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第22話・砂の十字架
【春雨】
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(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…チョキンチョキンチョキン…)
時は、10月4日の昼前であった。
この時、外はザーザー降りの雨が降っていた。
ところ変わって、私が一時暮らしていた大型倉庫にて…
私は、キンショウブロックについている実(しいたけ)と切れ端をはさみで全部つみとる作業をしていた。
この時、ひろこねえさんが倉庫にやって来た。
ひろこねえさんは、たたみの上でアグラをかいて座った状態でのんきにたばこをくゆらせていた。
ひろこねえさんは、ペプシコーラの空き缶に吸いがらを入れたあと怒った声で私に言うた。
「イワマツさん!!」
「はい?」
「あんたは…ガッコーに行ったの!?」
「はい?」
「ガッコーに行ったのかと聞いてるのよ!!」
「ガッコーって、なんですか?」
「小学校~中学校~全日制普通科高校《コートーガッコー》をガッコーと言うのよ!!」
それがどうしたと言いたいのか?
私は、冷めた表情でつぶやいた。
1950年、2~3歳でアメリカ合衆国の理工系の大学の大学院に入学した…
並行して、フィンランドとイギリスの国防大学に在籍した…
他にも、アメリカ合衆国内にある複数の理工系の大学・大学院に在籍した…
小学校と中学校は、アメリカ合衆国の6・2制に設定されている小学校中学校でレポート提出だけで間に合わせた。
陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》に行く前に大学入試検定の資格を取った。
中3までの単位は、それで間に合わせた。
陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》は、神奈川県の公立高校《コーコー》の通信制普通科と提携しているので高卒の資格を取ることができた…
高卒後に防衛大学校へ進学したけど、日本国籍がないので幹部自衛官になることができなかった…
…なので、再渡米してアメリカ合衆国の国防総合大学へ進学した。
…と言うことである。
仕事に必要な国家資格を大量に取得した。
修士号・博士号を大量に取得した。
アメリカ三軍の提督までの位を取得した。
………
私がこう説明しても、ひろこねえさんは信用しないと思う。
信用するしないはひとそれぞれだから言わないけど、ひろこねえさんは私がどんなに説明しても否定するから話しならない…
だから言わない!!
ひろこねえさんは、怒った声で私に言うた。
「あんた!!」
「なんでしょうか?」
「うちが怒っているのか…分かってるの!?」
「はっ?」
「うちは、毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝…あれを見るたびにいらつくのよ!!」
「それはなんでしょうか?」
「毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝…うちの前を通ってガッコーへ行く子どもたちを見るたびに…つくづく思うのよ…」
「ですから、それはどういうことでしょうか?」
「毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝…子どもたちは希望に満ちあふれた表情でガッコーに通っているのよ!!」
「希望に満ちあふれた表情ってなんでしょうか?」
「ガッコーでお友だちと楽しい時間を過ごすことができる子たちは幸せだと言うてるのよ!!」
「言うている意味がよく分かりません…」
「あんたは戦後の生まれだからうちの気持ちなんか分からないのよ!!」
ますます分からなくなった…
私は、冷めた目つきでつぶやいた。
ひろこねえさんは、ものすごく怒った声で私に言うた。
「あんた!!」
「なんでしょうか?」
「あんたは、親もとからガッコーに通うことができない子どもはかわいそうだとは思わないの!?」
「はっ?」
「親もとからガッコーに通うことができない子どもはかわいそうだとは思わないのと聞いてるのよ!!」
「それは、どういうことでしょうか?」
私は、コンワクした表情で言うた。
「お言葉を返すようでございますが、クラブ活動に取り組むために県外《よそ》から来た子どもたちをなんでかわいそうだと言うのですか?…クラブ活動に取り組むことがそんなにいかんのですか?…言うていることがめちゃくちゃですよ…親もとから離れて寄宿舎生活をしている子どもたちをかわいそうだと言うコンキョはなんでしょうか?」
私に言葉を返されたひろこねえさんは『コンキョがあるから言うたのよ!!』と居直った声で言うたあと、私にこう言うた。
「うちは、東京の国民学校の小学校3年生のときに…クラスの子たちと一緒に集団疎開《ソカイ》したのよ…」
「ソカイ…」
「(東広島の)西条へ集団疎開《ソカイ》したのよ!!…だけど…男の子たちは畑仕事…女の子たちは、グンプクを作るお仕事をさせられた…勉強することができなかったのよ!!…お友だちと楽しい時間を過ごすことができなかったのよ!!…それなのにあんたはなによ!!」
「楽しい時間って、なんでしょうか?」
「夏休み冬休み春休み…修学旅行・遠足・体育祭・文化祭・ゼミの発表会…土曜日半休《ハンドン》・日曜祝日休み…お友だちとショッピングに行く…ができなかったのよ!!」
「ですから、私にどうしろと言いたいのですが?」
「うちはそれができなかったから怒っているのよ!!」
それがどうしたと言いたいのか?
