まりなの日記

佐伯達男

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新まりなの日記・8

【リサンして行く家族】

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8月9日・晴れ

この日は雲ひとつない快晴で、予想最高気温が40度超えと猛暑日であった。

この日、アタシは阪神甲子園球場でバイトをしていた。

夏の選抜高校野球選手権を観戦しに来たお客様にかち割りを売る仕事をしていた。

(ガツン!!ガツン!!ガツン!!)

作業場に、大きな氷のかたまりが砕ける音が響く。

アタシは、大きな氷のかたまりをアイスピックで砕いて、ビニール袋に詰める作業をしていた。

かち割りを作ったあと、観覧席に行ってかち割りを売り回る。

「冷や氷、冷や氷、かち割り、かち割りいかがでしょうか?」

アタシは、大きな声をあげながらお客様にかち割りを売り歩いた。

この日の午後の予想最高気温は、42度だったと思う。

かち割りは、あっという間に売り切れた。

アタシは、また作業場へ戻って、新しいかち割りを作る。

そしてまた、観覧席へ行って『冷や氷、冷や氷、かち割り、かち割りいかがでしょうか!?』と叫びながら、売り歩く…

…と言う繰り返しである。

スコアーボードの時計のはりは、午後3時をさしていた。

この時、第3試合の岡山県代表の倉敷商業高校-岩手県代表の花巻東高校の試合が盛り上がっていた。

倉敷商業高校のラッキー7の時に、チアガールたちがブラスバンドの演奏に合わせて踊る名物『桃太郎サンバ』が繰り広げられていた。

アタシのポーチの中に入っているスマホがマナーモードの状態で鳴り響いた。

この時、深刻な事件が発生した。

事件は、京都の祇園の中心地の交差点で発生した。

軽ワゴン車が暴走して、交差点を渡っていた歩行者7~8人が死傷した交通事故が発生した。

軽ワゴン車は、交差点から1・4キロ先で電柱に激突して大破した。

暴走した軽ワゴン車を運転していたのは、こともあろうにアタシに暴力をふるった虫ケラダンナだった。

虫ケラ野郎は、大破した軽ワゴン車の中でくたばった。

アタシがそのニュースを始めて知ったのは、夕方6時半頃だった。

その時、アタシは大阪梅田行きの阪神電車に乗っていた。

アタシがスマホをいじっていた時であった。

『音声伝言板が一件入っています…』のメッセージが待受画面に表示されていた。

アタシは、音声伝言板のアプリを開いて、再生した。

メッセージは、虫ケラの小娘からだった。

『まりなさんお願いです!!すぐに京都に来てください!!祇園の中心地の交差点で軽ワゴン車が暴走して…歩行者が7~8人が死傷した事故が発生しました…軽ワゴン車を運転していたのは…父だったの…まりなさん…助けて…アタシ…刑事たちからゴウモンを受けているの…』

小娘は、泣きながらアタシにキュウジョウを伝えた。

しかし、アタシはすぐに伝言をサクジョした。

あなな虫ケラの家は…

つぶれて当然よ…

アタシにきつい暴力をふるって、家から追いだしたけん…

ヒサンな末路をたどったのよ…

ざまあみろ…

虫ケラテイシュが祇園の中心地で暴走事故を起こして、自分も閉じ込められた車内でくたばった…

アタシは、自らのツイッターにこうつづった。

虫ケラテイシュは、アタシの顔をグーで思い切り殴った上にアタシのことを『再婚妻のくせして!!』とか『亭主にたてついた!!』などとわめきちらした!!

そなな虫ケラテイシュは、くたばって当然よ!!

虫ケラテイシュとそれを助長させた親族どもは、天罰を喰らうべきだわ!!

(この日更新されたまりなのツイッターのリツイート数が100万件の超大台を記録した。翌日以降もリツイート数が増加した。)
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