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第22話・砂の十字架
【岡山は女の泣くところ】
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時は、夜8時頃であった。
ところ変わって、岡山城・後楽園(日本三大庭園)のすぐ近くにある石山公園にて…
公園のテーブルの上にジャスコで購入した缶ビール2本と肉ぎょうざが置かれていた。
私は、ライトアップされている岡山城《おしろ》をめでながら缶ビールをのみながらつぶやいた。
きれいだな…
カクテル光線に染められている岡山城《おしろ》がとてもきれいだな…
ひとりでのむのはさみしいな…
やっぱり…
好きなカノジョと一緒に…
カクテル光線にそまった岡山城《おしろ》を見つめながら…
ビールをのみたいな…
それから1時間50分後であった。
私は、しめの大盛りソース焼きそばと3種のサラダで夕食を摂った。
公園には、夜10時半頃まで滞在した。
日付けが変わって、10月8日の深夜0時40分頃であった。
私は、ショルダーバッグを持って柳町通りを歩いていた。
通りにナイトクラブや風俗店などが立ち並んでいた。
若いカップルさんたちやなじみ客とドーハンで出勤するホステスさんや女子大生のグループたちが通りをおうらいしていた。
通りのスピーカーから内田よしハルさんの歌で『岡山は女の泣くところ』が流れていた。
店の前に立っている客引《ポンび》きのニイチャンたちが道行く人たちに対して『お安くしときますよ~』とか『サービスしますよ~』などと言うていた。
私は、店で遊ぶゆとりは全くないのだよ…
客がほしいのであれば、他の客をとれよ…
…とつぶやきながら歩いた。
それからまた20分後であった。
この時、私はあちらこちらをやみくもに歩き回ったことが原因で道に迷った。
それが原因で、えげつない現場に遭遇《そうぐう》した。
私はこの時、田町にあるお寺さんの近くを歩いていた。
この時、お寺のケイダイからなさけない男の声とヤクザの怒った声が聞こえた。
お寺に誰がいるのか?
不審に思った私は、門の手前で足を止めたあと門の影に隠れた。
そこから私は、ケイダイの様子を見た。
あれは、陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》にいたジョーネンジの御曹司《クソガキ》と番頭《ばんと》はんだ…
なんでこんなところで話し合いをしているのだ…
ジョーネンジの御曹司《クソガキ》は、番頭《ばんと》はんに対してなさけない声で言うた。
「こらえてくれよ~…今のオレはまっとうなカタギなんだよ~…仕事も順調で、恋愛結婚で結ばれた嫁さんとラブラブで…イチヒメニタロウサンサンシで幸せいっぱいなんだよ…あんたはふざけとんか!?オドレクソチンピラ!!なんとか言え!!」
やきそばヘアでももけた腹巻き姿の番頭《ばんと》はんは、怒りを込めながら御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!そう言うオドレも陸自少年工科学校《りくじのコーコー》で悪いことばかりしていたやないかぇ!!おい御曹司《クソガキ》!!オドレは田嶋組《うちのくみ》にいちゃもんつけておいて逃げる気か!?」
「いちゃもんつけたのはあんただ!!」
「なんやワレ!!オドレは田嶋《うち》に焚きつける気か!?」
「焚きつけて来たのはあんただ!!オドレよくもじいちゃんの名誉を傷つけたな!!じいちゃんはキゾクインを六期務めたんだぞ!!神奈川県イチえらい人なんだよ!!」
「なにがえらい人だか…キゾクインってなんや?…オドレのジジイがマロだと言うことがまだ分かんねえのかよ?」
「マロ…じいちゃんはヘーアンキゾクじゃないのだよ~」
「違わねーよ…どないにいうてもオドレのジジイはマロなんだよ!!…そなな話はどうでもええ!!…おい御曹司《クソガキ》!!オドレは誰のおかげで助かったと思とんや!?」
「なんのことだよ?」
「オドレはもう忘れたのか!?今から30年前にオドレが陸自少年工科学校《りくじのコーコー》から脱走した事件を犯したことを忘れたのか!?」
「もうとっくに忘れたよ~」
