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本編
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今日はアンジェリカになってから初の定期試験。年に2回行われるんだけど、元アンジェリカは筆記、魔法実技併せて常に首席だったんだよね。あの努力の跡は本当に頭が下がる。
そういえば1位になったらグレン何でもくれるって言ってたけど欲しいものなんて特に浮かばないなぁ。いや1位取れるかなんて分かんないけどさ!
セレスちゃんの綺麗なノートまとめ術とカメラアイのお陰で、ぶっちゃけ筆記で首席取るのは簡単だと思う。
問題はね、魔法実技の方……杖で慣れない加減とかするから、近頃の私の魔法は不安定でポンコツのレッテルを貼られている……元アンジェリカごめん、あなたの才色兼備伝説守れそうにありません!
「アンジェリカさん、もっとやる気出して頂かないと採点できませんわ!」
薪に火をつけるっていう本来なら簡単な実技試験。採点の先生がザマス眼鏡みたいなのかけてイライラ青筋たててこっち睨んでる。
くー!これでも本気で頑張ってるんだぞー!私すんごい真剣な顔して神経すり減らしておりゃ!って杖振るった。薪の端っこの方でパチって火花が散って消えた……ダメだ……杖使った魔法の使い方もっと練習しないと……
「もう結構です。次の方!」
ああああ……これ0点ですよね?実技補習待ったなしだあああ……絶対グレンに鼻で笑われるやつやん、悔しいいい!ガックリ項垂れてたらクスって笑い声が聞こえた。凄く嫌な感じがして辺り見回すけど、それらしい人が見当たらない。
「あの……落とされましたよ」
慌てて振り返ったらサリーちゃんが真っ青な顔して私に杖差し出してた。私ってばショックのあまり杖落としたのにも気付かなかったのか。
「ありがとう」
出来るだけ優しく笑ってみたんだけど、サリーちゃんプルプルしながら逃げるように走って行っちゃった。私君に何かしたのかい?元アンジェリカさんの悪評のせいかもしれないけど、それにしてもビビリ過ぎだろおおお!?
お昼休みしょんぼりしながら中庭のベンチでもそもそサンドウィッチ食べてたら、レベッカちゃんとアーサーが並んで歩いてきた。
何だかんだお似合いの美男美女だなぁ。優雅で洗練された雰囲気でさ、ここはランウェイですか!?って感じで見惚れちゃうんだ。
アーサーをあんま美男扱いしたくないけど、黙ってれば普通にイケメンなんだよね、ホント黙ってさえいれば。
「よっ!アンジェリカちゃん、暗い顔してんなぁ」
爽やかなアーサーの笑顔も今の私にはこの上なく鬱陶しいです。
「アンジェリカ様、ランチご一緒してもよろしいですか?」
「え!?大歓迎だよ!レベッカちゃん大好き!」
「えーアンジェリカちゃん、俺は無視かよぉ」
「しゃーないな、アーサーもどうぞ」
温度差激しい?でもアーサーどうでも良いし、素直でごめんな!ま、あんま気にしてなさそうなアーサーは流石の陽キャだよね!
そういえば1位になったらグレン何でもくれるって言ってたけど欲しいものなんて特に浮かばないなぁ。いや1位取れるかなんて分かんないけどさ!
セレスちゃんの綺麗なノートまとめ術とカメラアイのお陰で、ぶっちゃけ筆記で首席取るのは簡単だと思う。
問題はね、魔法実技の方……杖で慣れない加減とかするから、近頃の私の魔法は不安定でポンコツのレッテルを貼られている……元アンジェリカごめん、あなたの才色兼備伝説守れそうにありません!
「アンジェリカさん、もっとやる気出して頂かないと採点できませんわ!」
薪に火をつけるっていう本来なら簡単な実技試験。採点の先生がザマス眼鏡みたいなのかけてイライラ青筋たててこっち睨んでる。
くー!これでも本気で頑張ってるんだぞー!私すんごい真剣な顔して神経すり減らしておりゃ!って杖振るった。薪の端っこの方でパチって火花が散って消えた……ダメだ……杖使った魔法の使い方もっと練習しないと……
「もう結構です。次の方!」
ああああ……これ0点ですよね?実技補習待ったなしだあああ……絶対グレンに鼻で笑われるやつやん、悔しいいい!ガックリ項垂れてたらクスって笑い声が聞こえた。凄く嫌な感じがして辺り見回すけど、それらしい人が見当たらない。
「あの……落とされましたよ」
慌てて振り返ったらサリーちゃんが真っ青な顔して私に杖差し出してた。私ってばショックのあまり杖落としたのにも気付かなかったのか。
「ありがとう」
出来るだけ優しく笑ってみたんだけど、サリーちゃんプルプルしながら逃げるように走って行っちゃった。私君に何かしたのかい?元アンジェリカさんの悪評のせいかもしれないけど、それにしてもビビリ過ぎだろおおお!?
お昼休みしょんぼりしながら中庭のベンチでもそもそサンドウィッチ食べてたら、レベッカちゃんとアーサーが並んで歩いてきた。
何だかんだお似合いの美男美女だなぁ。優雅で洗練された雰囲気でさ、ここはランウェイですか!?って感じで見惚れちゃうんだ。
アーサーをあんま美男扱いしたくないけど、黙ってれば普通にイケメンなんだよね、ホント黙ってさえいれば。
「よっ!アンジェリカちゃん、暗い顔してんなぁ」
爽やかなアーサーの笑顔も今の私にはこの上なく鬱陶しいです。
「アンジェリカ様、ランチご一緒してもよろしいですか?」
「え!?大歓迎だよ!レベッカちゃん大好き!」
「えーアンジェリカちゃん、俺は無視かよぉ」
「しゃーないな、アーサーもどうぞ」
温度差激しい?でもアーサーどうでも良いし、素直でごめんな!ま、あんま気にしてなさそうなアーサーは流石の陽キャだよね!
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