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第三部
恋情 *
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「ルー、出ておいで」
眠りに落ちる前のひととき。私室の寝台で指先の赤い石を撫でると、ルーはそっと抜け出してきて、くるりと手の甲で輪を描いてみせる。背中を撫でてやると満足そうに伸びをして、寝間着の下で肌の中を泳ぐように遊ぶ。その動きは少しくすぐったくて、でも心が安らぐ。
茶会に向かうとき以外、ルーは指先にいて。俺が何をしてるのかなんて、ルシアンには殆ど筒抜けのはずだった。
なのに、約束をしたあの日から、一度も姿を現さない。
「ルー、お前の主人は、どうしたんだ……?」
呼びかけるとルーは手のひらに降りてきて尻尾を振ってみせる。こうしてルーがまだいる、ということは関係は切れていないはずで。なのにそれだけでは、全然満足できない自分がいた。
はぁ、と溜息をついて。明かりを落として、肌掛けの中にもぐり込む。
やっぱり、怒っているんだろうか。無茶な願いを突きつけた事に。それとも――他のαと縁を結んだことで、愛想をつかされたのだろうか。
悪い予想はどんどん大きくなって、心の中を暗く塗りつぶしていく。会いたくて。寂しくて。不安で。雪崩のように感情が押し寄せて、ぎゅぅ、と胸の奥が押し潰される。
明後日には発情期に備えるため表殿に入る。ルーはこの部屋に置いていくし、神官の多い表殿にルシアンは入れない。
「……会いたい」
聞こえればいいのに、と願って指先の赤い石に唇を寄せて呟く。すぐに恥ずかしくなって、耳まで熱くなる。けれど、部屋の中はしんと静まり返ったままだ。
「ルシアン……」
小さく、呼びかけるように名を音にする。
触れたい、と抱きしめた体躯の感覚を思い出す。肌を合わせたときの、震えるような甘い感触。抱きしめられた時の、胸の奥に感じる安堵と、期待。
思い出す全てが、身体を刺激する。
どんなふうに触れたのか。どんなふうに触れられたのか。
全部、覚えている。
「……ルシアン」
もう一度。乞うように名前を呼ぶ。
ぎしり、と寝台がきしんだ。
「……遅くなりました」
声が囁いて。
「……!」
ぎゅ、と寝具ごと抱きすくめられて。探していた香りに包まれる。
「ルシアン」
名を呼ぶと、寝具を捲られて、暗闇の中で顔を覗き込まれる。
「サリュー、」
吐息だけで呼ばれて。その唇を、ふさぐように自分から口付けた。
「……来てくれて嬉しい」
安堵とともに声にすると、唇が微笑んで。返礼のようにそっと口付けられる。
「……ん」
薄く唇を開いて誘うと、舌先が忍び込んでくる。
「……ふ、ぁ」
触れ合う心地よさに、吐息が漏れる。そっと目を開いて、暗闇の中の影に手を伸ばして抱き寄せた。体温が近づくと、暖かくて、心地よい。そのまま抱きしめられると、ルシアンの香りに身体の芯がうっとりと和らぐ。他の誰とも違って……心の奥が安らぐような安心感と、奮い立つような高揚感がまざりあって。さっきまで感じていた暗い感情を薙ぎ払っていく。
なんだ、こんなに――違う、んだ。
まるで分ってなかった。
「ぁ、……」
指先がするりと寝間着の下に入り込んでくる。
「んっ……」
胸の蕾をくすぐられて。性感を煽られると、期待していた身体はすぐにその気になって。
「……ぁ、……まって、」
ぐずぐずに流されそうにな身体を堰き止めるように、ルシアンにしがみつく。鼓動が早くて。頬が熱くて。
「……どうしました?」
「なんか……変になりそう、」
ど、ど、ど、と鼓動が全身を駆け巡っていた。興奮していて。蕩けそうなほどに欲情していて。
「なに……これ、」
「大丈夫ですか?」
大丈夫かなんて、分からない。
「ちょっと、ごめん……」
原因はルシアンなんだろうと、断って身体を離す。ジリジリと後ろに下がって距離を取ると、少し落ち着く。
「久しぶりだったからかな……、なんか、凄く、いいにおいで……」
「……興奮した?」
ふ、と笑う気配。「光栄です」と付け加えるように言って。その声音はどこか冷めて、皮肉めいていて。
「そういう言い方、いやだ。……好きだから、なってんのに」
文句をいうと、ふふ、とルシアンは笑った。暗くて表情が見えないから、その意図は分からない。
「そうですね。失礼。いえ……ありがとう。それで?……触れても、大丈夫ですか」