「なんやワレ!!オドレがサツにパクられた時を思い出せ!!誰のおかげで助かったと思ってるのだ!?」
「しらねーよ~」
「オドレはワシをグロウしとんか!?」
「グロウしたのはあんただよバカ!!」
「なにィ!!バカとはなんや!?」
「バカをバカと言うたらいかんのか虫けら!!」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ関東者《よそもん》!!」
「なんだとこの野郎!!ミミズ!!ゲジゲジ!!ブイブイ!?」
御曹司《アホンダラ》からボロクソに言われた番頭《ばんと》はんは、ブチ切れ一歩手前におちいった。
「なんやオドレ!!言いたいことはそれだけか!?」
「ああそうだよクソバカ!!くるくるパーのやきそば頭のボロい服を着たホイト!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で言うた。
「オドレ御曹司《クソガキ》!!言いたいことはそれだけか!?…ほんなら、あの時の恩をアダで返すと言うことだな…ああ!!」
「なんだよ!!逆ギレ野郎!!」
「オドレはあの時『身元引受人がおらん~』と言うてビービービービービービービービービービー泣きよった!!ビービービービー泣きよるオドレに助けの手を差し伸べたのは誰かわかっとんか!?」
「忘れたよ~」
「この野郎…あの時ビービービービー泣きよったオドレに助けの手を差し伸べたのは、風早連合の飯豊会長《かいちょうはん》や!!…飯豊会長《かいちょうはん》が知人の弁護士にオドレの身元引受人を頼んだのだぞ!!…オドレが脱走事件を犯したことで実家の親御《おや》からカンドーされた…帰る家をなくしたオドレのためにあれこれと動いてくださった飯豊会長《かいちょうはん》の気持ちが分からんのか!?…『帰る家がない~』『ジエータイはイヤだ!!』『センジョーに行きたくない!!』『人殺しをしたくない!!』…とさんざん言うたからわしはオドレを引き取った…ほんでオドレは二岡総裁《おやっさん》と盃《さかずき》をかわした!!…オドレはその時『わいの命を二岡総裁《おやっさん》にささげるとちかった…オドレはどこのどこまでうそつきだ!?」
「うそつきはオドレだろ…」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「バカとはなんや!!」
「バカをバカと言うたらいかんのかクソチンピラ!!」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんやオドレ!!」
「オドレがそこまでボロクソに言うのであれば、ワシにも考えがあるぞ!!」
「どうする気だ!?家族に手出しする気か!?」
「おい御曹司《クソガキ》!!オドレは盃《さかずき》をかわした総裁《おや》の思いをわやにして逃げる気か!?…オドレは今から20年前に上納金《くみのカネ》5000万を持って逃げた…上納金《くみのカネ》はどこへやった!?」
「しらねーよ!!…オレはあんたのところから逃げたあと、知人のアニキのところへ逃げ込んだ…今のオレの用心棒《ケツモチ》は誰かわかっとんか!?…オレの用心棒《ケツモチ》は具同会だぞ!!具同会の四村総裁《おやっさん》だぞ!!どうだ!!なんとか言えよ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《アホンダラ》に言うた。
「御曹司《クソガキ》が言いたいことはよく分かったわ!!オドレが田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を盗んで逃げたあと、具同会《ぐどうかい》に寝返った…と言う話を聞いたので…生きて返すわけには行かんぞ…オドレが12年前に今治の市街地を爆破した事件についても知ってるのだぞ!!」
「しらねーよ~」
「ふざけるな!!あの事件の実行を指示したやつは誰や!?…やっぱり四村総裁《よむら》か!?」
「違う!!おれたちで実行した!!…イワマツがにくいかったから…」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんだよ!!」
「オドレは誰に頼まれて市街地《まち》を爆破した!?」
