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第14話・みずいろの雨
【みずいろの雨】
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時は6月12日の正午過ぎのことであった。
(ドザー!!ピカッ!!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!ドスーン!!ドザー!!)
この日は、朝から雨…昼前から昼過ぎにかけて雷を伴った非常に激しい雨が断続的に降る予報であった。
たつろうさんの実家のテレビが置かれている居間のすぐ向かいにある広い土間でみつろうがセンタクをしていた。
(土間の右側が浴室と洗面所、左側にくみ取り式のトイレがある)
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
みつろうは、大きめのタライに水とシャボン(センタクせっけん)を入れて、センタク板でセンタク物をこすっている。
センタク係のさよこがいなくなったので、汗くさい作業着を自分で洗わなければならなくなったことにみつろうはブツクサ文句言い続けていた。
そんなみつろうのもとに、和子がやって来た。
「おにい。」
「なんぞぉ~」
「そないにしんどいのであれば、洗濯機を買い直したらええやん。」
「できたらそのようにしたいけど、オヤジのお人よしのせいで洗濯機が買えねえのだよ!!そななことよりも、和子はなにしに来たんぞ!?」
和子は、みつろうにたけろう由芽夫婦がマダガスカルへ移住すると言うた理由を説明した。
「おにい…たけろうと由芽夫婦がマダガスカルへ移住したい理由が分かったわよ。」
「言わんでも分かるわ…作物を作りたいからだろ…マダガスカルの主食は米食だから米作りたいならここでもでけるのだよ。」
「そうじゃないのよ!!」
「そうなんだよ!!移住したい理由が作物を作りたい…それは米に決まってるだろ…米作りたいならうちの田を使えばええだけや!!」
「たけろうと由芽は作物を作りたいとは言うだけど、米とはいわなんだ!!」
「米じゃなかったらなんやねん!?」
和子は、ひと間隔空けてからみつろうに言うた。
「バニラ…バニラよ。」
「バニラ…それって、料理に使うあれか?」
「そうよ…バニラエッセンスの原料よ。」
たけろう由芽夫婦は、バニラの栽培にチャレンジしたいのでマダガスカルへ移住するというてた。
バニラは、ラン科の植物でマダガスカルはバニラの生産が盛んな国である。
製品になるまでの間、ていねいに栽培しなければならない。
和子は、たけろう由芽夫婦がマダガスカルでバニラの栽培にチャレンジすると言うた理由を数日前のテレビの夕方のワイドニュース番組の特集を見て訣意(けつい)したと言うた。
みつろうは、あきれ声で言うた。
「やっぱりテレビか…」
「テレビで取り上げられた人は、由芽さんの初恋の男性(ひと)よ…由芽さんにフラれてワーキングホリデービザを取得してマダガスカルへ行ったのよ…現地のバニラ畑で働きながらバニラの栽培方法などを学んで…貯めたお金で自分の土地をこうて…それでバニラの栽培を始めたのよ。」
「ああ、もうええ…それ以上の話しは聞きとない!!」
みつろうは、ブツクサ文句言いながらセンタクを続けた。
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
「たけろうも逸郎も、どこのどこまで甘ったれているのだ!!オレはガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンして…お人よしのオヤジのためになにもかもガマンしてきたのに、幸せになれない…不公平だ!!」
ところ変わって、台所にて…
優香は、共稼ぎの世帯の奥さまから頼まれてお弁当を作っていた。
しかし、高2の長男は他の生徒のお弁当をパクっていたのでお弁当を作ることをやめた。
ただ、中2の次女はお弁当が必要なのでお弁当を作ることにした。
優香は、お弁当を作る食材を調理台にならべていた。
戸棚に置かれているポータブルラジオのスピーカーからNHKラジオで放送されている『昼のいこい』が流れている。