大丈夫でも、そうじゃなくても。
「……触って」
言うと、布ずれの音がして、ルシアンが、彼の香りが近づいてくる。
「んっ……!」
びくん、と触れられたところが跳ねる。
「本当に……どうしたんですか……?」
「知らない、けど……ぁっ!」
「……逃げないで」
耐えられずに離れようとした手首をつかまえられて。シーツに縫い留められる。上から見おろされて。唇が降りてくる。
「あ……、っ」
首筋の弱いところに吸い付かれるとびりりと全身が震えて。気持ち良くて……たまらない。
「あ、……首、やだ……きもちい……」
噛まれたい、とうなじが疼いて。びくん、と腰がはねて、ゾクゾクと快感に、撃ち抜かれる。
「ねぇ。一度、出しますか」
指先がそっと、張り詰めた先端にかかる。先走りに濡れてぐしょぐしょになったそこは痛いほどで。
「っう。……うん」
縋るように頷くと、寝間着をはだけて、下着の中に指先がもぐり込んでくる。
「あ、……ぁ、あ」
触れられるとあっという間に昇りつめていく。「……出ちゃう」と、こぼすともうそのことしか考えられなくなって。
「っあ、……!」
ドクッと奥から込み上げたものを吐き出すと、気持ち良くて。とろん、と全身が弛緩する。
「……落ち着きましたか」
「うん、……なんか、……ごめん」
思わず謝ると、「いえ」と短く答えが返って。その声が不機嫌さを滲ませていて、心配になる。
「……怒ってるの」
「違います。……いや、確かに……怒っているのかも知れない。あなたを、こんな風にさせた自分に。すみません」
「……うん。だって、……全然来ないから……寂しかった」
言うと、ルシアンの腕の中に抱き込まれる。
「なんで来なかったの」
すり、と近づいた体に頬をつけて聞く。
「あなたの願いを叶える魔法を探していて……」
ふぅ、と溜息をついて、ルシアンは言いにくそうにその先を濁す。
「……もう嫌になったのかと思った」
「あなたを嫌いになんかなりません……でも、……あなたに会うのは、怖かった」
どう言おうか迷うように、小さく言葉を切ってルシアンは言う。
「他の、……αと。もし気持ちが通じていたら、と。……そうやって疑う気持ちがある状態で、あなたに会ったら、……酷いことをしそうで」
許しを請うように、強く抱きしめられる。
「……すみません」
謝るのは、俺のほうだ、と思った。そんな風に疑わせたのは、きっと、俺のせいだと。
「俺のほうこそ。ごめん……そんな気持ちにさせて」
あのさ、と言葉をつなぐ。
「俺もさ……不安だった。もし他のαに惹かれたらって。でもさ、全然、違うんだ。お前だけだよ、こんな風になるの」
そう言って、ルシアンの手を取って、心臓の上に触れさせる。ドキドキと早い鼓動が、伝わるように。
「会えなくて寂しいのも、香りだけで安心するのも、……欲しくなるのも。全部お前だけ。……信じられないかもしれないけど、さ。本当に、ぜんぜん違うんだ」
俺が自分自身を信じられなかったくらいだ。ルシアンが疑うのは、不安になるのは、当然で。
言葉で伝えても、どれくらい伝わるのかなんてわからないけど。
それでも、伝えなきゃいけなくて。
「信じてくれる……?」
いうと、そっと頬に口づけされる。
「……私だけですよ、あなたの恋人は」
「うん。……好きだよ」
囁いて。キスを贈る。信じてもらえるように。
「ん……、っん……、」
舌先を差し入れて、絡め合う。柔らかくて、心地よい感触。はぁ、と息を吐くと唇に噛みつかれて。主導権を取り返すように口づけが深くなって。
「抱いて、」
願うように囁くと「……好きなだけ、抱かせてくれますか」と赦しを得るように問われる。
「いいよ……気が済むまで、……して」
その甘やかな誘惑を、断れるわけがなかった。
「キツくなったら、……止めてください」
言いながら、寝間着を剥がれて、肌を露わにされる。余裕のない手つきは性急で。けれど期待に熟れた身体は何をされても快感でしかなくて。
指先で触れられるのも、舌先でくすぐられるのも。
ぜんぶ、気持ち良くて。
「あっ……っ!」
胸の尖に噛みつかれると、びくん、と身体が跳ねる。わずかな痛みと、激しい快感に、身体の奥がぎゅっと締まる。
「ぁ、……ン!、……っは」
じん、と痺れた先を舌先で転がされながら、脚を開かれる。指先で触れられれば、後腔はもうぬめぬめと欲情に熟れきっていて。入口をなぞられるだけで恥ずかしいほどクチュクチュと音を立てた。