「オレ一人でした!!ジエータイの弾薬庫から盗んだ弾薬を使った!!」
「他には!?」
「他にはねえよ!!」
「よくわかった…ほんなら、カネ出せ!!」
「カネ…カネってなんだよ?」
「田嶋《うち》の上納金《ゼニ》や!!」
「あれは、いるおカネなんだよ!!妻が出産する時に必要なおカネなんだよ!!」
「そうか…ほんなら返さないと言うことだな…」
「ふざけるなよ!!今から四村総裁《おやっさん》にチクるからな!!」
「ほー、オドレええドキョーしてまんな…それならそれなりの覚悟はできてると言うことだな!!」
「ああ、できてるさ…テメェに払うカネなんか1円もねえんだよボケ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!きょうはこのくらいにしといたらぁ…けど…わしは田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を返してもらうまではなんどもサイソクするからな…カクゴしとけ!!ああ!!」
番頭《ばんと》はんは、御曹司《クソガキ》をイカクしたあとその場から立ち去った。
門の影に隠れていた私は、ゆっくりと現場から立ち去った。
こわい…
こわい…
どうしよう…
どうしたらいいのだ…
(ブロロロロ…)
時は、深夜3時50分頃であった。
私は、国道2号線と30号線がクロスする青江交差点《こうさてん》の付近にあるコンビニへ逃げたあとヒッチハイクした長距離トラックに乗って旅に出た。
トラックは、国道2号線を通って神戸・大阪方面へ向かった。
車内にある仮眠ベットに寝ている私は、ぼんやりとした表情でつぶやいた。
御曹司《あのヤロー》…
番頭《ばんと》はんにたきつけて行ったらどうなるのか…
…と言うことが分かってないみたいや…
もっと分からないのは、ヤクザを利用するだけ利用したら自分が利用されると言うことに気がついてない…
御曹司《あのヤロー》は、なんで陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》に来たのか?
御曹司《あのヤロー》は、なんで親御《おや》にカンドーされたのかと言うことが全く分かってない…
もうダメだな…
だけど…
私は、くだらないもめ事に付き合っているヒマはない…
一刻も早く大番頭《おおばんと》はんたちを見つけないと…
急げ…
もう時間がない!!
ところ変わって、岡山城・後楽園(日本三大庭園)のすぐ近くにある石山公園にて…
公園のテーブルの上にジャスコで購入した缶ビール2本と肉ぎょうざが置かれていた。
私は、ライトアップされている岡山城《おしろ》をめでながら缶ビールをのみながらつぶやいた。
きれいだな…
カクテル光線に染められている岡山城《おしろ》がとてもきれいだな…
ひとりでのむのはさみしいな…
やっぱり…
好きなカノジョと一緒に…
カクテル光線にそまった岡山城《おしろ》を見つめながら…
ビールをのみたいな…
それから1時間50分後であった。
私は、しめの大盛りソース焼きそばと3種のサラダで夕食を摂った。
公園には、夜10時半頃まで滞在した。
日付けが変わって、10月8日の深夜0時40分頃であった。
私は、ショルダーバッグを持って柳町通りを歩いていた。
通りにナイトクラブや風俗店などが立ち並んでいた。
若いカップルさんたちやなじみ客とドーハンで出勤するホステスさんや女子大生のグループたちが通りをおうらいしていた。
通りのスピーカーから内田よしハルさんの歌で『岡山は女の泣くところ』が流れていた。
店の前に立っている客引《ポンび》きのニイチャンたちが道行く人たちに対して『お安くしときますよ~』とか『サービスしますよ~』などと言うていた。
私は、店で遊ぶゆとりは全くないのだよ…
客がほしいのであれば、他の客をとれよ…
…とつぶやきながら歩いた。
それからまた20分後であった。
この時、私はあちらこちらをやみくもに歩き回ったことが原因で道に迷った。
それが原因で、えげつない現場に遭遇《そうぐう》した。
私はこの時、田町にあるお寺さんの近くを歩いていた。
この時、お寺のケイダイからなさけない男の声とヤクザの怒った声が聞こえた。
お寺に誰がいるのか?
