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第三章
継承という名の押し付け
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「で、何のつもりです。剣精霊」
「私、元は人間でしたから。剣となった時思ったのです。使い手は私と同じが良いと」
想念は、満足したのか直ぐに回収できたのですが。
残った剣精霊が、妙な刺突剣を押し付けてくるので困っております。
「いりません。魔法で間に合っております」
「魔王を倒すなら、魔法以外の攻め手が必要ですよ? 聖剣でしか倒せない意味を知らないわけじゃないでしょう?」
「そのための準備はしておりますが」
そのための、使い魔ですからね。
「いいえ、その子だけじゃダメです。私の力必要になりますよ?」
「……ほう?」
「ええ、よく見てくださいな」
確かに、あると便利ですね。
武装としては、魅力的です。
「それに、私、想念と相性がいいですよ?」
「……いいでしょう。貰ってあげます」
魔王を倒すのは確定事項ですからね。
万全を期しましょう。
「2度も助けられたこと感謝するわ」
「もののついでです。人間のメス」
「主様、可哀想なので切らずに聞いてあげてくださいましな」
面倒ですね。
「あなたにとって、路傍の石にも満たない関心事でしょうけれど、私はそれで2回助かったわ。命を助けて貰ったのなら、命をかけて助けとなる。これが私の信条なの。だから、強くなって助けになるわ。待っててちょうだい」
「気長に待ってあげましょう。剣姫」
間に合うかは知りませんが。
それに、そこな剣精霊の力は少しばかり与えられているようですからね。
期待は出来るでしょう。
「さて、収穫も充分ですし戻りましょうか」
「主様、不敬であることは百も承知ですが」
ハイハイ、気に入ったのですね。
いいですよ、あれは私も気に入っています。
*********************
「やっべ、何こいつ強過ぎね?」
「状況把握、修繕完了。排除続行」
なんなんだろうな、生物みたいな気配はあれどゴーレムみたいな無機質さも持つこれは?
なにやら、門番させられてる後輩から救援要請が出たから見に来てみれば、斬っても再生する気色の悪い生物もどきがいるんだからな。
まったく、さっきやり合ってなけりゃ苦戦なんざしねぇんだがよ。
細切れにでもしてみるか?
「まっ、やってみてから考えるか」
「馬鹿ですか、下がってなさい。人間には防ぎようのない毒が炸裂しますよ」
うお、びっくりした。
てっきり転移で帰るもんだと思ってたんだがな。
「なんでまた、こっちに来たんだ?」
「レオナが隊長さんを気に入った様子なので、死なせるのももったいないかと思いまして」
さっきのレイスのお姫様ね。
気に入られたってのは嬉しいが、返せるもんがねぇなー。
「人間にしてはその疲労度合いの割に、とても頑張りましたね。ヨシヨシ」
えっちょ、なんで撫でる。
「人間は撫でられると喜ぶと聞いております」
「いや待て、合ってるがリジェがやるんじゃない。お前さんクラスの美女にやられると宜しくない気分になる」
うわぁ、すげぇ目で見てくるじゃん。
忠告したんだから許せよ。
「人間のオス、次そんな目で見たら抉るかちぎります」
「まて、ちょっと待て、無警戒にやる方も悪い、つうか手は出さねぇよ。未成熟な女に手を出すほど馬鹿じゃねぇよ」
これは、あれだな?
何度かやらかしてるな?
「……分かりました、気をつけましょう」
おう、気をつけてくれ。
でもな、片手間で俺が苦戦した相手を消し炭にするのは怖すぎるんだよ。
しかもノールックってなんだよ。
ずっと、俺と喋ってたのに、消し炭にしてんだぞ?
