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新まりなの日記・3
【失って分かった人の優しさ】
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1月13日・晴れ
和歌山の住友金属の工場に再就職してから1週間が経過したが、仕事が思うようにできなかった。
アタシは、毎日のように現場のひとからどやされてばかりいた。
入って早々に、生産ラインで失敗ばかりがつづいたのでトイレ掃除に回された。
給料引きの約束で注文したお弁当も、食べれない…
…など、つらいことばかりがつづく。
そんなとき、アタシは白鳥(香川県東かがわ市)にいたときのことを思い出す。
笠置さんの家族や地域の勤労青少年ホームの会員さんのみなさまともめ事ばかりを繰り返した原因はなんだろうか…
小さいときから両親が家に不在だった…
だから、家族で過ごした思い出がなかった…
キンリンや学校に、親しい友達がいなかった…
だから、アタシは深刻なもめ事を繰り返していたのではないのか?
不足したら、補えばいい…
おつゆが冷めたら、温め直せばいい…
注文した料理がまだ来てなかったら、もう一度注文し直せばいい…
『○○だったら、△△すればいい。』なんかアタシには理解できない!!…
あの時、笠置さんの家で暮らすことがイヤだった理由はたくさんある。
1つは、笠置さん長女さんの婿さんが運転する車に乗り合わせて出勤することがイヤ…
婿さんが毎日のように勤労青少年ホームの会員さんのオノロケ話を自慢げに話していた…
話の最後に『勤労青少年ホームへ行けない人はさみしいねぇ~』と言うて、婿さんは勤労青少年ホームに入会しない人をボロクソにヒナンしていた…
それを笠置さんのご家族がドーチョーしていた。
2つ目は、笠置さんの長男さんと次女さんが大学や短大で華のキャンパスライフを送っていることである
資格も特技もないアタシに、笠置さんは『それだったら継続して同じ職場で働くことが仕事に必要な資格だから。』と繰り返し言う。
また、笠置さんは文芸雑誌『正論』(産経新聞社)を読んでいたので、笠置さんはアタシにお説教じみた話ばかりをした。
だからアタシは、もめ事を繰り返した。
笠置さんの家族とのトラブルは、毎日毎晩つづいた。
笠置さん本人とも怒鳴り合うこともあった。
しかし、勤労青少年ホームの会員さんたちはアタシのことを優しくして下さった。
今ごろになって、それに気がついた。
なのに、どうしてアタシは会員さんたちともめ事を起こたのか…
新宮(愛媛県四国中央市)の大きな公園に行った時、会員さんの保母さんにイカクをしたあげくに大ケガを負わせた事件は、今でもアタシの心の中でわだかまっていた。
保母さんは、あの時『一緒にお弁当を食べませんか?』と優しく声をかけてくださった。
保母さんもまた、恋人さんがいないことと勤労青少年ホームの中に親しい友人がいなかった。
アタシと友達になりたかった…
保母さんは、それが言えなかった。
…と言うことに気がついた。
あの日、川之江(の病院)から三本松へ戻る途中で、婿さんがひどくイラついたところをみた時『婿さんは、よそ者のアタシに出てゆけといよる…』と思った。
今にして思えば、あの時笠置さんの家を飛び出さなければアタシは一生ぬるま湯につかったままであった。
しかし、それと引き換えに大切なものを喪った(うしなった)…と捉えるべきではないのか?
和歌山の住友金属の工場に再就職してから1週間が経過したが、仕事が思うようにできなかった。
アタシは、毎日のように現場のひとからどやされてばかりいた。
入って早々に、生産ラインで失敗ばかりがつづいたのでトイレ掃除に回された。
給料引きの約束で注文したお弁当も、食べれない…
…など、つらいことばかりがつづく。
そんなとき、アタシは白鳥(香川県東かがわ市)にいたときのことを思い出す。
笠置さんの家族や地域の勤労青少年ホームの会員さんのみなさまともめ事ばかりを繰り返した原因はなんだろうか…
小さいときから両親が家に不在だった…
だから、家族で過ごした思い出がなかった…
キンリンや学校に、親しい友達がいなかった…
だから、アタシは深刻なもめ事を繰り返していたのではないのか?
不足したら、補えばいい…
おつゆが冷めたら、温め直せばいい…
注文した料理がまだ来てなかったら、もう一度注文し直せばいい…
『○○だったら、△△すればいい。』なんかアタシには理解できない!!…
あの時、笠置さんの家で暮らすことがイヤだった理由はたくさんある。
1つは、笠置さん長女さんの婿さんが運転する車に乗り合わせて出勤することがイヤ…
婿さんが毎日のように勤労青少年ホームの会員さんのオノロケ話を自慢げに話していた…
話の最後に『勤労青少年ホームへ行けない人はさみしいねぇ~』と言うて、婿さんは勤労青少年ホームに入会しない人をボロクソにヒナンしていた…
それを笠置さんのご家族がドーチョーしていた。
2つ目は、笠置さんの長男さんと次女さんが大学や短大で華のキャンパスライフを送っていることである
資格も特技もないアタシに、笠置さんは『それだったら継続して同じ職場で働くことが仕事に必要な資格だから。』と繰り返し言う。
また、笠置さんは文芸雑誌『正論』(産経新聞社)を読んでいたので、笠置さんはアタシにお説教じみた話ばかりをした。
だからアタシは、もめ事を繰り返した。
笠置さんの家族とのトラブルは、毎日毎晩つづいた。
笠置さん本人とも怒鳴り合うこともあった。
しかし、勤労青少年ホームの会員さんたちはアタシのことを優しくして下さった。
今ごろになって、それに気がついた。
なのに、どうしてアタシは会員さんたちともめ事を起こたのか…
新宮(愛媛県四国中央市)の大きな公園に行った時、会員さんの保母さんにイカクをしたあげくに大ケガを負わせた事件は、今でもアタシの心の中でわだかまっていた。
保母さんは、あの時『一緒にお弁当を食べませんか?』と優しく声をかけてくださった。
保母さんもまた、恋人さんがいないことと勤労青少年ホームの中に親しい友人がいなかった。
アタシと友達になりたかった…
保母さんは、それが言えなかった。
…と言うことに気がついた。
あの日、川之江(の病院)から三本松へ戻る途中で、婿さんがひどくイラついたところをみた時『婿さんは、よそ者のアタシに出てゆけといよる…』と思った。
今にして思えば、あの時笠置さんの家を飛び出さなければアタシは一生ぬるま湯につかったままであった。
しかし、それと引き換えに大切なものを喪った(うしなった)…と捉えるべきではないのか?
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