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新まりなの日記・9
【あんまりだわ!!】
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5月27日・くもり
犯罪史上超凶悪サギ事件の被害を受けたアタシは、失われた貯蓄が返ってくるわけはないと思ってあきらめることにした。
話は変わって…
この日の夜、アタシは指宿温泉の高級旅館へコンパニオンの仕事に行った。
この日も、福岡の貿易会社の社長さんが起こしになられた。
話は、お部屋で社長さんのおしゃくの相手をしていた時であった。
社長さんがアタシにへらついた声で『あの時振りだした2000万円の小切手を返してくれるかなァ…』と言うて、両手を合わせて『たのむ…この通り…』とお願いした。
なんで?
なんで返してくれと言うねん?
あの時、振りだして下さった小切手を…
なんで返さなアカンねん…
アタシは、ますますわけが分からなくなった。
「2000万円を返して…それ、どういうわけなの?」
「なあ、頼むよ…あの時振りだした2000万円の小切手を返してくれるかなァ…この通りだ。」
「どうしてアタシがあんたに2000万返さなアカンねん?あの時、あんたは『気持ちだけで十分だよ。』と言うたじゃない…それなのに今ごろになって返せだなんて…あんまりやわ…」
「気持ちは分かるけれど、事情が変わったのだよ…」
「事情って、なんやねん?」
「実は…先方さんにはらう買い掛け金が不足したんだよ…先方さんに事情を説明して、待ってほしいとお願いした…けれど、支払いの期日が今月末なのだよぅ…2000万は、不足分にあたるカネだよ…それがないと…裁判ざたになるのだよぅ…なあ…頼むよ…まりな…」
アタシは、冷めた声で社長さんに言うた。
「あんた…他に財産は…あんの?」
「持ってるよぉ…ニーサとイデコなどの金融商品があるよ。」
「せやったら、それ解約したらァ~」
「解約したいよ…だけど…違約金払えと言われるのがイヤなんだよぉ~」
「ほんなら、こっとうひんを売却したらァ~」
「あるけど…あれは、亡くなった女房の家の家宝なんだよ…女房のおじいさんに許しをもらわないと…」
「なさけないわねぇ…」
「まりな。」
「アタシおもたけど…あんたは会社を経営しているのはホンマなの?」
アタシは、冷めた声で社長さんに言うた。
ひと間隔あけて、さらに冷めた声で言うた。
「どなな理由があっても、アタシはあんたの尻ぬぐいはせえへんけん、2000万はあんた自身でどーにかしてね。」
社長さんに冷めた声で言うたアタシは、部屋から出発準備をしながらつぶやいた。
冗談じゃないわよ…
社長さんがヤクザ組織にイソンしたけん痛い目に遭うたのでしょ…
そういうもめごとは、弁護士さんに頼んで解決してよね…
犯罪史上超凶悪サギ事件の被害を受けたアタシは、失われた貯蓄が返ってくるわけはないと思ってあきらめることにした。
話は変わって…
この日の夜、アタシは指宿温泉の高級旅館へコンパニオンの仕事に行った。
この日も、福岡の貿易会社の社長さんが起こしになられた。
話は、お部屋で社長さんのおしゃくの相手をしていた時であった。
社長さんがアタシにへらついた声で『あの時振りだした2000万円の小切手を返してくれるかなァ…』と言うて、両手を合わせて『たのむ…この通り…』とお願いした。
なんで?
なんで返してくれと言うねん?
あの時、振りだして下さった小切手を…
なんで返さなアカンねん…
アタシは、ますますわけが分からなくなった。
「2000万円を返して…それ、どういうわけなの?」
「なあ、頼むよ…あの時振りだした2000万円の小切手を返してくれるかなァ…この通りだ。」
「どうしてアタシがあんたに2000万返さなアカンねん?あの時、あんたは『気持ちだけで十分だよ。』と言うたじゃない…それなのに今ごろになって返せだなんて…あんまりやわ…」
「気持ちは分かるけれど、事情が変わったのだよ…」
「事情って、なんやねん?」
「実は…先方さんにはらう買い掛け金が不足したんだよ…先方さんに事情を説明して、待ってほしいとお願いした…けれど、支払いの期日が今月末なのだよぅ…2000万は、不足分にあたるカネだよ…それがないと…裁判ざたになるのだよぅ…なあ…頼むよ…まりな…」
アタシは、冷めた声で社長さんに言うた。
「あんた…他に財産は…あんの?」
「持ってるよぉ…ニーサとイデコなどの金融商品があるよ。」
「せやったら、それ解約したらァ~」
「解約したいよ…だけど…違約金払えと言われるのがイヤなんだよぉ~」
「ほんなら、こっとうひんを売却したらァ~」
「あるけど…あれは、亡くなった女房の家の家宝なんだよ…女房のおじいさんに許しをもらわないと…」
「なさけないわねぇ…」
「まりな。」
「アタシおもたけど…あんたは会社を経営しているのはホンマなの?」
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ひと間隔あけて、さらに冷めた声で言うた。
「どなな理由があっても、アタシはあんたの尻ぬぐいはせえへんけん、2000万はあんた自身でどーにかしてね。」
社長さんに冷めた声で言うたアタシは、部屋から出発準備をしながらつぶやいた。
冗談じゃないわよ…
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