決闘形式だったから加減してくれてたんだなってよく分かった。
うん、また手合わせしてもらうのもありだな。
「まだ死にませんか、神人形は頑丈ですね」
「うげぇ、あれで死んでねぇとか気持ち悪いな」
少しずつ再生してんな。
どうやって倒すんだ、あれ。
「まぁ、もう終わりですが。よくもまぁ、人の娘に手を出してくれたものです」
「……はぁ? リジェ、結婚してんの?」
えっ、いや無理だろ。
どうやって子供産むんだよ。
「あれと婚姻などしたくありませんね。娘はいます。どういう経緯であれですね。ちなみにそこの炭ではありませんよ。あれの繋がる先に私の娘が捕らえられているようなので、少しばかり暴れてこようかと。隊長さん、レオナを貸しますので、警戒しておきなさい。嫌な予感がします。それと、こちらを飲んでおきなさい。全快します」
聞き返す間もなく、どこかへと転移して行ったな。
うん。
どっかの大陸が消えたりしないかだけが心配だ。
「主様、加減する心が残っていたら良いのですけれど」
「いや、ありゃ無理だろ」
「私、元は人間でしたから。剣となった時思ったのです。使い手は私と同じが良いと」
想念は、満足したのか直ぐに回収できたのですが。
残った剣精霊が、妙な刺突剣を押し付けてくるので困っております。
「いりません。魔法で間に合っております」
「魔王を倒すなら、魔法以外の攻め手が必要ですよ? 聖剣でしか倒せない意味を知らないわけじゃないでしょう?」
「そのための準備はしておりますが」
そのための、使い魔ですからね。
「いいえ、その子だけじゃダメです。私の力必要になりますよ?」
「……ほう?」
「ええ、よく見てくださいな」
確かに、あると便利ですね。
武装としては、魅力的です。
「それに、私、想念と相性がいいですよ?」
「……いいでしょう。貰ってあげます」
魔王を倒すのは確定事項ですからね。
万全を期しましょう。
「2度も助けられたこと感謝するわ」
「もののついでです。人間のメス」
「主様、可哀想なので切らずに聞いてあげてくださいましな」
面倒ですね。
「あなたにとって、路傍の石にも満たない関心事でしょうけれど、私はそれで2回助かったわ。命を助けて貰ったのなら、命をかけて助けとなる。これが私の信条なの。だから、強くなって助けになるわ。待っててちょうだい」
「気長に待ってあげましょう。剣姫」
間に合うかは知りませんが。
それに、そこな剣精霊の力は少しばかり与えられているようですからね。
期待は出来るでしょう。
「さて、収穫も充分ですし戻りましょうか」
「主様、不敬であることは百も承知ですが」
ハイハイ、気に入ったのですね。
いいですよ、あれは私も気に入っています。
*********************
「やっべ、何こいつ強過ぎね?」
「状況把握、修繕完了。排除続行」
なんなんだろうな、生物みたいな気配はあれどゴーレムみたいな無機質さも持つこれは?
なにやら、門番させられてる後輩から救援要請が出たから見に来てみれば、斬っても再生する気色の悪い生物もどきがいるんだからな。
まったく、さっきやり合ってなけりゃ苦戦なんざしねぇんだがよ。
細切れにでもしてみるか?
「まっ、やってみてから考えるか」
「馬鹿ですか、下がってなさい。人間には防ぎようのない毒が炸裂しますよ」
うお、びっくりした。
てっきり転移で帰るもんだと思ってたんだがな。
「なんでまた、こっちに来たんだ?」
「レオナが隊長さんを気に入った様子なので、死なせるのももったいないかと思いまして」
さっきのレイスのお姫様ね。
気に入られたってのは嬉しいが、返せるもんがねぇなー。
「人間にしてはその疲労度合いの割に、とても頑張りましたね。ヨシヨシ」
えっちょ、なんで撫でる。
「人間は撫でられると喜ぶと聞いております」
「いや待て、合ってるがリジェがやるんじゃない。お前さんクラスの美女にやられると宜しくない気分になる」
うわぁ、すげぇ目で見てくるじゃん。
忠告したんだから許せよ。
「人間のオス、次そんな目で見たら抉るかちぎります」
「まて、ちょっと待て、無警戒にやる方も悪い、つうか手は出さねぇよ。未成熟な女に手を出すほど馬鹿じゃねぇよ」
これは、あれだな?
何度かやらかしてるな?
「……分かりました、気をつけましょう」
おう、気をつけてくれ。
でもな、片手間で俺が苦戦した相手を消し炭にするのは怖すぎるんだよ。
しかもノールックってなんだよ。
ずっと、俺と喋ってたのに、消し炭にしてんだぞ?
決闘形式だったから加減してくれてたんだなってよく分かった。
うん、また手合わせしてもらうのもありだな。
「まだ死にませんか、神人形は頑丈ですね」
「うげぇ、あれで死んでねぇとか気持ち悪いな」
少しずつ再生してんな。
どうやって倒すんだ、あれ。
「まぁ、もう終わりですが。よくもまぁ、人の娘に手を出してくれたものです」
「……はぁ? リジェ、結婚してんの?」
えっ、いや無理だろ。
どうやって子供産むんだよ。
「あれと婚姻などしたくありませんね。娘はいます。どういう経緯であれですね。ちなみにそこの炭ではありませんよ。あれの繋がる先に私の娘が捕らえられているようなので、少しばかり暴れてこようかと。隊長さん、レオナを貸しますので、警戒しておきなさい。嫌な予感がします。それと、こちらを飲んでおきなさい。全快します」
聞き返す間もなく、どこかへと転移して行ったな。
うん。
どっかの大陸が消えたりしないかだけが心配だ。
「主様、加減する心が残っていたら良いのですけれど」
「いや、ありゃ無理だろ」
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