オープニングのあと、一曲目の歌・八神純子さんの歌で『みずいろの雨』が流れていた。
その時であった。
となり近所の奥さまが勝手口に上がってくるなりに、優香に怒った声で言うた。
「優香さん!!ちょっとかまんかしら!!」
「あら、おとなりの奥さま。」
「あんたね!!おひとよしもたいがいにしてや!!あんたの性格はオシュウトさんソックリねぇ!!」
「奥さま!!それはどういう意味なのですか!?御坊さん(共稼ぎの世帯の夫婦)カタのお子さまのお弁当を作るのがそんなにいかんのですか!?」
「いかんから怒っとんよ!!」
怒り狂っている奥さまは、優香に共稼ぎの世帯の夫婦の長男が大ケガを負って救急車で病院に搬送されたことを言うた。
「御坊さんカタの(高2の長男)くんね、お弁当をパクられた男子生徒に殴られて反撃したのよ…そのさいに頭を硬いもので激しく殴られて大ケガを負って救急車で病院へ搬送された…けど、病院に到着した直後に大量出血で心肺停止状態に鳴ったのよ!!」
「えっ、そんなぁ~」
「(高2の長男)くんがハヤベンしよったけん、あなな目におうたんよ…(長女)ちゃんは大阪で苦学生の暮らしをしてはる…(次女)ちゃんは成績優秀でテストは学年トップでみんなからソンケーされている…ご主人はトーダイをトップの成績で卒業した3高で、ソンケーの的になっている…なんで(長男)くんはあななダメな子になったのかしらねぇ~」
「奥さま!!そななことを言うためにうちに来たのですか!?」
「優香さん!!うちは優香さんにチューコクしたのよ!!」
「チューコクって、証券会社であつかってるあれ?」
「それは中期国債ファンド(チューコクファンド)!!あんたね!!つばえとる場合じゃないのよ!!」
「奥さま!!うちは厚意で御坊さんが奥さまの頼みを引き受けていたのよ!!厚意で引き受けることがそんなにいかんのですか!?」
「優香さん!!サイゴツウチョウをつきつけるわよ!!御坊さんカタの家に寄りかかっていたら、優香さんが被害を受けるのよ!!そのことはよぉにおぼえておきなさい!!」
となり近所の奥さまは、優香にサイゴツウチョウを突きつけたあと勝手口から出ていった。
サイゴツウチョウを突きつけられた優香は、お弁当作りをやめたあと、自分の部屋に閉じこもった。
(ドザー!!ピカッ!!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!ドスーン!!ドザー!!)
この日は、朝から雨…昼前から昼過ぎにかけて雷を伴った非常に激しい雨が断続的に降る予報であった。
たつろうさんの実家のテレビが置かれている居間のすぐ向かいにある広い土間でみつろうがセンタクをしていた。
(土間の右側が浴室と洗面所、左側にくみ取り式のトイレがある)
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
みつろうは、大きめのタライに水とシャボン(センタクせっけん)を入れて、センタク板でセンタク物をこすっている。
センタク係のさよこがいなくなったので、汗くさい作業着を自分で洗わなければならなくなったことにみつろうはブツクサ文句言い続けていた。
そんなみつろうのもとに、和子がやって来た。
「おにい。」
「なんぞぉ~」
「そないにしんどいのであれば、洗濯機を買い直したらええやん。」
「できたらそのようにしたいけど、オヤジのお人よしのせいで洗濯機が買えねえのだよ!!そななことよりも、和子はなにしに来たんぞ!?」
和子は、みつろうにたけろう由芽夫婦がマダガスカルへ移住すると言うた理由を説明した。
「おにい…たけろうと由芽夫婦がマダガスカルへ移住したい理由が分かったわよ。」
「言わんでも分かるわ…作物を作りたいからだろ…マダガスカルの主食は米食だから米作りたいならここでもでけるのだよ。」
「そうじゃないのよ!!」
「そうなんだよ!!移住したい理由が作物を作りたい…それは米に決まってるだろ…米作りたいならうちの田を使えばええだけや!!」
「たけろうと由芽は作物を作りたいとは言うだけど、米とはいわなんだ!!」
「米じゃなかったらなんやねん!?」
和子は、ひと間隔空けてからみつろうに言うた。
「バニラ…バニラよ。」
「バニラ…それって、料理に使うあれか?」
「そうよ…バニラエッセンスの原料よ。」
