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本編
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顔が赤い、足元がふらついてる……難癖の様に家族に心配されて結局学園に行けたのは3日後……いやもう何もさせてもらえないし暇で暇でね、まさか学園がこんな恋しくなる何て思わなかったよ。
というわけで4日ぶりの学園だ!って喜んでたんだけど──
「ん?」
教室入るとさ、皆の視線が私に集中。え?何事?男子は良いとして、大体女子にはビクビク避けられるのが普通なんだけど今日はどうしたんだろ?
「オハヨウゴザイマス?」
一先ず愛想笑いで挨拶してみたらクラスメイト達はにこやかにおはようと返してくれた。何これ?首捻りながら席着くと、隣のしゃべったこともない女子がずいっと顔寄せてきた。
「アンジェリカ様、具合はもうよろしいのですか?」
「え、ええお陰様でもうすっかり」
他所行きモードで返すと隣女子はにっこり笑った。
「殿下も心配されて付きっきりで看病されたとか……近頃はよく一緒にいらっしゃいますし、お二人はラブラブなのですね」
チベットスナギツネって知ってる?知らなかったらググってね☆私今確実にあんな顔してると思うの。
「ラブラブ?私が殿下と?」
「ええ、以前はあんなに……あ、いえその……今の驚くほどの殿下のご寵愛ぶりにアンジェリカ様はすっかり羨望の的ですわよ」
え、それ私の話なの?すっごい他人事の様にへーって聞いてた。以前の我々は険悪だって?そんでもってグレンが私を寵愛ねぇ……あの見舞いがまさかこんな誤解を生むなんて……あれ、まさか泊まり込んでたから私達既にそういう仲だと思われてたり!?待って、婚約破棄どころか既成事実にされてどうする!?私頭抱える。
「アンジェリカ様!?まだお体の調子が?」
王族の寵愛云々で人はこうも態度を変えるもんなのか……これがアンジェリカの生きる世界なんだなぁ。人間不信になりそって思いながら、私は隣女子に淑女スマイルを返した。
「いえもうすっかり良くなりました。殿下の手厚い看病の賜物ですね、嬉しい限りですわ」
おほほほほって高笑いしてやると、隣女子は「まあ」って笑いつつ、その目にすんごい嫉妬やら羨望の色が浮かんだの、私は見逃さなかった。この子グレンが好きなんかな?まあどうでもいいや好きにしてくれ、私の知らないところでなっ!
さてランチの時間。いつも決まった人と食べてるわけじゃないんだけど、今日はやたら女子達の熱い視線を感じる……いや、女子にモテるのは嬉しい!むしろモテたいんだけどさ、これは好奇の目ってやつだ。嫌だな、物凄いいたたまれない……さっさと人気のないとこ行こうかなって思ってた所に火に注ぐ油参上!
「アンジェリカ」
ズカズカと迷いなく一直線に向かってくるキラッキラの油もとい王子様。
「グ……殿下、どうされました?」
周りから痛い程視線感じる。何このゴシップのネタ感は……
「具合はどうだ?昼の誘いに来た」
今はグレンでも何でもここから連れ出してくれるならありがたい。私差し出された手に笑顔でお手したよ。
「嬉しいですわ殿下」
グレン目見開き過ぎで普段の3倍くらいになってる。淑女モードの私がそんな珍しいか!珍しいな。にしても露骨に驚き過ぎだしっ!
ふと隣女子からの強い視線を感じた。ああ、やっぱこの子グレンのこと好きなのかな?私よろけるフリしてグレンの胸に飛び込んでみた。計算通りガッチリ抱きとめるグレン。
「大丈夫か?まだ本調子ではなさそうだな」
あれ、グレン優しいな。ちょっとした悪戯心だったんだけど、何か申し訳なくなってくるじゃないの。チラって隣女子みたら……うほー!凄い目で睨んでるうううう!一応まだ私婚約者らしいんだけどな。私ここで益々変なスイッチ入っちゃったよ。
「私は大丈夫よ。心配してくれてありがとうグレン」
普段公の場では殿下呼びだけど、今は敢えて名前呼びしてみる。なんか親密に見えるでしょ?さて隣女子は……ふおおお!視線で殺してやるモード頂きました!彼女(名前も知らないけど)かなりグレンに本気みたいだ。でもグレンには全く届いていない様子。この強烈な視線に気付きもしないとは……
一応グレンって生まれながらの王子様だし注目されるのが仕事みたいなもんだよね。色んな視線向けられることに慣れてるんだろなぁ。改めて王子様って大変なんだなってグレンの顔見ながらシミジミ。
「行こうアンジェリカ」
「はい殿下」
うふふって笑って殿下と一緒で嬉しいわ感を演出。そしてそこでやっと気付く。私一体何やってんだあああ!?
