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本編
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殿下はいけ好かないけど、案内された店は文句のつけようもなかった。高級過ぎないけど女心をくすぐるオシャレなカフェって感じで、圧倒的に女性客で賑わってた。
私がチラッて見たら、殿下ドヤ顔。見た目通り女慣れしてんなぁ。こりゃアンジェリカキツかっただろな……まあセレスちゃんは多分ヒロインだからさ、今はこんな女たらし(推定)でも大事にしてくれる……よね?大丈夫だよね?何か急に不安になってきた。
殿下は店に顔パスみたいで速攻で個室に通された。これが権力ってやつか、まあいれば何かと便利な男だな(ゲス顔)。
席に案内されて、私はすぐにお化粧室に行くフリして扉の外で二人の様子を伺った。でもさ、さすがのセキュリティなのか中の音全然聞こえないんだ。
暫く2人にして交流深めてもらって、何かセレスちゃんにヤバいこと(主に貞操の危機)ありそうならすぐ助けに戻ろうって思ってたのに……困ったなぁ。扉の前で腕組みしてウンウン唸ってたら、何か後ろから肩叩かれた。
「失礼、アンジェリカ様。何かお困りですか?」
おお!殿下の側に居た騎士様じゃないの!これ騎士服っていうのかな?何か濃紺詰襟のピシッと体にフィットした服がメッチャかっこいい!しかもムキムキでやばい、この体タイプだ!
「あなたは……?」
「殿下の専属騎士のカルシファーと申します」
カルシファー?カル……カル!?頭にボンっとカルシファーとヒロインのキスシーンが浮かんで、私思わずカルシファーのセクシーな唇見つめちゃったよ!そうだ、この人私が唯一オトした騎士様じゃん!
「カルシファー……あなた彼女は?」
「……は?」
「婚約者とか心に決めた女性はいるの?」
「お、おりませんが……あの、アンジェリカ様?」
グイグイくる私にカルシファーはタジタジ。んんん、何か可愛い。
「カルシファー、カルって呼んでもいい?」
「お好きなようにお呼び下さい。あなたは殿下の伴侶となられる方、私の主人も同然ですので」
「伴侶、ね。私がもし婚約を破棄されたら──」
丁度いいところでバン!って扉が開いた。
「そこで……何をしている?」
般若かよって顔して殿下がこっち睨んでた。ちっ良いところで……
「お化粧室の場所が分からなくて困ってたら、親切にカルが声をかけてくれたの」
「……カル?」
殿下は片眉をピクッと吊り上げた。
「好きなように呼べって言うから……なんかマズかった?」
「お前は……俺の名も呼ばないくせに、他の男を愛称呼びとはいい度胸だな」
「え、だって知らないし」
「なん……だと!?」
「殿下お鎮まり下さい。アンジェリカ様は今万全ではありませんので……色々と混乱されているのでしょう」
ナイスフォロー!こんな陰険モヤシより、結婚するなら絶対カルだよね。アンジェリカもこんな男の何が良かったんだろ……顔だな(即決)。
ひとまずここで機嫌損ねたくないからオトナになることにしたよ、私偉い。
「勉強不足でごめんね。殿下の名前教えて?」
ムカつく……私の精一杯の上目遣いに殿下すっごい嫌そうな顔してる。呼んで欲しいのか欲しくないのかどっちなんだよ、全く面倒くさい男だな……
ていうかプライド高すぎて素直になれないって感じ?まあそう考えれば年相応に可愛い気も……しなくもないかな?
じいって見てたら殿下は観念したようにふうって溜息ついた。
「……グレンシュフォンティエル」
「なっが!覚えらんないしグレンって呼ぶわ」
「……ふん、好きにしろ」
ぷいっとそっぽ向いたけど、グレンちょっと嬉しそう?ま、気のせいかな。
私がチラッて見たら、殿下ドヤ顔。見た目通り女慣れしてんなぁ。こりゃアンジェリカキツかっただろな……まあセレスちゃんは多分ヒロインだからさ、今はこんな女たらし(推定)でも大事にしてくれる……よね?大丈夫だよね?何か急に不安になってきた。
殿下は店に顔パスみたいで速攻で個室に通された。これが権力ってやつか、まあいれば何かと便利な男だな(ゲス顔)。
席に案内されて、私はすぐにお化粧室に行くフリして扉の外で二人の様子を伺った。でもさ、さすがのセキュリティなのか中の音全然聞こえないんだ。
暫く2人にして交流深めてもらって、何かセレスちゃんにヤバいこと(主に貞操の危機)ありそうならすぐ助けに戻ろうって思ってたのに……困ったなぁ。扉の前で腕組みしてウンウン唸ってたら、何か後ろから肩叩かれた。
「失礼、アンジェリカ様。何かお困りですか?」
おお!殿下の側に居た騎士様じゃないの!これ騎士服っていうのかな?何か濃紺詰襟のピシッと体にフィットした服がメッチャかっこいい!しかもムキムキでやばい、この体タイプだ!
「あなたは……?」
「殿下の専属騎士のカルシファーと申します」
カルシファー?カル……カル!?頭にボンっとカルシファーとヒロインのキスシーンが浮かんで、私思わずカルシファーのセクシーな唇見つめちゃったよ!そうだ、この人私が唯一オトした騎士様じゃん!
「カルシファー……あなた彼女は?」
「……は?」
「婚約者とか心に決めた女性はいるの?」
「お、おりませんが……あの、アンジェリカ様?」
グイグイくる私にカルシファーはタジタジ。んんん、何か可愛い。
「カルシファー、カルって呼んでもいい?」
「お好きなようにお呼び下さい。あなたは殿下の伴侶となられる方、私の主人も同然ですので」
「伴侶、ね。私がもし婚約を破棄されたら──」
丁度いいところでバン!って扉が開いた。
「そこで……何をしている?」
般若かよって顔して殿下がこっち睨んでた。ちっ良いところで……
「お化粧室の場所が分からなくて困ってたら、親切にカルが声をかけてくれたの」
「……カル?」
殿下は片眉をピクッと吊り上げた。
「好きなように呼べって言うから……なんかマズかった?」
「お前は……俺の名も呼ばないくせに、他の男を愛称呼びとはいい度胸だな」
「え、だって知らないし」
「なん……だと!?」
「殿下お鎮まり下さい。アンジェリカ様は今万全ではありませんので……色々と混乱されているのでしょう」
ナイスフォロー!こんな陰険モヤシより、結婚するなら絶対カルだよね。アンジェリカもこんな男の何が良かったんだろ……顔だな(即決)。
ひとまずここで機嫌損ねたくないからオトナになることにしたよ、私偉い。
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じいって見てたら殿下は観念したようにふうって溜息ついた。
「……グレンシュフォンティエル」
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