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第3話・時代

【ひこうき雲】

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時はうんと流れて…

アイスランド時間1995年1月1日の朝10時頃であった。

私は、マァマとドナ姐《ねえ》はんと一緒に専用機に乗っていた。

私は、1994年のクリスマスの夜に広島市中心部でドナ姐《ねえ》はんと再会した。

その翌日、関釜フェリーに乗って韓国へ渡った。

プサンの国際ターミナルでマァマと合流したあと、専用機に乗って旅に出た。

その翌日からイワマツを作るプロジェクトを始める準備に取りかかった。

12月30日に開始できるめどがたった。

そしてこの日(1995年1月1日)にイワマツを作るプロジェクトが開始された。

アイスランド時間の正午頃であった。

3人が乗っている専用機がレイキャヴィークケフラヴィーク国際空港に到着した。

専用機から降りた3人は、マイクロバスに乗って大番頭《おおばんと》はんたちが待っているハットルグリムス教会へ向かった。

それから80分後であった。

3人が乗っているマイクロバスがハットルグリムス教会の敷地に到着した。

ハットルグリムス教会の名前の由来は、アイスランドを代表する詩人で聖職者のハットルグリムルピアトルソンから命名された。

1945年に建設開始…

それから41年の時を経て1986年に完成した。

教会は、ルター派の教会…

シンメトリーな美しい建物の作りは、ロケットや鳥の形によく似ていた。

敷地内には、アメリカ大陸を発見した冒険家・レイブルエイリクソンの像が立っていた。

3人は、マイクロバスから降りたあと歩いて教会の建物へ向かった。

この時、私は途中で足を止めて青空を見上げた。

青く澄み切った空に、白いひこうき雲が浮かんでいた。

私は、澄み切った青空に浮かぶひこうき雲をじっと見つめながらつぶやいた。

わぁー…

きれいだな…

澄み切った青空を見つめている私に、マァマが声をかけた。

「よーくん。」
「マァマ。」
「なあに?」
「きれいだね。」
「えっ?」
「澄み切った青空《そら》に、白いひこうき雲が浮かんでいるよ。」
「うん、きれいね。」

マァマは、私に声をかけた。

「よーくん…早く行きましょう…大番頭《おおばんと》はんたちが教会《チャペル》で待ってるわよ。」
「あっ、うん。」

私は、マァマと一緒に教会《チャペル》ヘ向かった。

ところ変わって、チャペルにて…

チャペルは、華美な装飾でアレンジされたプロテスタント風のチャペルである。

私とマァマとドナ姐《ねえ》はんは、大番頭《おおばんと》はんと事務長《じむちょう》はんと宮出さんとケントさん夫妻と合流した。

大番頭《おおばんと》はんは、私たち3人にやさしく呼びかけた。

「ああ、ご無事に到着しましたね…それでは早速始めまひょか。」

このあと、イワマツグループとイワマツ家の財産書の本名義に登録する手続きに入った。

手続きが終了したあと、メンバーたちは神父さんと一緒に教会の地下室へ向かった。

またところ変わって、教会の地下室にて…

神父さんは、金庫を解錠《かいじょう》したあと金庫の中に入っているファンシーボックスを取り出した。

イワマツの財産書《もくろく》は、ファンシーボックスの中に保管されていた。

神父さんは、ファンシーボックスのふたをていねいにあけた。

そして、財産書《もくろく》が入っている封書をていねいに取り出した。

神父さんは、取り出した封書をゆっくりと私に手渡した。

財産書《もくろく》を手にした私は、イワマツのオーナーとしての責任感と使命感を痛感した。

きょうから私は…

イワマツの当主になった…

チャペルに再び戻ったメンバーたちは、神さまに感謝するミサを挙行した。

メンバーたちは、祭壇の前で聖書を開いてアイスランド語で聖書の一節をエイショウした。

聖書をエイショウしたあと、パイプオルガンの演奏に合わせて賛美歌を合唱した。

その翌日からイワマツを作るプロジェクトを始める準備が始まった。

時は、1月4日の午前11時頃であった。

ところ変わって、カナダ・プリンスエドワード島のクインズ地区北部にあるフレンチリバーにて…

現地に到着したメンバーたちは、市役所の職員さんと現地の建設会社のスタッフさんたちと一緒に広大な土地で住まいの建設工場に関する打ち合わせをした。

午後2時頃に、メンバーたちはキャベンディッシュの市役所ヘ行った。

市役所に到着したあと、私はイワマツの家の戸籍抄本《こせきしょうほん》を移す手続きと新しく購入したハンコセット(実印・認め印・銀行印)の印鑑登録《いんかんとうろく》の手続きを取った。

これで、私の本籍地はカナダのプリンスエドワード島に移った。

このあとも、プロジェクトを始めるための準備などに取り組む。
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