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第三章

使い魔登録という名の厄介事

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「えっと、グレーターレイスを使い魔として登録ですか?」
「何か問題でもありますか? ランクはあくまで指針であり、既に契約済みである場合は問題ないと聞いておりますが」
もちろん、色々と難癖をつけて妨害してくるのも知っておりますが。

「申し訳ございませんが、そのグレーターレイスは、討伐指定されていますので、こちらでは、権限がないため不可能です」
「……エロフ、何したんです?」
「その呼び方は、やめてくださる? ハイエロフ? とそれはさておき、レイスになってからは何もしておりませんわ。こうやって、ちゃんと顕現するのも数百年ぶりでしてよ?」
となると、グレーターレイスという存在に討伐指定があると見るべきですか。

「分かりました。登録は諦めます」
「ご理解頂き、感謝致します」
感謝は必要ないですね。

「金輪際、このギルドを利用することはありませんので、感謝はお返しします」





「良かったんですの?」
「グレーターレイスだからという理由で、一律討伐指定だのと言われれば仕方ありません」
何かしら裏がありますからね。

「それより、ルリに手を出したら滅殺しますからね」
「大丈夫ですわ。わたくし、主様以外に興味が湧きませんの」
ホントでしょうね? 
とりあえず、紹介はしないといけませんので1度戻りますけれど。

「ということで、グレーターレイスのエロフじゃなかった」
「長いので、私のことはレオナとお呼びくださいな」
定番の掛け合いにならないだけでなく、普通に応対だなんて、さては偽物ですね。

「痛い、痛いです。横暴ですよ、レオナ。日頃の行いが原因ですからね。痛い、痛い」
「仲は良好のようですね。レオナ様、ウルリカと申します。お見知り置きを」
何事も無かったかのように、紹介を続けるルリは、仕事熱心ですね。

「生前、侍女に手当り次第手を出して処刑が決まるほどの色ボケ霊ですので、敬う必要は無いですよ」
「今は、主様以外に欲情することはありませんから、ウルリカや、他にも女性がいるのでしたら安心してくれていいですわよ? それに、戯れる程度ならまだしも、本格的な事はもうしないと誓いましてよ?」
やっぱり偽物と入れ替わっておりませんか?

「リジェ先輩、報告はそれだけではないのでしょう? お聞かせ願いますか?」
「……確証はありませんが、アンデッド関連で魔族が行動しています。お留守番は継続して欲しいところなんですが、情報収集を手伝ってくれませんか? 護衛には、レオナとイリスをつけます」
2人とも気配遮断は得意ですからね。

「リジェ先輩は何を?」
「囮ですね、視線を集めるようにしておきます。魔力炉としても、何かしらの母体にしろ、人間より使い勝手が良いでしょうから」
問題は、今の私で勝てるかどうかですね。
魔族は個体差が激しいとは言え、その戦闘力は異常ですからね。
魔法に関しても、種族適正をねじ伏せるだけの力を持ちますし、油断などしていなくても指先ひとつで消し飛ばされるなども有り得ます。

「リジェ先輩、絶対に1人にならないでください。リジェ先輩が勝てるか断言できないということは、私に護衛を付けても無駄です」
「わたくしも、同意するわ。主様が勝てない相手から守り抜くのは、不可能ですわ」
その通りでしょうが、私が死ぬのはどうでもいいので、ルリの生存確率が高い方が良いのですけれど。

「イリス、魔族からルリを守りなさい。対価はいくらでも払いま」
「だめ、お母様が払える対価を持ってしても、魔族から完全に守れると断言できないからその願いは聞けない」
やはり、魔族という存在は異常ですね。
原初に名を連ねる悪魔にそこまで言わせるとは……

「ねぇねぇ、お姉ちゃんも話に加わっていい?」
「何か妙案でも?」
こういう時に、無理に話に加わろうとするのは珍しいですね。

「リジェが珍しく、面倒事に積極的で驚いてるんだけど、逃げちゃえば良くない? そうすれば、私達は大丈夫でしょ?」
「……盲点でしたね。狙われてるからと無理にねじ伏せる必要はありませんね」
となると、イリスには悪いことをしてしまいましたね。

「イリス、ちょっと屈んでください」
「ん? こんな感じでいい?」
程よい高さです。
額にキスしてあげます。
親子や身内にする親愛の示し方と聞いております。

「へっ? あ、え、ひゃあああ!」
「あら? イリス? どうしました」
顔を真っ赤にして戻っていきましたね。
気に障ったのでしょうか?
まぁ、次会う時に聞いておきましょう。
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