好きに生きるだけですが、問題があるのですか？

序章

師匠との出会い

師匠と出会ったのは、師匠が死んでからになる。
私は、5年ほど生きて、死んだ。
種族はハイエルフ。
あまり性別という感覚がないけれど、メス？
師匠的には、その表現は人間は使わないとのこと。
動物はオスとメスで表現してるのに変。
そんな師匠は、惚れた人間のメスの為に死んだらしい。
師匠の魂は、保管されていた私の魂の欠損を補う為に、使われた。
どうも、研究者タイプの魔族というのは、自分の実験が最優先らしく、私の死体を魂と一緒に保管しておき、別の魂と混ぜた時、どちらの意識が残るのか、はたまた、想像もつかないような変質を遂げるのか、それを見たかったらしい。
結果は、何個か実証したものと一緒。
唯一違うのは、師匠は自分が消えることを選んだということ。

魔族が行った実験例は、全部で4つ。
1つ、竜人のメスに人間のメスの魂を補填。
こちらは、人間のメスが意識を乗っ取ったそう。
何やら、成し遂げねばならない事が合ったとかなんとか。

1つ、幻霊族とかいう、肉体が儚い種族のメスと人間のオス。
これも、人間のオスが意識を乗っ取った。
こいつにも何か成すべきことがあったらしい。

1つ、人間のメスに獣人のメス。
これは、獣人のメス。

この3つまでで、法則として、補填された魂が意識を奪うことが分かった。
魔族が選ぶ魂が、何かしら使命を持っていた事から、今回もそんな魂を選ぶつもりが、師匠が妨害したので、特殊例として私に試した。

結果はさっきも言った通り、師匠は私に譲ってくれた。

師匠は、私にたくさんのことを教えてくれた。
師匠の知りうる限りの知識と生きていくための力を。
そして、私は、捕まりました。
貴族とかいう人間の一部が呼ばれてる存在。
師匠に気をつけろと言われてたんですけど、誰がそれかなんて私に区別つくわけないんですよ。
師匠以外の人間に興味無いですし。

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師匠からの補足。

ハイエルフ、エルフと呼ばれる種族の原種と言われることもある種族で、精霊に近い性質を持ち、肉体にあまり関心がなく、性別という括りを気にしていないが、雌雄の違いは明確。
種族共通の特徴として、筋力が伸びない。
代わりに、魔法への適性がとても高く、他の追随を許さない。
エルフはハイエルフと違い、筋力もちゃんと鍛えることが出来る。
どちらも長寿な種族のため、人間よりも遥かに強い。
ただ、ハイエルフは精霊に近いため、興味を持った存在や、愛した存在でもない限り、何をされようとも些細な事と気にとめないため、簡単に捕まえれたりする。
人間にはない、美しさを持つため、様々な目的で捕らえられてしまっている。
なんせ、何をしても気にとめないので、死ににくい事も相まって、性奴隷としての利用があまりに多かった。
今では、さすがにそれは禁止されているが、実態は──
とまぁ、そんなところだ。

竜人。
竜と人間の性質を持つ種族だ。
総じて、戦闘能力が高い。
腕がちぎれたぐらいなら、すぐに再生するし、魔力も莫大な量があるため、魔力切れなんて状態なることは、まずない。
普段は、普通の人間の姿をしており、戦闘時に、竜の特徴を出す。
多いのは、鱗だな。
翼出したり、しっぽを出したりするのは、滅多にない。
と言うのも、本気になればなるほど竜に近づくため、その状態は、かなり手が付けられない。
なんせ、竜人同士ですら、そこまでの戦闘になることが少ないからな。
こちらも長寿な種族だ。

幻霊族。
ゴーストなどの魔物と似ており、肉体を持っていない。
実体化という能力を持っており、他種族と交わる場合は、この実体化を使うのだが、かなりの力を消耗するようで、短期間でのみ可能という、なかなかにシビアである。
幻霊族同士であれば、そもそも子作りというもののやり方が全く違うので、他種族との間に愛が芽生えると大変な種族ということである。
そもそも、どうやって幻霊族を保管していたのか疑問である。