不審に思った私は、門の手前で足を止めたあと門の影に隠れた。
そこから私は、ケイダイの様子を見た。
あれは、陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》にいたジョーネンジの御曹司《クソガキ》と番頭《ばんと》はんだ…
なんでこんなところで話し合いをしているのだ…
ジョーネンジの御曹司《クソガキ》は、番頭《ばんと》はんに対してなさけない声で言うた。
「こらえてくれよ~…今のオレはまっとうなカタギなんだよ~…仕事も順調で、恋愛結婚で結ばれた嫁さんとラブラブで…イチヒメニタロウサンサンシで幸せいっぱいなんだよ…あんたはふざけとんか!?オドレクソチンピラ!!なんとか言え!!」
やきそばヘアでももけた腹巻き姿の番頭《ばんと》はんは、怒りを込めながら御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!そう言うオドレも陸自少年工科学校《りくじのコーコー》で悪いことばかりしていたやないかぇ!!おい御曹司《クソガキ》!!オドレは田嶋組《うちのくみ》にいちゃもんつけておいて逃げる気か!?」
「いちゃもんつけたのはあんただ!!」
「なんやワレ!!オドレは田嶋《うち》に焚きつける気か!?」
「焚きつけて来たのはあんただ!!オドレよくもじいちゃんの名誉を傷つけたな!!じいちゃんはキゾクインを六期務めたんだぞ!!神奈川県イチえらい人なんだよ!!」
「なにがえらい人だか…キゾクインってなんや?…オドレのジジイがマロだと言うことがまだ分かんねえのかよ?」
「マロ…じいちゃんはヘーアンキゾクじゃないのだよ~」
「違わねーよ…どないにいうてもオドレのジジイはマロなんだよ!!…そなな話はどうでもええ!!…おい御曹司《クソガキ》!!オドレは誰のおかげで助かったと思とんや!?」
「なんのことだよ?」
「オドレはもう忘れたのか!?今から30年前にオドレが陸自少年工科学校《りくじのコーコー》から脱走した事件を犯したことを忘れたのか!?」
「もうとっくに忘れたよ~」
「なんやワレ!!オドレがサツにパクられた時を思い出せ!!誰のおかげで助かったと思ってるのだ!?」
「しらねーよ~」
「オドレはワシをグロウしとんか!?」
「グロウしたのはあんただよバカ!!」
「なにィ!!バカとはなんや!?」
「バカをバカと言うたらいかんのか虫けら!!」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ関東者《よそもん》!!」
「なんだとこの野郎!!ミミズ!!ゲジゲジ!!ブイブイ!?」
御曹司《アホンダラ》からボロクソに言われた番頭《ばんと》はんは、ブチ切れ一歩手前におちいった。
「なんやオドレ!!言いたいことはそれだけか!?」
「ああそうだよクソバカ!!くるくるパーのやきそば頭のボロい服を着たホイト!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で言うた。
「オドレ御曹司《クソガキ》!!言いたいことはそれだけか!?…ほんなら、あの時の恩をアダで返すと言うことだな…ああ!!」
「なんだよ!!逆ギレ野郎!!」
「オドレはあの時『身元引受人がおらん~』と言うてビービービービービービービービービービー泣きよった!!ビービービービー泣きよるオドレに助けの手を差し伸べたのは誰かわかっとんか!?」
「忘れたよ~」
「この野郎…あの時ビービービービー泣きよったオドレに助けの手を差し伸べたのは、風早連合の飯豊会長《かいちょうはん》や!!…飯豊会長《かいちょうはん》が知人の弁護士にオドレの身元引受人を頼んだのだぞ!!…オドレが脱走事件を犯したことで実家の親御《おや》からカンドーされた…帰る家をなくしたオドレのためにあれこれと動いてくださった飯豊会長《かいちょうはん》の気持ちが分からんのか!?…『帰る家がない~』『ジエータイはイヤだ!!』『センジョーに行きたくない!!』『人殺しをしたくない!!』…とさんざん言うたからわしはオドレを引き取った…ほんでオドレは二岡総裁《おやっさん》と盃《さかずき》をかわした!!…オドレはその時『わいの命を二岡総裁《おやっさん》にささげるとちかった…オドレはどこのどこまでうそつきだ!?」
「うそつきはオドレだろ…」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「バカとはなんや!!」