「こんなに濡れて……すぐにでも入りそうですね」
言われて。ぎゅっと胸の奥が潰れる。
「……入れて」
誘うと、ふ、とルシアンは目を細めて笑った。
「ええ、もちろん」
声が応えながら、指先が沈みこむ。一息に奥まで潜り込むと、中を確かめるようにぐるりとかき回されて。
「あっ……!ア、ぁ……ん!」
刺激の強い部分を一息に押し込まれて、息がとまる。
「ここが、好きですよね……こうして、追い込むと中がぎゅっと締まるの……わかりますか?」
確認するようにコリコリと指先で良いところを擦られる。気持ち良くて、快感を逃すまいと後腔が指先を締め付けて。
「やだ……」
恥ずかしさに弱く吐き出すと、慰めるようにルシアンはキスをくれる。でも、指先は止まらなくて。
優しいのか、酷いのか、その両方か。
混乱しながら、与えられる快楽に流されていく。
「ぁあっ」
びくん、と身体が跳ねて。絶頂に駆け上がる。
「いっ、ちゃう、やだ……」
やめて、としがみついても止めてくれなくて。「あっ……!」脚先まで全部を引き連れてぎゅっと身体がしなる。突きあがった快感の先へと、真っ白になって。
絶頂の余韻にハァハァと息を吐く。
「……んっ」
すぐに口づけが落ちてきて。喘ぐように舌先を絡める。息ができなくて。苦しくて。
「あ……っ!」
ぼんやりした意識の中で、脚を大きく開かれて。
ずん、と奥まで一息に犯される。
「~~~!」
達したあとの弛緩した内側を擦られるのはキツくて。でも拓かれることに慣れた身体は待ち望んだかのように悦びを汲み上げていく。
「ぁ、……やだ、……ぁあっ」
穿たれた熱がゆっくりと奥をノックする。その突き当たりがじん、と痺れたように快感を生む。
「一番奥に、入れてもらえますか」
耳元で囁かれて。
「奥……? これ以上、入らない……」
「ココに、ほんの少し狭くなった場所があって……その先があります。……いいですか?」
ここ、と切っ先が擦った場所は、確かに何か引っかかるような感じがあって。
「この、先……?」
そう、と囁きが応えると。ぐっと切っ先が押し込まれる。
「……! ふ、っぁ、あっ……!」
びぃん、と全身を引きつらせるような刺激が駆け抜けて。
「あ、っあ、やだ、……そこ、やっ」
「……最初だけ、少し、我慢して」
逃げようとした腰を掴まれて、ぐっとさらに体重がのしかかる。
「んっ、あっ……! ぁっ!」
ちゅぽん、と先が狭い奥に潜り込んだその瞬間。未到の奥を拓かれる刺激に、身体ががくがくと痙攣して。痛みに似た衝撃に、肚を打ち破かれたような錯覚がして。
怖くて。
気づくと泣きじゃくっていた。
「やだ……、やだって言ったのに、……んっ、あっ、はっ。奥、苦し……」
涙に濡れて、しゃっくりあげるたび、ぎっちりと嵌め込まれた肚の奥が揺れて。苦しくて、でもさざ波のように微かに甘い痺れが生まれていく。
「……ぁ、っあ、……こわい」
「大丈夫、……上手に飲み込めてます。もう少し馴染んだら、悦くなりますよ……」
なだめるように肚の上を撫でて、ルシアンは頬を濡らす涙を舐め取った。その動きでさえ、奥を揺らして。
「あ、待って、動かないで……っあ、……ぁん」
押し広げられて、じりじりと灼かれるような感覚。馴染む、なんて到底信じられなくて。だけど、信じたくて。
――試されてるのだと、気づく。
どこまで、許せるのか、と。
「……あと少し、」
囁かれて。ごくり、と喉が鳴る。何をされるのか、身構えて。
でも何をされても良かった。
それで、信じてもらえるなら。
「あ、……ああ、……あっ。……んっ!」
ゆっくりと、一番奥に潜り込んだ先を揺らされる。
苦しくて。なのに、じわじわと痺れたような感覚が、悦くて。
「あ、……あっ、……ぁん」
「そう、上手……」
ふいに腰が引かれて。
圧迫感が緩む。
「ぁ、」
緊張が解けて脱力した瞬間。もう一度、ぐっと押し込まれて。
「~~~っん!」
息が止まるような快感が、駆け抜ける。
「ぁ、……!」
もう一度、ぱちゅん、と打ち付けられて。
壊れる、と切迫感があって。なのに、気持ちよくて。
「あ、……ぁ、……っあ!……こわい、……ぁっ、」
怖くて、嫌だ、と思う気持ちと、引き出される強い快感に溺れるような感覚が混ざり合って、ぐちゃぐちゃになる。
「ぁ、ぁ、……きもち、い」
