39 / 77
本編
37
しおりを挟む
王太子との2度目の接触から1週間、隣女子の目線はたまに怖いし、好奇の目にはまだまだ晒されてたけど、私は平穏無事に過ごしてた。
今日は久々セレスちゃんからランチのお誘いで、うっきうきで約束の中庭に向かったんだ。早速木陰のベンチに座るセレスちゃん発見!
「セレスちゃんお待たせ~!」
手振りながら駆け寄ったんだけど、セレスちゃん何かに気を取られてるみたいで私に気付かず……何見てるんだろ?
セレスちゃんの目線を辿ってみる。人目に付かない建物の影で一人の女生徒が数人の女生徒に取り囲まれてた。
「イジメ?」
「あ!アンジェリカ様!気付かずごめんなさい!」
「今きたとこだから大丈夫!それより彼女知り合い?」
セレスちゃん困ったみたいに眉ハの字にした。
「いえ、直接は……ただ社交界で有名な方ですので」
へえ有名人で難癖でもつけられてるのかな?私じっくり取り囲まれてる女子を眺めた。あ、あれ!?あれって誰だっけな、メリーじゃなくてえーと……サリーちゃんだ!
「確か有力貴族(♂)達と仲良しなんだっけ?」
「はい。婚約者の方が居ようがお構いなしに、その……なので大変女性の恨みを買っているようです」
不思議なんだよね、あの素朴そうな所が男性に受けてるのかなぁ?取り囲んでる女性陣達の方が着飾ってて華やかに見えるし。
だから余計に「なんでこんな女に!?」ってマウンティング魂を煽っちゃうのかな。まあそれが全て計算だとしたら……いやいやまさかね。
え?助けに行かないのかって?アンジェリカの過去がそんなこと許しません!もう立ち位置的にアンジェリカって悪役よ!いじめっ子達責めるようなことしたら全部ブーメランだから!は?お前が今更何言ってんの?プークスクスってなるから!(号泣)
「アンジェリカ様、私って嫌な女なんです」
「え!?セレスちゃんが!?」
私からみたらマジ天使なのにな。
「私がメレディスを好きだと気付いたきっかけの女性がヒートン男爵令嬢だったんです」
確か嫉妬で恋心に気付いたんだったよね。ってことはメレディスさんもサリーちゃんにちょっかいかけられてたのか。アーサーもそうみたいだし、ちょっと男側の話聞いてみたいな。
「彼女があんな風に責め立てられていたとしても……私……」
「セレスちゃん……過去の私もああやって令嬢イビリしてたんでしょ?」
イビってたのは元アンジェリカさんですけどね!
「あ、ええとその……そうらしい、ですね」
うんうん、本人目の前に言いづらいよねー。
「そんな私に誰も責める権利はない!だからセレスちゃん、思う存分愚痴っていいからね!」
ドヤ顔で胸ぽんって叩いたら、セレスちゃんおっきな目まん丸くして笑い出した。
「ふふ、あはは!アンジェリカ様ったら!ありがとうございます」
うんうん、いい笑顔。大好きな友達には笑ってて欲しいよね。
「少し心が軽くなった気がします。アンジェリカ様、私今は正直になりますね。ヒートン男爵令嬢を助けには行きたくありません」
「うんうん、私もいかないしサリーちゃんもあの位覚悟の上でしょ。それだけヘイト集めまくってるんだからさ」
サリーちゃんに関しては前に一回会ったきりだけど何だろな、噂とか抜きにしてもお近付きになりたい、とか肩入れしたいとかそういう気持ちが全然湧かない。むしろあんまり近寄りたくないんだ。女の子は基本好きなんだけどね、不思議。
まぁ直接的な暴力でもあったら止めに行ったかもだけど、特にそういうのもなさそうだったから放っておいた。
そしてセレスちゃんとおしゃべり楽しんでるうちに、サリーちゃん達もいつの間にか居なくなってた。
サリーちゃんの実家は商いやってるし、積極的に有力貴族と繋がるのは何かと都合良いのは分かる。ただこんなに同性のヘイト集めるやり方は不味いよねぇ。いつか大事にならなきゃいいけどな……
今日は久々セレスちゃんからランチのお誘いで、うっきうきで約束の中庭に向かったんだ。早速木陰のベンチに座るセレスちゃん発見!
「セレスちゃんお待たせ~!」
手振りながら駆け寄ったんだけど、セレスちゃん何かに気を取られてるみたいで私に気付かず……何見てるんだろ?
セレスちゃんの目線を辿ってみる。人目に付かない建物の影で一人の女生徒が数人の女生徒に取り囲まれてた。
「イジメ?」
「あ!アンジェリカ様!気付かずごめんなさい!」
「今きたとこだから大丈夫!それより彼女知り合い?」
セレスちゃん困ったみたいに眉ハの字にした。
「いえ、直接は……ただ社交界で有名な方ですので」
へえ有名人で難癖でもつけられてるのかな?私じっくり取り囲まれてる女子を眺めた。あ、あれ!?あれって誰だっけな、メリーじゃなくてえーと……サリーちゃんだ!
