上 下
188 / 240
第19話・私のハートはストップモーション

【だらしがないね】

しおりを挟む
時は、日本時間の夕方5時過ぎであった。

ところ変わって、愛媛県庁《けんちょう》のオフィスにて…

(キンコンカンコーン~)

オフィスに終業を知らせるチャイムが鳴った。

同時に、職員たちが帰宅の準備を始めた。

この時、智之《ともゆき》は帰宅の準備をせずにそのままデスクに座っていた。

上の人がデスクにまだ座っている智之《ともゆき》に対してあつかましい声で言うた。

「則本《のりもと》くん~」
「はい?」
「みんなが帰宅準備をしているのに、なんでしないのかな?」
「はい?」
「5時半に来る特急バスに乗るのだろ…家族みんなが則本《のりもと》くんの帰りを待っているのだよ…おじいさんは家族そろって晩ごはんを食べたいと言うてるよ…早く帰ってあげなさい…」

上の人にあつかましく言われた智之《ともゆき》は『かえりゃいいんだろ!!』と怒りながら帰宅準備を始めた。

時は、夕方6時50分頃であった。

ところ変わって、福也《さちや》さんの実家の大広間にて…

大広間のテーブルに福也《さちや》さんと章弘《あきひろ》と麻里子《まりこ》とことはの4人がいた。

温大《はると》は、まだ帰宅していなかった。

テーブルの上には、ことはが作った晩ごはんが並んでいた。

この時、智之《ともゆき》から電話がかかってきた。

電話の応対は、麻里子《まりこ》がしていた。

麻里子《まりこ》は、受話器ごしにいる智之《ともゆき》にあつかましい声で言うた。

「智之《ともゆき》!!きょうは早く帰って来なさいと言うたでしょ!!…どうして帰りのバスに乗り遅れたのよ!!…きょうは、ことはさんが智之《ともゆき》のためにお肉をタクサン焼いたのよ!!…おじいちゃんは、家族そろって晩ごはんを食べる時間を楽しみにしているのよ!!…なんでおじいちゃんの楽しみをぶち壊すのよ!?」

この時、近くにいた福也《さちや》さんがいらついた表情で『おネエ!!』と言うた。

麻里子《まりこ》は『ちょっと待って…』と言うたあと困った声で福也《さちや》さんに言うた。

「福也《さちや》、今おねーさんは智之《ともゆき》と電話しているのよ!!」
「智之《クソガキ》は放っておけよ!!」
「そうはいかないわよ…おとーさんはみんなとごはんが食べたいと言うてるのよ!!」
「智之《クソガキ》が帰って来るまで待てと言うのか!?」
「だから、帰って来るように言うから待ってよ!!」

麻里子《まりこ》は、ものすごく怒った声で受話器ごしにいる智之《ともゆき》に言うた。

「もしもし智之《ともゆき》!!福也《おじさん》がものすごく怒り狂っているわよ…智之《ともゆき》!!親の言うことを聞きなさい!!」

(ガーン!!)

思い切りブチ切れた福也《さちや》さんは、右足で電話機をけとばしたあとこう言うた。

「ふざけるな!!こんな気持ちでめしが食えるか!!」
「福也《さちや》!!」
「うちにいたらむしゃくしゃするんだよ!!」

ものすごく怒り狂った福也《さちや》さんは、食卓をけとばしたあと麻里子《まりこ》に言うた。

「外へのみに行く!!」
「福也《さちや》!!待ちなさい!!」

(バーン!!)

思い切りブチ切れた福也《さちや》さんは、玄関の戸を激しくしめたあと家から出て行った。

章弘《あきひろ》は、ものすごくいじけた表情で『ごはんいらん!!』と言うたあと部屋に閉じこもった。

麻里子《まりこ》とことはは、ものすごく困った表情であたりを見渡した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ” (全20話)の続編。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211 男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は? そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。 格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...