ゆっくりと打ち付けられると、奥にもぐりこんだ先が、ぐっと中を押し広げる。さっきまで苦しかったその圧迫感が、快感にすり替わって身体を支配する。
そのままうっとりと、混乱した感覚に身を任せると、あとはただ与えられる刺激にあえぐだけで。もう何も考えられなくなって、ただ悦くて。
「ぁっ、あ、……ぁ、んっ」
もう余裕がないのか、言葉もなくただ貪るように揺すられる。ぎゅっと体躯に脚を絡ませると、奥に打ち付けられる熱がぐっと硬度をまして。
「っあ、……!」
ばちゅん、と打ち抜かれて。そのまま、絶頂に押し上げられていく。ぎゅ、っと全身がしなって。最後の瞬間を逃すまいと奥が締まる。
「……っ。……!」
達してびくんと身体が跳ねると、中にどくんと吐き出される。
はぁはぁと荒い息が重なって。
首筋に口付けられる。
「かみたい」
うつろな響きで囁きがこぼれて。がぶり、と封環の際を噛まれた。
「……!」
まずい、と逃げるように身体を捩ると、肩先にもう一度、がぶりと歯が立てられる。
「ルシアン、やめろ!」
身体を押し返して、衝動に飲まれているルシアンを引き離す。
「大丈夫だから、……俺はお前のものだから」
なだめるように囁いて。口付ける。舌先に血の味を感じて、肩先の痛みに苦笑する。
きっと上手くうなじを噛めなかったせいで、噛みなおそうと、思いっきり噛んだんだろう。
その動物じみた衝動は、怖くはなかった。
ただ彼の、子供じみた独占欲が……愛おしくて。
だいぶ、やられているな、と内心で自嘲した。
「……すみません」
長いキスを終えると、ルシアンは力なく言った。
「いいよ、別に……したかったんだろ」
甘んじて受け入れる気持ちでいうと、ぎゅっと抱きしめられる。
「すみません……止められなかった」
悔しそうに言って。はぁ、とため息をこぼす。
「これでは、覚醒したての子供と変わらない」
言いながら、ルシアンは肩先についた噛み跡を指でなぞる。
「前にもしたことがあるのか?」ときくと「……初めてに決まってるでしょう」と恥ずかしそうに言う。
「あなたのことになると、ダメなんです。自制が聞かなくなる。ねえ、……信じてくれますか」
諦めたように内実を吐露する言葉をこぼして、ルシアンはもう一度ため息をついた。
「うん、信じるよ。……俺だけ、なんだろ」
言って、その手を取って、指先に口付ける。
「嬉しい」
と素直な気持ちを言うと、「やめてください」と非難される。
「増長させないで。こんなのは、……あなたに相応しくない」
そう、真剣に言うものだから、可笑しくて。
「いいよ。別に。……好きだよ」
微笑んでいうと、困惑したように俺の目を覗き込んで。
「好きです」
と観念したようにはっきりという。
「誰にも渡したくない。ねえ、やっぱり考え直しませんか」
駄々をこねる子供のように言うので、「だめだよ」と笑う。
「もう決めたから。……ごめん」
俺の答えを受け取るように、ふぅ、と長く息を吐きだして。
ルシアンは低く古語を唱え始める。
淡い光が集まって。
彼の掌に、小さな水色の結晶が生まれる。
「とりあえずの間に合わせでしかないですが。これを、奥にいれれば、受胎は防げるはずです」
「……奥?」
「さっき……拓いた場所。あの奥にΩの子宮があります。そこを、これで塞ぐ。愚直な案ですが、すぐに実現できるものはこれしかなかった」
ルシアンが指先でつまんで見せると、その結晶はふに、と柔らかくつぶれた。
「どうやって……?」
「ご心配なく」
言うと、ルシアンは印を結んで。掌の結晶が掻き消える。
「ん……?」
「ほとんど感じないはずです。……発情期が終わったら、外しますから」
言われて、思わず腹を撫でる。どこにも違和感はない。
「ありがとう」
素直に感心して言うと、ルシアンは満更でもなさそうに微笑んだ。
「もう少し使い勝手の良いものを探します。……もし、不都合があれば教えてください」
そう言って。抱きしめられる。
「うん……ありがとう」
改めて言って、近づいた体に耳をぴたりとつける。
どくどくと脈打つ鼓動の音が聞こえて。
ああ、好きだな、と感情がこみあげて。
「ねえ、もう一回して……?」
そう言うと。
ルシアンは今度はどこまでも優しく抱いてくれた。
彼の残した噛み跡は、発情期の間ずっと消えなくて。
禰宜たちに不躾だ、と非難されたり。身を案じられたり。大笑いされたり、と散々だった。
でも。
それを、まったく悪くないな、と感じてしまったから。