というわけで4日ぶりの学園だ!って喜んでたんだけど──
「ん?」
教室入るとさ、皆の視線が私に集中。え?何事?男子は良いとして、大体女子にはビクビク避けられるのが普通なんだけど今日はどうしたんだろ?
「オハヨウゴザイマス?」
一先ず愛想笑いで挨拶してみたらクラスメイト達はにこやかにおはようと返してくれた。何これ?首捻りながら席着くと、隣のしゃべったこともない女子がずいっと顔寄せてきた。
「アンジェリカ様、具合はもうよろしいのですか?」
「え、ええお陰様でもうすっかり」
他所行きモードで返すと隣女子はにっこり笑った。
「殿下も心配されて付きっきりで看病されたとか……近頃はよく一緒にいらっしゃいますし、お二人はラブラブなのですね」
チベットスナギツネって知ってる?知らなかったらググってね☆私今確実にあんな顔してると思うの。
「ラブラブ?私が殿下と?」
「ええ、以前はあんなに……あ、いえその……今の驚くほどの殿下のご寵愛ぶりにアンジェリカ様はすっかり羨望の的ですわよ」
え、それ私の話なの?すっごい他人事の様にへーって聞いてた。以前の我々は険悪だって?そんでもってグレンが私を寵愛ねぇ……あの見舞いがまさかこんな誤解を生むなんて……あれ、まさか泊まり込んでたから私達既にそういう仲だと思われてたり!?待って、婚約破棄どころか既成事実にされてどうする!?私頭抱える。
「アンジェリカ様!?まだお体の調子が?」
王族の寵愛云々で人はこうも態度を変えるもんなのか……これがアンジェリカの生きる世界なんだなぁ。人間不信になりそって思いながら、私は隣女子に淑女スマイルを返した。
「いえもうすっかり良くなりました。殿下の手厚い看病の賜物ですね、嬉しい限りですわ」
おほほほほって高笑いしてやると、隣女子は「まあ」って笑いつつ、その目にすんごい嫉妬やら羨望の色が浮かんだの、私は見逃さなかった。この子グレンが好きなんかな?まあどうでもいいや好きにしてくれ、私の知らないところでなっ!
さてランチの時間。いつも決まった人と食べてるわけじゃないんだけど、今日はやたら女子達の熱い視線を感じる……いや、女子にモテるのは嬉しい!むしろモテたいんだけどさ、これは好奇の目ってやつだ。嫌だな、物凄いいたたまれない……さっさと人気のないとこ行こうかなって思ってた所に火に注ぐ油参上!
「アンジェリカ」
ズカズカと迷いなく一直線に向かってくるキラッキラの油もとい王子様。
「グ……殿下、どうされました?」
周りから痛い程視線感じる。何このゴシップのネタ感は……
「具合はどうだ?昼の誘いに来た」
今はグレンでも何でもここから連れ出してくれるならありがたい。私差し出された手に笑顔でお手したよ。
「嬉しいですわ殿下」
グレン目見開き過ぎで普段の3倍くらいになってる。淑女モードの私がそんな珍しいか!珍しいな。にしても露骨に驚き過ぎだしっ!
ふと隣女子からの強い視線を感じた。ああ、やっぱこの子グレンのこと好きなのかな?私よろけるフリしてグレンの胸に飛び込んでみた。計算通りガッチリ抱きとめるグレン。
「大丈夫か?まだ本調子ではなさそうだな」
あれ、グレン優しいな。ちょっとした悪戯心だったんだけど、何か申し訳なくなってくるじゃないの。チラって隣女子みたら……うほー!凄い目で睨んでるうううう!一応まだ私婚約者らしいんだけどな。私ここで益々変なスイッチ入っちゃったよ。
「私は大丈夫よ。心配してくれてありがとうグレン」
普段公の場では殿下呼びだけど、今は敢えて名前呼びしてみる。なんか親密に見えるでしょ?さて隣女子は……ふおおお!視線で殺してやるモード頂きました!彼女(名前も知らないけど)かなりグレンに本気みたいだ。でもグレンには全く届いていない様子。この強烈な視線に気付きもしないとは……
一応グレンって生まれながらの王子様だし注目されるのが仕事みたいなもんだよね。色んな視線向けられることに慣れてるんだろなぁ。改めて王子様って大変なんだなってグレンの顔見ながらシミジミ。
「行こうアンジェリカ」
「はい殿下」
うふふって笑って殿下と一緒で嬉しいわ感を演出。そしてそこでやっと気付く。私一体何やってんだあああ!?
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