私は、ものすごくいらついた表情でつぶやいた。
ひろこねえさんは、ますます怒った声で私に言うた。
「あんた!!」
「はい?」
「うちはほんとうに親もとからガッコーに通うことができなかったのよ!!聞いてるの!?」
「ですから、集団疎開《ソカイ》でよその土地にいたからでしょ…」
「そうよ!!…うちの母親と幼いきょうだいは広島中区《ひろしま》で暮らしている親類の家に疎開した…けれど…原爆投下《ピカドン》で亡くなった…父は、抑留先の収容所で亡くなった…姉は…開拓団の人と結婚して満州に渡ったけど…ソ連兵に連れ去られた…そう言うつらいことがあったのよ…だから、コーコーへ行くことができなかったのよ…」
なんだよ…
そう言えばよかったじゃないか…
私は、ヒョウシ抜けした表情でつぶやいた。
ひろこねえさんは、にえきらない表情で私に言うた。
「そう言うあんたはなによ!?」
私は、しんどい表情でひろこねえさんに言うた。
「ひろこねえさん…この辺で終わらせましょう…もう…いいですよ~」
私に言われたひろこねえさんは、カチンと来た表情で立ち去った。
なんだよ…
ひろこねえさんがグダグダグダグダ言うから、こっちは頭に来てるのだよ…
おんまく腹立つワ!!
私は、ものすごく怒った表情つぶやいた。
(ジャー…)
時は、夜10時半頃であった。
1日のお仕事を終えた私は、流しで道具の手入れをしていた。
お仕事で使ったはさみをきれいに洗ったあと、トイシで研ぐなどしてきれいにした。
後片付けが終わったあと、私はテーブルの前に座った。
時は、深夜11時頃であった。
テーブルの前に座っている私は、考え事をしていた。
この時、私はとんでもない選択ミスをしたと気がついた。
仕事に必要な資格を大量に取得した…
修士号・博士号を大量に取得した…
アメリカ三軍の提督までの位を取得した…
陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》と防衛大学校にいた時に支給された大金は、全額貯蓄した…
これら一式は、イワマツの財産一式とともに大番頭《おおばんと》はんたち連帯後見人たち5000万人のもとですべて預かりとなっている…
あれがないと仕事ができない…
大番頭《おおばんと》はんたちがいないと、仕事を進めることができない…
両方困る…
ここに来たこと自体がまちがいだった…
すぐにやめよう…
そう思った私は、出発する準備を始めた。
日付が変わって…
10月5日の深夜2時過ぎであった。
私は、ショルダーバッグを持って倉庫から逃げ出した。
それから60分後であった。
私は、国道188号線沿いにあるドライブインで長距離トラックをヒッチハイクしたあとすぐに西へ向かった。
(ブロロロロ…)
ところ変わって、長距離トラックの中にある仮眠ベットにて…
ベットに寝ている私は、ぼんやりとした表情で考え事をしていた。
カーラジオのスピーカーからRCCラジオで放送されていた『日野ミッドナイトグラフティー・走れ歌謡曲』が流れていた。
この時、村下孝蔵さんの歌で『春雨』がかかった。
ひろこねえさんからグダグダと言われた私は、思い切り怒っていた。
アレ、ホンマに腹立つワ…
怒りに震えている私は、陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》にいた時のことを思い出した。
たしか…
横須賀市内《しない》に居住地がある温室育ちの御曹司《アホンダラ》の連中がいたな…
カネもらうことしか頭にない御曹司《アホンダラ》の連中は…
思い出すだけでも腹が立つワ!!