自覚しているよりもずっと――自分は恋に落ちているのだと。
そう、理解した。
眠りに落ちる前のひととき。私室の寝台で指先の赤い石を撫でると、ルーはそっと抜け出してきて、くるりと手の甲で輪を描いてみせる。背中を撫でてやると満足そうに伸びをして、寝間着の下で肌の中を泳ぐように遊ぶ。その動きは少しくすぐったくて、でも心が安らぐ。
茶会に向かうとき以外、ルーは指先にいて。俺が何をしてるのかなんて、ルシアンには殆ど筒抜けのはずだった。
なのに、約束をしたあの日から、一度も姿を現さない。
「ルー、お前の主人は、どうしたんだ……?」
呼びかけるとルーは手のひらに降りてきて尻尾を振ってみせる。こうしてルーがまだいる、ということは関係は切れていないはずで。なのにそれだけでは、全然満足できない自分がいた。
はぁ、と溜息をついて。明かりを落として、肌掛けの中にもぐり込む。
やっぱり、怒っているんだろうか。無茶な願いを突きつけた事に。それとも――他のαと縁を結んだことで、愛想をつかされたのだろうか。
悪い予想はどんどん大きくなって、心の中を暗く塗りつぶしていく。会いたくて。寂しくて。不安で。雪崩のように感情が押し寄せて、ぎゅぅ、と胸の奥が押し潰される。
明後日には発情期に備えるため表殿に入る。ルーはこの部屋に置いていくし、神官の多い表殿にルシアンは入れない。
「……会いたい」
聞こえればいいのに、と願って指先の赤い石に唇を寄せて呟く。すぐに恥ずかしくなって、耳まで熱くなる。けれど、部屋の中はしんと静まり返ったままだ。
「ルシアン……」
小さく、呼びかけるように名を音にする。
触れたい、と抱きしめた体躯の感覚を思い出す。肌を合わせたときの、震えるような甘い感触。抱きしめられた時の、胸の奥に感じる安堵と、期待。
思い出す全てが、身体を刺激する。
どんなふうに触れたのか。どんなふうに触れられたのか。
全部、覚えている。
「……ルシアン」
もう一度。乞うように名前を呼ぶ。
ぎしり、と寝台がきしんだ。
「……遅くなりました」
声が囁いて。
「……!」
ぎゅ、と寝具ごと抱きすくめられて。探していた香りに包まれる。
「ルシアン」
名を呼ぶと、寝具を捲られて、暗闇の中で顔を覗き込まれる。
「サリュー、」
吐息だけで呼ばれて。その唇を、ふさぐように自分から口付けた。
「……来てくれて嬉しい」
安堵とともに声にすると、唇が微笑んで。返礼のようにそっと口付けられる。
「……ん」
薄く唇を開いて誘うと、舌先が忍び込んでくる。
「……ふ、ぁ」
触れ合う心地よさに、吐息が漏れる。そっと目を開いて、暗闇の中の影に手を伸ばして抱き寄せた。体温が近づくと、暖かくて、心地よい。そのまま抱きしめられると、ルシアンの香りに身体の芯がうっとりと和らぐ。他の誰とも違って……心の奥が安らぐような安心感と、奮い立つような高揚感がまざりあって。さっきまで感じていた暗い感情を薙ぎ払っていく。
なんだ、こんなに――違う、んだ。
まるで分ってなかった。
「ぁ、……」
指先がするりと寝間着の下に入り込んでくる。
「んっ……」
胸の蕾をくすぐられて。性感を煽られると、期待していた身体はすぐにその気になって。
「……ぁ、……まって、」
ぐずぐずに流されそうにな身体を堰き止めるように、ルシアンにしがみつく。鼓動が早くて。頬が熱くて。
「……どうしました?」
「なんか……変になりそう、」
ど、ど、ど、と鼓動が全身を駆け巡っていた。興奮していて。蕩けそうなほどに欲情していて。
「なに……これ、」
「大丈夫ですか?」
大丈夫かなんて、分からない。
「ちょっと、ごめん……」
原因はルシアンなんだろうと、断って身体を離す。ジリジリと後ろに下がって距離を取ると、少し落ち着く。
「久しぶりだったからかな……、なんか、凄く、いいにおいで……」
「……興奮した?」
ふ、と笑う気配。「光栄です」と付け加えるように言って。その声音はどこか冷めて、皮肉めいていて。
「そういう言い方、いやだ。……好きだから、なってんのに」
文句をいうと、ふふ、とルシアンは笑った。暗くて表情が見えないから、その意図は分からない。
「そうですね。失礼。いえ……ありがとう。それで?……触れても、大丈夫ですか」
大丈夫でも、そうじゃなくても。
「……触って」
言うと、布ずれの音がして、ルシアンが、彼の香りが近づいてくる。
「んっ……!」
びくん、と触れられたところが跳ねる。
