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序章

教師ランド

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ふむ、つまりはあれだ。
俺は、研究者タイプの魔族に殺されたらしい。
あー、魔族ってのは癖が強くてな、人間側が分かりやすくカテゴライズしてんだよ。
戦闘狂タイプとか、領主タイプとかな。
その内、研究者タイプってのは、文字通り研究に命かけててな。
研究テーマの追求をし始めると、手が付けられん。
どうも、俺の他に症例があるみたいだが、それはお前さんが目覚めた時にでも聞いてやってくれ。

でだ、俺は正直、人の体で生き返ろうなんざ思ってねぇ。
が、何の知識もないままハイエルフが生き返っても、つまらない流れで終わりそうだからな。
俺が教えられる全部を教えてやろうと思う。
安心しな、ただの暇つぶしだ。

ところで、名前ってあるのか?
ん? ない?
あー、確かあれだよな。
生まれて5年経ったら、名前を貰えるんだったか?
てことは、って、ん?
貰う日に死んだ?
エグイなおい。
んじゃ、俺がつけてやろう、要らなくなったら捨てるといい、リジェでどうだ?

てことで、リジェ、お前さんに教えるのは、冒険者として生きた俺流の処世術と色んな知識だ。
かなり偏るから、生き返った後にでも自分で学んでくれ。
まずは、生きるために必要だろうから、戦い方な。

まず、間違っても普通に殴り合うなよ?
負けるから。
卑怯でもなんでもいい、勝つために戦え。
ハイエルフは、幻惑の魔法に凄まじい適性を持ってるから、これを伸ばすべきだが、すまん。
俺があまり上手くない。
が、やり方ぐらいは何とかなる。
この魔法だけは、絶対にサボるな。
呼吸するぐらい普通に使えるようになってくれ。
まず、魔力というものに慣れてもらうか。
幸い、俺とリジェは魂で繋がっている。
本来なら、感覚的な部分を伝えるのは難しいが、ダイレクトに伝えられるからな、ほら、これが魔力だ。

覚えるのが早すぎて笑えるな。
幻惑はそれで、大丈夫だ。
次はそうだな、小手先の技術にはなるが、覚えといて損はないやつに行こうか、この調子なら俺の技術なんて、あっという間に覚えられるだろ。

おー、こんな簡単に伝わるんだな。
これは、全部余すことなく教えれていいな。
はっはっは、5歳でAランク冒険者と同レベルの技術を持つ、魔法の天才が爆誕だな。

後は、学問か、悪い。
無理だ。
とは言え、知ってることは教えておこう。

ん? 駆け引きのやり方?
それは、知識だけじゃダメだ。
俺の経験を追体験した程度じゃ、役に立たん。

よし、じゃあリジェができるようになったことをまとめるぞ。

幻惑の魔法、生活基礎魔法、偵察、罠解除、感知の技術。
魔物や、ちょっとした魔族の知識。
その他、毒物、薬草とかのサバイバルにも使えそうな知識と技術。
ちょっとした算術。

やべぇ、5歳児が持っちゃいけねぇ力だな。
まぁ、これで思い残すこともねぇな。

楽しく生きるといいさ。
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