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第二章
堕ちる聖剣
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魔王を倒し、人々に称賛された。
それは、私が選んだ、最愛の人が最も輝いていた時間。
勇者と呼ばれ、世界を救った英雄として、輝いていた。
その後、彼は、私を捨てて、どこかの国の姫と幸せそうに生きて、死んだ。
私の心に小さな傷が出来た。
私はまた、愛する人ができた。
それは、途中で力尽きて死んだ。
私の心にまた、小さな傷が出来た。
私は懲りずに、愛する人ができた。
それは私を投げ捨てた。
私の心は、更なる傷に痛みを覚えた。
私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、
私は、何度も愛し、何度も捨てられた。
そんなある時に気づいた。
待つのではなく、行動しなくては……
「んー、君の気持ちも分かるけどね、所詮、君は剣なんだよ。人と剣が愛し合って結婚なんてことは、ないんだよ。君が取るべき手段は、神格化まで目指す。これしかなかったかなー。」
せめて、消えるその瞬間まで、愛した人と結ばれた夢でも見てなよ。
そして、溺れて、死ね。
悪魔如きに遅れなど取りませんよ。
驚愕するそれを、切り刻み、私は、私は?
なんで、私は、私は、私は、何を……
「だから、溺れて死になさい。君はね、聖剣に有るまじき欲望まみれの堕ちた精霊なの。だから、良い夢を見せてあげる代わり、ここで、死ね」
ああ、愛しき人。
やっと私を見てくれた。
やっと、私を求めてくれた。
私は、やっと、幸せだ。
それは、私が選んだ、最愛の人が最も輝いていた時間。
勇者と呼ばれ、世界を救った英雄として、輝いていた。
その後、彼は、私を捨てて、どこかの国の姫と幸せそうに生きて、死んだ。
私の心に小さな傷が出来た。
私はまた、愛する人ができた。
それは、途中で力尽きて死んだ。
私の心にまた、小さな傷が出来た。
私は懲りずに、愛する人ができた。
それは私を投げ捨てた。
私の心は、更なる傷に痛みを覚えた。
私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、私は、
私は、何度も愛し、何度も捨てられた。
そんなある時に気づいた。
待つのではなく、行動しなくては……
「んー、君の気持ちも分かるけどね、所詮、君は剣なんだよ。人と剣が愛し合って結婚なんてことは、ないんだよ。君が取るべき手段は、神格化まで目指す。これしかなかったかなー。」
せめて、消えるその瞬間まで、愛した人と結ばれた夢でも見てなよ。
そして、溺れて、死ね。
悪魔如きに遅れなど取りませんよ。
驚愕するそれを、切り刻み、私は、私は?
なんで、私は、私は、私は、何を……
「だから、溺れて死になさい。君はね、聖剣に有るまじき欲望まみれの堕ちた精霊なの。だから、良い夢を見せてあげる代わり、ここで、死ね」
ああ、愛しき人。
やっと私を見てくれた。
やっと、私を求めてくれた。
私は、やっと、幸せだ。
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