「本当に……どうしたんですか……?」
「知らない、けど……ぁっ!」
「……逃げないで」
耐えられずに離れようとした手首をつかまえられて。シーツに縫い留められる。上から見おろされて。唇が降りてくる。
「あ……、っ」
首筋の弱いところに吸い付かれるとびりりと全身が震えて。気持ち良くて……たまらない。
「あ、……首、やだ……きもちい……」
噛まれたい、とうなじが疼いて。びくん、と腰がはねて、ゾクゾクと快感に、撃ち抜かれる。
「ねぇ。一度、出しますか」
指先がそっと、張り詰めた先端にかかる。先走りに濡れてぐしょぐしょになったそこは痛いほどで。
「っう。……うん」
縋るように頷くと、寝間着をはだけて、下着の中に指先がもぐり込んでくる。
「あ、……ぁ、あ」
触れられるとあっという間に昇りつめていく。「……出ちゃう」と、こぼすともうそのことしか考えられなくなって。
「っあ、……!」
ドクッと奥から込み上げたものを吐き出すと、気持ち良くて。とろん、と全身が弛緩する。
「……落ち着きましたか」
「うん、……なんか、……ごめん」
思わず謝ると、「いえ」と短く答えが返って。その声が不機嫌さを滲ませていて、心配になる。
「……怒ってるの」
「違います。……いや、確かに……怒っているのかも知れない。あなたを、こんな風にさせた自分に。すみません」
「……うん。だって、……全然来ないから……寂しかった」
言うと、ルシアンの腕の中に抱き込まれる。
「なんで来なかったの」
すり、と近づいた体に頬をつけて聞く。
「あなたの願いを叶える魔法を探していて……」
ふぅ、と溜息をついて、ルシアンは言いにくそうにその先を濁す。
「……もう嫌になったのかと思った」
「あなたを嫌いになんかなりません……でも、……あなたに会うのは、怖かった」
どう言おうか迷うように、小さく言葉を切ってルシアンは言う。
「他の、……αと。もし気持ちが通じていたら、と。……そうやって疑う気持ちがある状態で、あなたに会ったら、……酷いことをしそうで」
許しを請うように、強く抱きしめられる。
「……すみません」
謝るのは、俺のほうだ、と思った。そんな風に疑わせたのは、きっと、俺のせいだと。
「俺のほうこそ。ごめん……そんな気持ちにさせて」
あのさ、と言葉をつなぐ。
「俺もさ……不安だった。もし他のαに惹かれたらって。でもさ、全然、違うんだ。お前だけだよ、こんな風になるの」
そう言って、ルシアンの手を取って、心臓の上に触れさせる。ドキドキと早い鼓動が、伝わるように。
「会えなくて寂しいのも、香りだけで安心するのも、……欲しくなるのも。全部お前だけ。……信じられないかもしれないけど、さ。本当に、ぜんぜん違うんだ」
俺が自分自身を信じられなかったくらいだ。ルシアンが疑うのは、不安になるのは、当然で。
言葉で伝えても、どれくらい伝わるのかなんてわからないけど。
それでも、伝えなきゃいけなくて。
「信じてくれる……?」
いうと、そっと頬に口づけされる。
「……私だけですよ、あなたの恋人は」
「うん。……好きだよ」
囁いて。キスを贈る。信じてもらえるように。
「ん……、っん……、」
舌先を差し入れて、絡め合う。柔らかくて、心地よい感触。はぁ、と息を吐くと唇に噛みつかれて。主導権を取り返すように口づけが深くなって。
「抱いて、」
願うように囁くと「……好きなだけ、抱かせてくれますか」と赦しを得るように問われる。
「いいよ……気が済むまで、……して」
その甘やかな誘惑を、断れるわけがなかった。
「キツくなったら、……止めてください」
言いながら、寝間着を剥がれて、肌を露わにされる。余裕のない手つきは性急で。けれど期待に熟れた身体は何をされても快感でしかなくて。
指先で触れられるのも、舌先でくすぐられるのも。
ぜんぶ、気持ち良くて。
「あっ……っ!」
胸の尖に噛みつかれると、びくん、と身体が跳ねる。わずかな痛みと、激しい快感に、身体の奥がぎゅっと締まる。
「ぁ、……ン!、……っは」
じん、と痺れた先を舌先で転がされながら、脚を開かれる。指先で触れられれば、後腔はもうぬめぬめと欲情に熟れきっていて。入口をなぞられるだけで恥ずかしいほどクチュクチュと音を立てた。
「こんなに濡れて……すぐにでも入りそうですね」
言われて。ぎゅっと胸の奥が潰れる。
「……入れて」
誘うと、ふ、とルシアンは目を細めて笑った。
「ええ、もちろん」
