかし、アテが外れた。

この時、たつろうさんの実家の預貯金は0だったと思う。

政子六郎夫婦の思惑が外れたけど『まあ、どうにかなるさ。』とノンキにかまえていた。

遠くでけんちゃんと一緒に様子をみていたてつろうは『あななナマクラの両親とドアホ兄夫婦のいる実家(いえ)なんかすててやる…』と激怒した。

同時に、なまじ自分探しをしていたわが身を反省した。

けんちゃんとてつろうは、再び旅に出た。
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