時は、10月4日の昼前であった。
この時、外はザーザー降りの雨が降っていた。
ところ変わって、私が一時暮らしていた大型倉庫にて…
私は、キンショウブロックについている実(しいたけ)と切れ端をはさみで全部つみとる作業をしていた。
この時、ひろこねえさんが倉庫にやって来た。
ひろこねえさんは、たたみの上でアグラをかいて座った状態でのんきにたばこをくゆらせていた。
ひろこねえさんは、ペプシコーラの空き缶に吸いがらを入れたあと怒った声で私に言うた。
「イワマツさん!!」
「はい?」
「あんたは…ガッコーに行ったの!?」
「はい?」
「ガッコーに行ったのかと聞いてるのよ!!」
「ガッコーって、なんですか?」
「小学校~中学校~全日制普通科高校《コートーガッコー》をガッコーと言うのよ!!」
それがどうしたと言いたいのか?
私は、冷めた表情でつぶやいた。
1950年、2~3歳でアメリカ合衆国の理工系の大学の大学院に入学した…
並行して、フィンランドとイギリスの国防大学に在籍した…
他にも、アメリカ合衆国内にある複数の理工系の大学・大学院に在籍した…
小学校と中学校は、アメリカ合衆国の6・2制に設定されている小学校中学校でレポート提出だけで間に合わせた。
陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》に行く前に大学入試検定の資格を取った。
中3までの単位は、それで間に合わせた。
陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》は、神奈川県の公立高校《コーコー》の通信制普通科と提携しているので高卒の資格を取ることができた…
高卒後に防衛大学校へ進学したけど、日本国籍がないので幹部自衛官になることができなかった…
…なので、再渡米してアメリカ合衆国の国防総合大学へ進学した。
…と言うことである。
仕事に必要な国家資格を大量に取得した。
修士号・博士号を大量に取得した。
アメリカ三軍の提督までの位を取得した。
………
私がこう説明しても、ひろこねえさんは信用しないと思う。
信用するしないはひとそれぞれだから言わないけど、ひろこねえさんは私がどんなに説明しても否定するから話しならない…
だから言わない!!
ひろこねえさんは、怒った声で私に言うた。
「あんた!!」
「なんでしょうか?」
「うちが怒っているのか…分かってるの!?」
「はっ?」
「うちは、毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝…あれを見るたびにいらつくのよ!!」
「それはなんでしょうか?」
「毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝…うちの前を通ってガッコーへ行く子どもたちを見るたびに…つくづく思うのよ…」
「ですから、それはどういうことでしょうか?」
「毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝毎朝…子どもたちは希望に満ちあふれた表情でガッコーに通っているのよ!!」
「希望に満ちあふれた表情ってなんでしょうか?」
「ガッコーでお友だちと楽しい時間を過ごすことができる子たちは幸せだと言うてるのよ!!」
「言うている意味がよく分かりません…」
「あんたは戦後の生まれだからうちの気持ちなんか分からないのよ!!」
ますます分からなくなった…
私は、冷めた目つきでつぶやいた。
ひろこねえさんは、ものすごく怒った声で私に言うた。
「あんた!!」
「なんでしょうか?」
「あんたは、親もとからガッコーに通うことができない子どもはかわいそうだとは思わないの!?」
「はっ?」
「親もとからガッコーに通うことができない子どもはかわいそうだとは思わないのと聞いてるのよ!!」
「それは、どういうことでしょうか?」
私は、コンワクした表情で言うた。
「お言葉を返すようでございますが、クラブ活動に取り組むために県外《よそ》から来た子どもたちをなんでかわいそうだと言うのですか?…クラブ活動に取り組むことがそんなにいかんのですか?…言うていることがめちゃくちゃですよ…親もとから離れて寄宿舎生活をしている子どもたちをかわいそうだと言うコンキョはなんでしょうか?」
私に言葉を返されたひろこねえさんは『コンキョがあるから言うたのよ!!』と居直った声で言うたあと、私にこう言うた。
「うちは、東京の国民学校の小学校3年生のときに…クラスの子たちと一緒に集団疎開《ソカイ》したのよ…」
「ソカイ…」
「(東広島の)西条へ集団疎開《ソカイ》したのよ!!…だけど…男の子たちは畑仕事…女の子たちは、グンプクを作るお仕事をさせられた…勉強することができなかったのよ!!…お友だちと楽しい時間を過ごすことができなかったのよ!!…それなのにあんたはなによ!!」
「楽しい時間って、なんでしょうか?」
「夏休み冬休み春休み…修学旅行・遠足・体育祭・文化祭・ゼミの発表会…土曜日半休《ハンドン》・日曜祝日休み…お友だちとショッピングに行く…ができなかったのよ!!」
「ですから、私にどうしろと言いたいのですが?」
「うちはそれができなかったから怒っているのよ!!」
それがどうしたと言いたいのか?