声が応えながら、指先が沈みこむ。一息に奥まで潜り込むと、中を確かめるようにぐるりとかき回されて。
「あっ……!ア、ぁ……ん!」
刺激の強い部分を一息に押し込まれて、息がとまる。
「ここが、好きですよね……こうして、追い込むと中がぎゅっと締まるの……わかりますか?」
確認するようにコリコリと指先で良いところを擦られる。気持ち良くて、快感を逃すまいと後腔が指先を締め付けて。
「やだ……」
恥ずかしさに弱く吐き出すと、慰めるようにルシアンはキスをくれる。でも、指先は止まらなくて。
優しいのか、酷いのか、その両方か。
混乱しながら、与えられる快楽に流されていく。
「ぁあっ」
びくん、と身体が跳ねて。絶頂に駆け上がる。
「いっ、ちゃう、やだ……」
やめて、としがみついても止めてくれなくて。「あっ……!」脚先まで全部を引き連れてぎゅっと身体がしなる。突きあがった快感の先へと、真っ白になって。
絶頂の余韻にハァハァと息を吐く。
「……んっ」
すぐに口づけが落ちてきて。喘ぐように舌先を絡める。息ができなくて。苦しくて。
「あ……っ!」
ぼんやりした意識の中で、脚を大きく開かれて。
ずん、と奥まで一息に犯される。
「~~~!」
達したあとの弛緩した内側を擦られるのはキツくて。でも拓かれることに慣れた身体は待ち望んだかのように悦びを汲み上げていく。
「ぁ、……やだ、……ぁあっ」
穿たれた熱がゆっくりと奥をノックする。その突き当たりがじん、と痺れたように快感を生む。
「一番奥に、入れてもらえますか」
耳元で囁かれて。
「奥……? これ以上、入らない……」
「ココに、ほんの少し狭くなった場所があって……その先があります。……いいですか?」
ここ、と切っ先が擦った場所は、確かに何か引っかかるような感じがあって。
「この、先……?」
そう、と囁きが応えると。ぐっと切っ先が押し込まれる。
「……! ふ、っぁ、あっ……!」
びぃん、と全身を引きつらせるような刺激が駆け抜けて。
「あ、っあ、やだ、……そこ、やっ」
「……最初だけ、少し、我慢して」
逃げようとした腰を掴まれて、ぐっとさらに体重がのしかかる。
「んっ、あっ……! ぁっ!」
ちゅぽん、と先が狭い奥に潜り込んだその瞬間。未到の奥を拓かれる刺激に、身体ががくがくと痙攣して。痛みに似た衝撃に、肚を打ち破かれたような錯覚がして。
怖くて。
気づくと泣きじゃくっていた。
「やだ……、やだって言ったのに、……んっ、あっ、はっ。奥、苦し……」
涙に濡れて、しゃっくりあげるたび、ぎっちりと嵌め込まれた肚の奥が揺れて。苦しくて、でもさざ波のように微かに甘い痺れが生まれていく。
「……ぁ、っあ、……こわい」
「大丈夫、……上手に飲み込めてます。もう少し馴染んだら、悦くなりますよ……」
なだめるように肚の上を撫でて、ルシアンは頬を濡らす涙を舐め取った。その動きでさえ、奥を揺らして。
「あ、待って、動かないで……っあ、……ぁん」
押し広げられて、じりじりと灼かれるような感覚。馴染む、なんて到底信じられなくて。だけど、信じたくて。
――試されてるのだと、気づく。
どこまで、許せるのか、と。
「……あと少し、」
囁かれて。ごくり、と喉が鳴る。何をされるのか、身構えて。
でも何をされても良かった。
それで、信じてもらえるなら。
「あ、……ああ、……あっ。……んっ!」
ゆっくりと、一番奥に潜り込んだ先を揺らされる。
苦しくて。なのに、じわじわと痺れたような感覚が、悦くて。
「あ、……あっ、……ぁん」
「そう、上手……」
ふいに腰が引かれて。
圧迫感が緩む。
「ぁ、」
緊張が解けて脱力した瞬間。もう一度、ぐっと押し込まれて。
「~~~っん!」
息が止まるような快感が、駆け抜ける。
「ぁ、……!」
もう一度、ぱちゅん、と打ち付けられて。
壊れる、と切迫感があって。なのに、気持ちよくて。
「あ、……ぁ、……っあ!……こわい、……ぁっ、」
怖くて、嫌だ、と思う気持ちと、引き出される強い快感に溺れるような感覚が混ざり合って、ぐちゃぐちゃになる。
「ぁ、ぁ、……きもち、い」
ゆっくりと打ち付けられると、奥にもぐりこんだ先が、ぐっと中を押し広げる。さっきまで苦しかったその圧迫感が、快感にすり替わって身体を支配する。
そのままうっとりと、混乱した感覚に身を任せると、あとはただ与えられる刺激にあえぐだけで。もう何も考えられなくなって、ただ悦くて。