「バカをバカと言うたらいかんのかクソチンピラ!!」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんやオドレ!!」
「オドレがそこまでボロクソに言うのであれば、ワシにも考えがあるぞ!!」
「どうする気だ!?家族に手出しする気か!?」
「おい御曹司《クソガキ》!!オドレは盃《さかずき》をかわした総裁《おや》の思いをわやにして逃げる気か!?…オドレは今から20年前に上納金《くみのカネ》5000万を持って逃げた…上納金《くみのカネ》はどこへやった!?」
「しらねーよ!!…オレはあんたのところから逃げたあと、知人のアニキのところへ逃げ込んだ…今のオレの用心棒《ケツモチ》は誰かわかっとんか!?…オレの用心棒《ケツモチ》は具同会だぞ!!具同会の四村総裁《おやっさん》だぞ!!どうだ!!なんとか言えよ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《アホンダラ》に言うた。
「御曹司《クソガキ》が言いたいことはよく分かったわ!!オドレが田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を盗んで逃げたあと、具同会《ぐどうかい》に寝返った…と言う話を聞いたので…生きて返すわけには行かんぞ…オドレが12年前に今治の市街地を爆破した事件についても知ってるのだぞ!!」
「しらねーよ~」
「ふざけるな!!あの事件の実行を指示したやつは誰や!?…やっぱり四村総裁《よむら》か!?」
「違う!!おれたちで実行した!!…イワマツがにくいかったから…」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんだよ!!」
「オドレは誰に頼まれて市街地《まち》を爆破した!?」
「オレ一人でした!!ジエータイの弾薬庫から盗んだ弾薬を使った!!」
「他には!?」
「他にはねえよ!!」
「よくわかった…ほんなら、カネ出せ!!」
「カネ…カネってなんだよ?」
「田嶋《うち》の上納金《ゼニ》や!!」
「あれは、いるおカネなんだよ!!妻が出産する時に必要なおカネなんだよ!!」
「そうか…ほんなら返さないと言うことだな…」
「ふざけるなよ!!今から四村総裁《おやっさん》にチクるからな!!」
「ほー、オドレええドキョーしてまんな…それならそれなりの覚悟はできてると言うことだな!!」
「ああ、できてるさ…テメェに払うカネなんか1円もねえんだよボケ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!きょうはこのくらいにしといたらぁ…けど…わしは田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を返してもらうまではなんどもサイソクするからな…カクゴしとけ!!ああ!!」
番頭《ばんと》はんは、御曹司《クソガキ》をイカクしたあとその場から立ち去った。
門の影に隠れていた私は、ゆっくりと現場から立ち去った。
こわい…
こわい…
どうしよう…
どうしたらいいのだ…
(ブロロロロ…)
時は、深夜3時50分頃であった。
私は、国道2号線と30号線がクロスする青江交差点《こうさてん》の付近にあるコンビニへ逃げたあとヒッチハイクした長距離トラックに乗って旅に出た。
トラックは、国道2号線を通って神戸・大阪方面へ向かった。
車内にある仮眠ベットに寝ている私は、ぼんやりとした表情でつぶやいた。
御曹司《あのヤロー》…
番頭《ばんと》はんにたきつけて行ったらどうなるのか…
…と言うことが分かってないみたいや…
もっと分からないのは、ヤクザを利用するだけ利用したら自分が利用されると言うことに気がついてない…
御曹司《あのヤロー》は、なんで陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》に来たのか?
御曹司《あのヤロー》は、なんで親御《おや》にカンドーされたのかと言うことが全く分かってない…
もうダメだな…
だけど…
私は、くだらないもめ事に付き合っているヒマはない…
一刻も早く大番頭《おおばんと》はんたちを見つけないと…
急げ…
もう時間がない!!
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