乳房星（たらちねぼし）−１・０

第４話・夢を信じて

【冬のリヴィエラ】

（ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!)

時は流れて…

アイスランド時間３月25日の午前11時頃であった。

Ａ・Ｂの２班のメンバーたちは、アイスランドで休日を過ごしていた。

場所は、アイスランド南部のゴールデンサークル内にあるグトルフォスにて…

グトルフォスは、アイスランド語で黄金の滝と言う。

ラングヨークトル氷河からヴィータウ川へ流れゆく大容量の水が轟音《ごうおん》を立てて一気に流れた落ちて行く様子を私たちはじっくりと見ていた。

（ブシュー!!ドバーッ!!)

午後は、ゲイシール(欠泉《けっせん》)へ行った。

私たちのいる場所から800メートル手前の欠泉《けっせん》から温水が勢いよく噴き出た。

天高く噴き出る温水を見た私たちは、大地のすざましさを肌で体感した。

この日の夜は、シリカホテルに宿泊する予定である。

シリカホテルは、ブルーラグーン(特大規模の温泉施設)と併設されているホテルである。

ところ変わって、シリカホテルにて…

時は、夜９時過ぎであった。

この時間、ブルーラグーンは営業が終了していた。

Ａ・Ｂの２班のメンバーたちは、ホテル内にあるプライベートラグーンで温泉療養《りょうよう》していた。

えんじ色のサーフパンツ姿の私は、湯舟の中で足を伸ばして肩まで湯につかっていた。

私は、雲ひとつない夜空を見つめながら考えごとをしていた。

ゆっくりとフロにつかることができたのは…

何年ぶりかな…

その間に、いろんなことがあったなぁ…

そんな時であった。

雲ひとつない澄み切った夜空にきらめいていたエメラルドグリーンのオーロラを見つけた。

あっ…

オーロラみっけた…

とてもキレイだなぁ…

私は、雲ひとつない夜空にきらめくオーロラを食い入るように見つめながらそっとつぶやいた。