「ぁっ、あ、……ぁ、んっ」
もう余裕がないのか、言葉もなくただ貪るように揺すられる。ぎゅっと体躯に脚を絡ませると、奥に打ち付けられる熱がぐっと硬度をまして。
「っあ、……!」
ばちゅん、と打ち抜かれて。そのまま、絶頂に押し上げられていく。ぎゅ、っと全身がしなって。最後の瞬間を逃すまいと奥が締まる。
「……っ。……!」
達してびくんと身体が跳ねると、中にどくんと吐き出される。
はぁはぁと荒い息が重なって。
首筋に口付けられる。
「かみたい」
うつろな響きで囁きがこぼれて。がぶり、と封環の際を噛まれた。
「……!」
まずい、と逃げるように身体を捩ると、肩先にもう一度、がぶりと歯が立てられる。
「ルシアン、やめろ!」
身体を押し返して、衝動に飲まれているルシアンを引き離す。
「大丈夫だから、……俺はお前のものだから」
なだめるように囁いて。口付ける。舌先に血の味を感じて、肩先の痛みに苦笑する。
きっと上手くうなじを噛めなかったせいで、噛みなおそうと、思いっきり噛んだんだろう。
その動物じみた衝動は、怖くはなかった。
ただ彼の、子供じみた独占欲が……愛おしくて。
だいぶ、やられているな、と内心で自嘲した。
「……すみません」
長いキスを終えると、ルシアンは力なく言った。
「いいよ、別に……したかったんだろ」
甘んじて受け入れる気持ちでいうと、ぎゅっと抱きしめられる。
「すみません……止められなかった」
悔しそうに言って。はぁ、とため息をこぼす。
「これでは、覚醒したての子供と変わらない」
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「前にもしたことがあるのか?」ときくと「……初めてに決まってるでしょう」と恥ずかしそうに言う。
「あなたのことになると、ダメなんです。自制が聞かなくなる。ねえ、……信じてくれますか」
諦めたように内実を吐露する言葉をこぼして、ルシアンはもう一度ため息をついた。
「うん、信じるよ。……俺だけ、なんだろ」
言って、その手を取って、指先に口付ける。
「嬉しい」
と素直な気持ちを言うと、「やめてください」と非難される。
「増長させないで。こんなのは、……あなたに相応しくない」
そう、真剣に言うものだから、可笑しくて。
「いいよ。別に。……好きだよ」
微笑んでいうと、困惑したように俺の目を覗き込んで。
「好きです」
と観念したようにはっきりという。
「誰にも渡したくない。ねえ、やっぱり考え直しませんか」
駄々をこねる子供のように言うので、「だめだよ」と笑う。
「もう決めたから。……ごめん」
俺の答えを受け取るように、ふぅ、と長く息を吐きだして。
ルシアンは低く古語を唱え始める。
淡い光が集まって。
彼の掌に、小さな水色の結晶が生まれる。
「とりあえずの間に合わせでしかないですが。これを、奥にいれれば、受胎は防げるはずです」
「……奥?」
「さっき……拓いた場所。あの奥にΩの子宮があります。そこを、これで塞ぐ。愚直な案ですが、すぐに実現できるものはこれしかなかった」
ルシアンが指先でつまんで見せると、その結晶はふに、と柔らかくつぶれた。
「どうやって……?」
「ご心配なく」
言うと、ルシアンは印を結んで。掌の結晶が掻き消える。
「ん……?」
「ほとんど感じないはずです。……発情期が終わったら、外しますから」
言われて、思わず腹を撫でる。どこにも違和感はない。
「ありがとう」
素直に感心して言うと、ルシアンは満更でもなさそうに微笑んだ。
「もう少し使い勝手の良いものを探します。……もし、不都合があれば教えてください」
そう言って。抱きしめられる。
「うん……ありがとう」
改めて言って、近づいた体に耳をぴたりとつける。
どくどくと脈打つ鼓動の音が聞こえて。
ああ、好きだな、と感情がこみあげて。
「ねえ、もう一回して……?」
そう言うと。
ルシアンは今度はどこまでも優しく抱いてくれた。
彼の残した噛み跡は、発情期の間ずっと消えなくて。
禰宜たちに不躾だ、と非難されたり。身を案じられたり。大笑いされたり、と散々だった。
でも。
それを、まったく悪くないな、と感じてしまったから。
自覚しているよりもずっと――自分は恋に落ちているのだと。
そう、理解した。
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