乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

文字の大きさ
上 下
77 / 77
本編

75

しおりを挟む
「アンリ!?」

必死な顔で私を呼ぶグレンが目に飛び込んできた。

「グレン?」

「アンリ!」

グレンが覆いかぶさるように抱きついてくる。私いつの間にベッドに?

「私寝ちゃったの?」

「いきなり気を失ったんだ。いや、オレがその、強く抱き締めすぎた……かもしれない……」

ぐえええ苦しい!でも何か幸せ……みたいな気分を思い出した。そっかあのまま気失ったんだ。でもお陰で杏梨に会えたしグレンには感謝かな!

「何か良い夢でも見たのか?」

私自然とニヤついてしまってたみたいだ。

「うん、ずっとずっと会いたかった人に会えたんだ」

「それは……男か?」

グレンはあからさまにムスッとしてる。まさか夢に嫉妬?やだもう、グレンのくせに可愛過ぎでしょう!私思わずグレンの頭ワシワシ撫でちゃう。

「バカ、桜木杏梨に会えたんだよ」

「サクラギアンリ……」

「凄い幸せそうだったな。良かった……ホントに」

目尻を拭われて、初めて泣いてることに気付いた。グレンは優しく笑うと上からのしかかるように私を抱き締めた。お、重い!

「重いよグレン」

「今のうち慣れとけ」

えーと……うん、深く考えるのはやめよう!それにしてもグレン相変わらず良い匂いするなあ。

「グレンって良い匂いするよね」

「そうか?お前の方が良い匂いするけどな」

まて!何でそこで目がギラつくんですか!

「お前とは色々相性ピッタリな気がするんだよな」

「そんな目で見るのやめて下さい」

「そんな目って?」

「狩人みたいな目」

グレンは面白そうに唇を吊り上げた。

「言い得て妙だな。俺は今お前を狩りたいと思ってる」

「ま、まて!まだ結婚前ですから!」

グレンは面白そうに笑ってる。オカシイ!人生経験は私の方が豊富なはずなのに!何で私がこんな翻弄されてるんだ!?

「なあアンリ、一先ずゴタゴタが片付いた褒美をくれよ」

「褒美?何か欲しいものあるの?」

透き通った青い瞳にじいっと見詰められてドキッとする。

「お前からの口付けを」

そう言いながらグレンは私の唇を指先でつつっとなぞった。ちょっとそこで妙な色気出さんでください!分かったよやったろうじゃないの!たまには年上の余裕ってやつも見せてやらねばね!

「グレン、よく頑張ったね」

にっこり笑うとグレンは目を見開いた。女子顔負けのスベスベの頬っぺたを優しく撫でながらゆっくりグレンの唇を食べるようにキスする。

ああ、相変わらずのフィット感!グレンとのキスって凄い気持ち良いんだよね。杏梨時代でもこんな経験はないよ。

暫く堪能してから唇を離すと、グレンは真っ赤な顔で呆然としてた。私と目が合うとキッと睨んでくる。何でよ?

「グレン?」

何か気に入らなかったのかな?私が首傾げてると、噛み付くようにキスされた。な、何でー!?そのあとメチャクチャキスされて唇ヒリヒリでしたよ!なんなんだよもう!
しおりを挟む
感想 31

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(31件)

ちーちゃん
2020.11.22 ちーちゃん

グレンもアンジェリカもめっちゃ可愛いし、面白いです。思わず吹き出してしまいました。続きが気になります。更新宜しくお願いします🥺

解除
ななみ
2020.04.13 ななみ

一気読みしてしまいました!!
もう甘すぎる笑笑
砂吐いちゃう🤭

更新楽しみにしてます!!
執筆頑張ってください!

解除
ちびたん
2020.03.26 ちびたん
ネタバレ含む
解除

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非! *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。 これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。 それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

貴方もヒロインのところに行くのね? [完]

風龍佳乃
恋愛
元気で活発だったマデリーンは アカデミーに入学すると生活が一変し てしまった 友人となったサブリナはマデリーンと 仲良くなった男性を次々と奪っていき そしてマデリーンに愛を告白した バーレンまでもがサブリナと一緒に居た マデリーンは過去に決別して 隣国へと旅立ち新しい生活を送る。 そして帰国したマデリーンは 目を引く美しい蝶になっていた

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。