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第5話
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病室は、絶対安静モードに入っていたので、中に入ることができなかった。
入院病棟のロビーにて…
かあさんは、くすんくすんと泣きじゃくっていた。
「たっくん、死なないで…たっくん、死なないで…たっくん…たっくんに甘えてばかりいて…ごめんね…たっくん…今度はかあさんがたっくんにやさしくしてあげる…バレンタインデーの次の日に、挙式披露宴をあげようと約束したのに…死ぬなんて…イヤ…死ぬなんて、イヤ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
かあさんの言葉を聞いていたぼくの母は、おたついた声で言うた。
「かあさんって…たみおのかあさんは、アタシなのよ…どうしてなの!?」
「やめろ。たみおは今、危険な状態なのに!!」
「だって、おかしいわよ!!」
「落ち着け!!」
ぼくの父は、必死になって母をなだめていた。
「まあまあ、お母さま、落ち着いてください。」
かあさんの兄夫婦が母をなだめていた。
「落ち着いてなんか、いられないわよ!!」
母は、ひどく動揺した声でかあさんの兄夫婦にこう言うていた。
「結婚したのに、お嫁さんをかあさんと呼ぶなんて…どういうことなのよ!!」
「やめんか…他の入院患者さんはお休みなんだよ…大きな声を出すな!!今は、一刻を争う事態なのだぞ!!」
母は、どうすることもできずに激しく泣くしかなかった。
クリスマスの日の朝のことであった。
朝から白い雪が降っていたので、病院の外の風景は、白い雪に包まれていた。
かあさんの兄夫婦とぼくの両親は入院病棟のロビーにて、お話をしていた。
「友泉(ゆうみ)は、200回もお見合いをしてきたがどれもうまく行かなかった。12年前に、友泉は『アタシもう、結婚なんかしたくないわ!!』と言うて、結婚から目をそむけてしまいました…それからしばらくして、友泉(ゆうみ)は松山の結婚相談の店に入会をしました。かれこれ5年前のことでありました。」
「友泉(ゆうみ)さんがたみおと出会ったきっかけは?」
「今村さんのご厚意で出会いました…たみおさんは(結婚相談の)会員さんではないのですが、今村さんのご厚意と熱意に心を動かされたので、妹はたみおさんとの結婚を決意しました。」
「そうでありましたか…」
「たみおが、友泉(ゆうみ)さんのことを、かあさんと呼ぶのは?」
「たみおさんは、子供の時にさみしい想いをなされていたのだと想います。」
「たしかに、私たち夫婦は何かと忙しかった…仕事についても、家庭生活の面でもそうだったし…」
かあさんの義姉は、ぼくの母にこう言うた。
「たみおさんのお母さまにお聞きいたしますが…たみおさんが赤ちゃんの時または、小さいときに、母親に甘えた形跡とかは?」
「なかったと想いますわ…たみおは、他の兄弟とは違って、手のかからない子だったと想います…初乳は与えましたが、それ以降はお乳は、与えていませんでした。」
かあさんの義姉は、母に怒った声で言うていた。
「どうしておちちを与えなかったのですか!?手のかからない子でありましたって…どうしてそんなケーソツなことを言うのですか!?どうしてたみおさんにそんなひどいことをしたのですか!?お母さんの愛情が必要な赤ちゃんの時に、どうして抱っこしなかったのですか!?あんまりですわ!!」
母は、泣きながら『下の子のことと、主人の親戚の子が可愛かったから…たみおに、何もしてあげられなかった…』と言うたあと、激しく泣いていた。
父は『後悔しても、今さら遅い!!』と言いまして、泣いていた。
入院病棟のロビーにて…
かあさんは、くすんくすんと泣きじゃくっていた。
「たっくん、死なないで…たっくん、死なないで…たっくん…たっくんに甘えてばかりいて…ごめんね…たっくん…今度はかあさんがたっくんにやさしくしてあげる…バレンタインデーの次の日に、挙式披露宴をあげようと約束したのに…死ぬなんて…イヤ…死ぬなんて、イヤ…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
かあさんの言葉を聞いていたぼくの母は、おたついた声で言うた。
「かあさんって…たみおのかあさんは、アタシなのよ…どうしてなの!?」
「やめろ。たみおは今、危険な状態なのに!!」
「だって、おかしいわよ!!」
「落ち着け!!」
ぼくの父は、必死になって母をなだめていた。
「まあまあ、お母さま、落ち着いてください。」
かあさんの兄夫婦が母をなだめていた。
「落ち着いてなんか、いられないわよ!!」
母は、ひどく動揺した声でかあさんの兄夫婦にこう言うていた。
「結婚したのに、お嫁さんをかあさんと呼ぶなんて…どういうことなのよ!!」
「やめんか…他の入院患者さんはお休みなんだよ…大きな声を出すな!!今は、一刻を争う事態なのだぞ!!」
母は、どうすることもできずに激しく泣くしかなかった。
クリスマスの日の朝のことであった。
朝から白い雪が降っていたので、病院の外の風景は、白い雪に包まれていた。
かあさんの兄夫婦とぼくの両親は入院病棟のロビーにて、お話をしていた。
「友泉(ゆうみ)は、200回もお見合いをしてきたがどれもうまく行かなかった。12年前に、友泉は『アタシもう、結婚なんかしたくないわ!!』と言うて、結婚から目をそむけてしまいました…それからしばらくして、友泉(ゆうみ)は松山の結婚相談の店に入会をしました。かれこれ5年前のことでありました。」
「友泉(ゆうみ)さんがたみおと出会ったきっかけは?」
「今村さんのご厚意で出会いました…たみおさんは(結婚相談の)会員さんではないのですが、今村さんのご厚意と熱意に心を動かされたので、妹はたみおさんとの結婚を決意しました。」
「そうでありましたか…」
「たみおが、友泉(ゆうみ)さんのことを、かあさんと呼ぶのは?」
「たみおさんは、子供の時にさみしい想いをなされていたのだと想います。」
「たしかに、私たち夫婦は何かと忙しかった…仕事についても、家庭生活の面でもそうだったし…」
かあさんの義姉は、ぼくの母にこう言うた。
「たみおさんのお母さまにお聞きいたしますが…たみおさんが赤ちゃんの時または、小さいときに、母親に甘えた形跡とかは?」
「なかったと想いますわ…たみおは、他の兄弟とは違って、手のかからない子だったと想います…初乳は与えましたが、それ以降はお乳は、与えていませんでした。」
かあさんの義姉は、母に怒った声で言うていた。
「どうしておちちを与えなかったのですか!?手のかからない子でありましたって…どうしてそんなケーソツなことを言うのですか!?どうしてたみおさんにそんなひどいことをしたのですか!?お母さんの愛情が必要な赤ちゃんの時に、どうして抱っこしなかったのですか!?あんまりですわ!!」
母は、泣きながら『下の子のことと、主人の親戚の子が可愛かったから…たみおに、何もしてあげられなかった…』と言うたあと、激しく泣いていた。
父は『後悔しても、今さら遅い!!』と言いまして、泣いていた。
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