「確か有力貴族(♂)達と仲良しなんだっけ?」
「はい。婚約者の方が居ようがお構いなしに、その……なので大変女性の恨みを買っているようです」
不思議なんだよね、あの素朴そうな所が男性に受けてるのかなぁ?取り囲んでる女性陣達の方が着飾ってて華やかに見えるし。
だから余計に「なんでこんな女に!?」ってマウンティング魂を煽っちゃうのかな。まあそれが全て計算だとしたら……いやいやまさかね。
え?助けに行かないのかって?アンジェリカの過去がそんなこと許しません!もう立ち位置的にアンジェリカって悪役よ!いじめっ子達責めるようなことしたら全部ブーメランだから!は?お前が今更何言ってんの?プークスクスってなるから!(号泣)
「アンジェリカ様、私って嫌な女なんです」
「え!?セレスちゃんが!?」
私からみたらマジ天使なのにな。
「私がメレディスを好きだと気付いたきっかけの女性がヒートン男爵令嬢だったんです」
確か嫉妬で恋心に気付いたんだったよね。ってことはメレディスさんもサリーちゃんにちょっかいかけられてたのか。アーサーもそうみたいだし、ちょっと男側の話聞いてみたいな。
「彼女があんな風に責め立てられていたとしても……私……」
「セレスちゃん……過去の私もああやって令嬢イビリしてたんでしょ?」
イビってたのは元アンジェリカさんですけどね!
「あ、ええとその……そうらしい、ですね」
うんうん、本人目の前に言いづらいよねー。
「そんな私に誰も責める権利はない!だからセレスちゃん、思う存分愚痴っていいからね!」
ドヤ顔で胸ぽんって叩いたら、セレスちゃんおっきな目まん丸くして笑い出した。
「ふふ、あはは!アンジェリカ様ったら!ありがとうございます」
うんうん、いい笑顔。大好きな友達には笑ってて欲しいよね。
「少し心が軽くなった気がします。アンジェリカ様、私今は正直になりますね。ヒートン男爵令嬢を助けには行きたくありません」
「うんうん、私もいかないしサリーちゃんもあの位覚悟の上でしょ。それだけヘイト集めまくってるんだからさ」
サリーちゃんに関しては前に一回会ったきりだけど何だろな、噂とか抜きにしてもお近付きになりたい、とか肩入れしたいとかそういう気持ちが全然湧かない。むしろあんまり近寄りたくないんだ。女の子は基本好きなんだけどね、不思議。
まぁ直接的な暴力でもあったら止めに行ったかもだけど、特にそういうのもなさそうだったから放っておいた。
そしてセレスちゃんとおしゃべり楽しんでるうちに、サリーちゃん達もいつの間にか居なくなってた。
サリーちゃんの実家は商いやってるし、積極的に有力貴族と繋がるのは何かと都合良いのは分かる。ただこんなに同性のヘイト集めるやり方は不味いよねぇ。いつか大事にならなきゃいいけどな……
0
お気に入りに追加
2,148
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。
BBやっこ
恋愛
タブロッセ伯爵家でユイスティーナは、奥様とお嬢様の言いなり。その通り。姉でありながら母は使用人の仕事をしていたために、「言うことを聞くように」と幼い私に約束させました。
しかしそれは、伯爵家が傾く前のこと。格式も高く矜持もあった家が、機能しなくなっていく様をみていた古参組の使用人は嘆いています。そんな使用人達に教育された私は、別の屋敷で過ごし働いていましたが15歳になりました。そろそろ伯爵家を出ますね。
その矢先に、残念な妹が伯爵様の指示で訪れました。どうしたのでしょうねえ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
全部、支払っていただきますわ
あくの
恋愛
第三王子エルネストに婚約破棄を宣言された伯爵令嬢リタ。王家から衆人環視の中での婚約破棄宣言や一方的な断罪に対して相応の慰謝料が払われた。
一息ついたリタは第三王子と共に自分を断罪した男爵令嬢ロミーにも慰謝料を請求する…
※設定ゆるふわです。雰囲気です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
完結)余りもの同士、仲よくしましょう
オリハルコン陸
恋愛
婚約者に振られた。
「運命の人」に出会ってしまったのだと。
正式な書状により婚約は解消された…。
婚約者に振られた女が、同じく婚約者に振られた男と婚約して幸せになるお話。
◇ ◇ ◇
(ほとんど本編に出てこない)登場人物名
ミシュリア(ミシュ): 主人公
ジェイソン・オーキッド(ジェイ): 主人公の新しい婚約者
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる