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第14話・飾りじゃないのよ涙は

【鈍色の日】

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時は、日本時間2月14日の朝7時過ぎであった。

またところ変わって、和歌山市新留町《しないしんりゅうちょう》にある借家にて…

台所にエプロン姿の哲人《てつと》がいた。

哲人《てつと》は、自分の力で生きなきゃだめだと感じたので料理をしていた。

哲人《てつと》は、だし巻きたまごを作っていたが思うように行かずに苦しんだ。

そこへ、沙都水《さとみ》があわてた表情で台所に入った。

沙都水《さとみ》は、おどろいた声で哲人《てつと》に言うた。

「ちょっと哲人《てつと》さん!!なにしているのよ!!」
「えっ?…自分のお弁当を作っているのだよ~」
「お弁当は、市役所の人が注文しましたと言うていたわよ!!」
「そなな話は聞いてねえよ!!」
「哲人《てつと》さん!!」
「オレは自分の力で生きなきゃだめだと思ったから料理をしているのだよ!!」
「料理はアタシがしますから、のいてください!!」
「なんでのかなきゃいかんのや!!」
「家のことはアタシがしますからいいですよ!!」
「そんなことしたらオレがだめになるのだよ!!」
「大丈夫です!!アタシがします!!」

この時であった。

シルクのネグリジェ姿のゆきさんがリビングにやって来た。

ゆきさんは、めんどくさい声で言うた。

「なんやねんもう~…朝からガーガーおらばないでよ~」

沙都水《さとみ》は、ものすごく困った声でゆきさんに言うた。

「義母《おかあ》さん!!哲人《てつと》さんに言うてよ!!」
「せやからうちになにを言えと言うのよ?」
「家のことはアタシがするのに哲人《てつと》さんが勝手にしていたのよ!!」
「分かったわよ!!うち、頭が痛いねん!!」

沙都水《さとみ》に対して怒った声で言うたゆきさんは、両手で頭を抱えながら座り込んだ。

哲人《てつと》は、ゆきさんに対して声をかけた。

「かあさん…かあさん…」
「哲人《てつと》。」
「かあさん大丈夫?」
「大丈夫よ…ただの片頭痛《ずつう》よ…バファリン(鎮痛剤)のんだらよくなるわよ~」
「かあさん~」
「哲人《てつと》、戸だなにあるバファリンを取ってよ~」
「(哲人《てつと》、めんどくさい声で言う)分かったよ~」

哲人《てつと》は、戸だなからバファリン(鎮痛剤)の箱を取り出したあとゆきさんに渡した。

「かあさん…かあさん!!」
「なによぉ~」
「バファリンだよ!!」
「おおきに…」

ゆきさんは、哲人《てつと》からバファリンの箱を受け取ったあと台所へ行った。

ゆきさんは、台所の戸だなからミスドのマグカップを取り出したあと水道の蛇口をひねった。

(ジャー…キュッ…)

ゆきさんは、マグカップに水を入れたあとバファリンをのもうとした。

しかし、沙都水《さとみ》がゆきさんからバファリンを取り上げた。

「なにすんねん!!返してよ!!」
「義母《おかあ》さん!!」
「うちは頭がおんまく痛いねん!!」
「気持ちは分かるけど、落ち着いてよ!!」
「薬を返してよ!!」
「あきまへん!!」
「返してよ!!」

ゆきさんは、沙都水《さとみ》からバファリンの箱を奪い返したあと薬を2錠のんだ。

片頭痛《ずつう》はどうにかおさまったが、ゆきさんはものすごくつらい表情を浮かべていた。

この時であった。

黄色い帽子を頭にかぶっていて、頭に赤いランドセルを背負っている沙由水《さゆみ》がダイニングにやって来た。

沙都水《さとみ》は、おどろいた声で言うた。

「沙由水《さゆみ》、沙由水《さゆみ》!!」
「なんやねんもう…」
「沙緒莉《さおり》はどうしたのよ!?」
「まだ寝てる!!」
「困った子ね!!」

思い切りブチ切れた沙都水《さとみ》は、子ども部屋へ向かった。

それから数分後であった。

沙都水《さとみ》は、ねぼけた表情を浮かべている沙緒莉《さおり》をダイニングへ連れてきた。

沙緒莉《さおり》は、泣きそうな表情で『眠い~』と言うた。

沙都水《さとみ》は、怒った声で言うた。

「沙緒莉《さおり》!!早くしないとお迎えのバスが来るわよ!!」
「イヤだイヤだ!!」
「わがまま言われん!!」
「眠い!!」
「夜中にアニメのDVDをずっと見ていたから眠いのよ!!きのうおかーちゃんと約束したことを思い出しなさい!!」
「忘れた~」
「9時になったら寝ますと言うたのよ!!」

ゆきさんは、ものすごく困った声で沙都水《さとみ》に言うた。

「沙都水《さとみ》~」
「なんやねん!!」
「そないにガーガーおらばないでよ~」
「おらびたくなるわよ!!」

ゆきさんは、ものすごく困った声で沙都水《さとみ》に言うた。

「沙都水《さとみ》~」
「義母《おかあ》さん!!」
「もうやめてよ~」
「義母《おかあ》さん!!もうすぐ幼稚園バスが来るのよ!!」
「分かってるわよ…だけどね~」
「甘やかさないでよ!!」

ものすごくヤッキになった沙都水《さとみ》は、沙緒莉《さおり》に対して『(幼稚園服に)着替えなさい!!』と言うた。

沙緒莉《さおり》は、イヤイヤと言うたあと『ビエーン~』と泣き出した。

沙都水《さとみ》は、ものすごく怒った声で『甘えるな!!』と言うた。

そしたら、近くにいた哲人《てつと》が思い切りブチ切れた。

「うぜーんだよ!!朝からガーガーガーガーおらびやがって!!」
「哲人《てつと》さん!!」
「だまれ!!」

(パチーン!!)

思い切りブチ切れた哲人《てつと》は、沙都水《さとみ》の顔を平手打ちで激しく叩いた。

沙都水《さとみ》は、よりし烈な声で泣き叫んだ。

それから数分後であった。

沙緒莉《さおり》がぐったりとなったあと倒れた。

「たいへんだ…沙緒莉《さおり》、沙緒莉《さおり》!!」

哲人《てつと》は、沙緒莉《さおり》を抱きかかえて起こした。

この時、沙緒莉《さおり》が高熱を出した。

哲人《てつと》は、大急ぎで沙緒莉《さおり》を病院へ連れて行った。

哲人《てつと》は、市役所へ出勤することを取りやめた。

高熱を出した沙緒莉《さおり》は、幼稚園を休んだ。

沙都水《さとみ》も、パートに行くことを取りやめた。

ゆきさんは、リビングから出たあと洗面所へ行った。

洗面所にて…

(グハッ…ドバドバドバドバ…)

ゆきさんは、流しに大量のトシャ物を吐いた。

ううう…

気分が悪いわ…

どないしたらええねん…

せやけど…

病院へ行くのがめんどい…

ゆき…

しんどい…

つらい…

「うううううう…」

(グハッ…ドバドバドバドバ…)

ゆきさんは、さらに大容量のトシャ物を流しに吐き出した。

ゆきさんの身体は、少しずつだが限界が来たと思う。

そう思うのであれば、大型病院へ精密検査に行けばいいのに(ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…)
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