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第三章
敵前逃亡という名の生存戦略
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「ということで、私達は王都に向かいましょう」
「あれ、てっきり違う国に行くのかと思ったよ」
この国でやっておきたいことがあるので、逃げはしますが、国を出る気はありません。
「主様、こちらの方は? 先程のイリスさんも紹介されていませんわよ?」
「それは、私の姉を自称する不審者です。イリスは、あまり言いたくは無い目にあった結果の娘です。原初に名を連ねる悪魔の1人ですね」
どうしました、自称姉。
やけに、不満な顔ですが?
「イリスに関しては、複雑なものがありますが、娘であることは変わりませんからね。先程は、呼びつけるだけになってしまいましたし、少しは親として娘であることを認めてますよと、親愛を示してみたのですが、不快だったのかもしれません」
「……主様、ハイエルフの特性だとは分かっておりますが、間違っても次回会う時に、不快でしたか? などと聞いてはなりませんわ。イリスさんが不憫ですから」
そういうものなのですか?
まぁ、レオナは長い時を存在していますから、このような内容で嘘をつきはしないでしょう。
「それで、不審者さんは、お名前はなんとおっしゃるのかしら?」
「ルミナですよ、空気を浄化させ、癒しを与えるという魔法の開発者です。生涯をかければ、語り継がれるだけの魔法を身につけることでしょう」
その点においては、尊敬しております。
ええ、その点においては。
「お姉ちゃん、名前覚えて貰えてて嬉しい」
「呼ぶことはありませんが、自称姉」
抱きつかないでください、鬱陶しい。
「あびゃあああ」
「そこは、わたくしの席です。おどきなさい、不審者」
ファントムペインでしたね。
痛みだけを与える闇魔法。
私も使えますけど、痺れるような痛みなどの種類分けはできませんね。
私ができるのは、刺されたかのような激痛だけですね。
「ふんす」
「レオナ、自称姉をひっぺがしてくれるのはいいですが、ゾワッとするので、ひんやりと抱きつかないでください」
レイス特有の能力ですから、致し方ない部分もあるでしょうが、多少は加減できるはずなのです。
「あの、レオナ? 寒いです。吸いすぎですよ、聞いてます? レオナ?」
「主様、王都へは急いだ方が良さそうです。近いですわ」
なるほど、戦闘になった場合の備えですか、であれば仕方ありませんね。
「幻惑を最大限で掛けますので、走り抜けますよ」
その前に、宿屋には迷惑料を払っておきましょう。
急に出ていくことになりますからね。
「厄介事を抱えたので、出ますね」
「……随分な厄介事のようで、詮索はしません、お気をつけて、またのご利用を」
また厄介事を持って利用しにきますね。
「さて、無事に脱出したわけですが」
「お姉ちゃんには、強引にぶち抜いてきたように見えたよ」
幻惑の力押しは多用しないようにしていたので、仕方ありません。
何人か頭がぱぁになったかもしれませんが、気にしてはいけません。
「拠点をどうするかですが、家を借りるのと、宿屋を連泊するのどちらがいいですか?」
「家を借りる方が、私としては動きやすいです」
「お姉ちゃんはどっちでもいいよ?」
「家の方が助かりますわね。宿屋だと、アンデッドであるわたくしは、縁起が悪いと嫌がられますもの」
では、商業ギルドですね。
「あれ、てっきり違う国に行くのかと思ったよ」
この国でやっておきたいことがあるので、逃げはしますが、国を出る気はありません。
「主様、こちらの方は? 先程のイリスさんも紹介されていませんわよ?」
「それは、私の姉を自称する不審者です。イリスは、あまり言いたくは無い目にあった結果の娘です。原初に名を連ねる悪魔の1人ですね」
どうしました、自称姉。
やけに、不満な顔ですが?
「イリスに関しては、複雑なものがありますが、娘であることは変わりませんからね。先程は、呼びつけるだけになってしまいましたし、少しは親として娘であることを認めてますよと、親愛を示してみたのですが、不快だったのかもしれません」
「……主様、ハイエルフの特性だとは分かっておりますが、間違っても次回会う時に、不快でしたか? などと聞いてはなりませんわ。イリスさんが不憫ですから」
そういうものなのですか?
まぁ、レオナは長い時を存在していますから、このような内容で嘘をつきはしないでしょう。
「それで、不審者さんは、お名前はなんとおっしゃるのかしら?」
「ルミナですよ、空気を浄化させ、癒しを与えるという魔法の開発者です。生涯をかければ、語り継がれるだけの魔法を身につけることでしょう」
その点においては、尊敬しております。
ええ、その点においては。
「お姉ちゃん、名前覚えて貰えてて嬉しい」
「呼ぶことはありませんが、自称姉」
抱きつかないでください、鬱陶しい。
「あびゃあああ」
「そこは、わたくしの席です。おどきなさい、不審者」
ファントムペインでしたね。
痛みだけを与える闇魔法。
私も使えますけど、痺れるような痛みなどの種類分けはできませんね。
私ができるのは、刺されたかのような激痛だけですね。
「ふんす」
「レオナ、自称姉をひっぺがしてくれるのはいいですが、ゾワッとするので、ひんやりと抱きつかないでください」
レイス特有の能力ですから、致し方ない部分もあるでしょうが、多少は加減できるはずなのです。
「あの、レオナ? 寒いです。吸いすぎですよ、聞いてます? レオナ?」
「主様、王都へは急いだ方が良さそうです。近いですわ」
なるほど、戦闘になった場合の備えですか、であれば仕方ありませんね。
「幻惑を最大限で掛けますので、走り抜けますよ」
その前に、宿屋には迷惑料を払っておきましょう。
急に出ていくことになりますからね。
「厄介事を抱えたので、出ますね」
「……随分な厄介事のようで、詮索はしません、お気をつけて、またのご利用を」
また厄介事を持って利用しにきますね。
「さて、無事に脱出したわけですが」
「お姉ちゃんには、強引にぶち抜いてきたように見えたよ」
幻惑の力押しは多用しないようにしていたので、仕方ありません。
何人か頭がぱぁになったかもしれませんが、気にしてはいけません。
「拠点をどうするかですが、家を借りるのと、宿屋を連泊するのどちらがいいですか?」
「家を借りる方が、私としては動きやすいです」
「お姉ちゃんはどっちでもいいよ?」
「家の方が助かりますわね。宿屋だと、アンデッドであるわたくしは、縁起が悪いと嫌がられますもの」
では、商業ギルドですね。
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