たけろう由芽夫婦は、バニラの栽培にチャレンジしたいのでマダガスカルへ移住するというてた。
バニラは、ラン科の植物でマダガスカルはバニラの生産が盛んな国である。
製品になるまでの間、ていねいに栽培しなければならない。
和子は、たけろう由芽夫婦がマダガスカルでバニラの栽培にチャレンジすると言うた理由を数日前のテレビの夕方のワイドニュース番組の特集を見て訣意(けつい)したと言うた。
みつろうは、あきれ声で言うた。
「やっぱりテレビか…」
「テレビで取り上げられた人は、由芽さんの初恋の男性(ひと)よ…由芽さんにフラれてワーキングホリデービザを取得してマダガスカルへ行ったのよ…現地のバニラ畑で働きながらバニラの栽培方法などを学んで…貯めたお金で自分の土地をこうて…それでバニラの栽培を始めたのよ。」
「ああ、もうええ…それ以上の話しは聞きとない!!」
みつろうは、ブツクサ文句言いながらセンタクを続けた。
(ジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブジャブ…)
「たけろうも逸郎も、どこのどこまで甘ったれているのだ!!オレはガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンして…お人よしのオヤジのためになにもかもガマンしてきたのに、幸せになれない…不公平だ!!」
ところ変わって、台所にて…
優香は、共稼ぎの世帯の奥さまから頼まれてお弁当を作っていた。
しかし、高2の長男は他の生徒のお弁当をパクっていたのでお弁当を作ることをやめた。
ただ、中2の次女はお弁当が必要なのでお弁当を作ることにした。
優香は、お弁当を作る食材を調理台にならべていた。
戸棚に置かれているポータブルラジオのスピーカーからNHKラジオで放送されている『昼のいこい』が流れている。
オープニングのあと、一曲目の歌・八神純子さんの歌で『みずいろの雨』が流れていた。
その時であった。
となり近所の奥さまが勝手口に上がってくるなりに、優香に怒った声で言うた。
「優香さん!!ちょっとかまんかしら!!」
「あら、おとなりの奥さま。」
「あんたね!!おひとよしもたいがいにしてや!!あんたの性格はオシュウトさんソックリねぇ!!」
「奥さま!!それはどういう意味なのですか!?御坊さん(共稼ぎの世帯の夫婦)カタのお子さまのお弁当を作るのがそんなにいかんのですか!?」
「いかんから怒っとんよ!!」
怒り狂っている奥さまは、優香に共稼ぎの世帯の夫婦の長男が大ケガを負って救急車で病院に搬送されたことを言うた。
「御坊さんカタの(高2の長男)くんね、お弁当をパクられた男子生徒に殴られて反撃したのよ…そのさいに頭を硬いもので激しく殴られて大ケガを負って救急車で病院へ搬送された…けど、病院に到着した直後に大量出血で心肺停止状態に鳴ったのよ!!」
「えっ、そんなぁ~」
「(高2の長男)くんがハヤベンしよったけん、あなな目におうたんよ…(長女)ちゃんは大阪で苦学生の暮らしをしてはる…(次女)ちゃんは成績優秀でテストは学年トップでみんなからソンケーされている…ご主人はトーダイをトップの成績で卒業した3高で、ソンケーの的になっている…なんで(長男)くんはあななダメな子になったのかしらねぇ~」
「奥さま!!そななことを言うためにうちに来たのですか!?」
「優香さん!!うちは優香さんにチューコクしたのよ!!」
「チューコクって、証券会社であつかってるあれ?」
「それは中期国債ファンド(チューコクファンド)!!あんたね!!つばえとる場合じゃないのよ!!」
「奥さま!!うちは厚意で御坊さんが奥さまの頼みを引き受けていたのよ!!厚意で引き受けることがそんなにいかんのですか!?」
「優香さん!!サイゴツウチョウをつきつけるわよ!!御坊さんカタの家に寄りかかっていたら、優香さんが被害を受けるのよ!!そのことはよぉにおぼえておきなさい!!」
となり近所の奥さまは、優香にサイゴツウチョウを突きつけたあと勝手口から出ていった。
サイゴツウチョウを突きつけられた優香は、お弁当作りをやめたあと、自分の部屋に閉じこもった。
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