私は、ものすごくいらついた表情でつぶやいた。
ひろこねえさんは、ますます怒った声で私に言うた。
「あんた!!」
「はい?」
「うちはほんとうに親もとからガッコーに通うことができなかったのよ!!聞いてるの!?」
「ですから、集団疎開《ソカイ》でよその土地にいたからでしょ…」
「そうよ!!…うちの母親と幼いきょうだいは広島中区《ひろしま》で暮らしている親類の家に疎開した…けれど…原爆投下《ピカドン》で亡くなった…父は、抑留先の収容所で亡くなった…姉は…開拓団の人と結婚して満州に渡ったけど…ソ連兵に連れ去られた…そう言うつらいことがあったのよ…だから、コーコーへ行くことができなかったのよ…」
なんだよ…
そう言えばよかったじゃないか…
私は、ヒョウシ抜けした表情でつぶやいた。
ひろこねえさんは、にえきらない表情で私に言うた。
「そう言うあんたはなによ!?」
私は、しんどい表情でひろこねえさんに言うた。
「ひろこねえさん…この辺で終わらせましょう…もう…いいですよ~」
私に言われたひろこねえさんは、カチンと来た表情で立ち去った。
なんだよ…
ひろこねえさんがグダグダグダグダ言うから、こっちは頭に来てるのだよ…
おんまく腹立つワ!!
私は、ものすごく怒った表情つぶやいた。
(ジャー…)
時は、夜10時半頃であった。
1日のお仕事を終えた私は、流しで道具の手入れをしていた。
お仕事で使ったはさみをきれいに洗ったあと、トイシで研ぐなどしてきれいにした。
後片付けが終わったあと、私はテーブルの前に座った。
時は、深夜11時頃であった。
テーブルの前に座っている私は、考え事をしていた。
この時、私はとんでもない選択ミスをしたと気がついた。
仕事に必要な資格を大量に取得した…
修士号・博士号を大量に取得した…
アメリカ三軍の提督までの位を取得した…
陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》と防衛大学校にいた時に支給された大金は、全額貯蓄した…
これら一式は、イワマツの財産一式とともに大番頭《おおばんと》はんたち連帯後見人たち5000万人のもとですべて預かりとなっている…
あれがないと仕事ができない…
大番頭《おおばんと》はんたちがいないと、仕事を進めることができない…
両方困る…
ここに来たこと自体がまちがいだった…
すぐにやめよう…
そう思った私は、出発する準備を始めた。
日付が変わって…
10月5日の深夜2時過ぎであった。
私は、ショルダーバッグを持って倉庫から逃げ出した。
それから60分後であった。
私は、国道188号線沿いにあるドライブインで長距離トラックをヒッチハイクしたあとすぐに西へ向かった。
(ブロロロロ…)
ところ変わって、長距離トラックの中にある仮眠ベットにて…
ベットに寝ている私は、ぼんやりとした表情で考え事をしていた。
カーラジオのスピーカーからRCCラジオで放送されていた『日野ミッドナイトグラフティー・走れ歌謡曲』が流れていた。
この時、村下孝蔵さんの歌で『春雨』がかかった。
ひろこねえさんからグダグダと言われた私は、思い切り怒っていた。
アレ、ホンマに腹立つワ…
怒りに震えている私は、陸自少年工科学校《リクジのダンシコー》にいた時のことを思い出した。
たしか…
横須賀市内《しない》に居住地がある温室育ちの御曹司《アホンダラ》の連中がいたな…
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