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第二幕
それぞれの懸念事項
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「魔王ですか? 確か吸血鬼でしたよね」
「ああ、従属のスキルの使い方を勇者に説明なんてことをするとしたら、あいつに違いない」
誰かの入れ知恵はあっただろうとは思っていたけれど、現魔王様とは驚きである。
確かに、思考誘導にいざとなった時の拘束力を発揮する魔道具が装着されていたはずなのだ。
勇者1人で、あの状況を作れるとは思えない。
魔王ともなれば、あの程度の魔道具なら破壊できるだろう。
「となると、あの城には魔王がいると」
「いや、それはないね。あいつはそんな面倒な事をしない。あいつが城を構えるなら、こんな目立つ場所じゃない」
となると、ここを私の森にしてしまえば解決だろう。
「黒姉さんは、現魔王様がどんな相手なのか詳しそうですね」
「魔王様ねぇ? アイナ、あんたも魔王なんだから様付けはしなくていいと思うよ」
私も魔王だけど、継承者の場合は格が下ですからねー。
「クズだと判断したら、敬称なんてつけませんけどね」
城を中心に城壁の内側に魔力を浸透させる。
擬似的な森を作り上げると言えばいいだろうか。
性質が精霊に近い私の場合、自分の領域の中にいる方が強い。
私の属性は、森。その中でも生命に属するものである。
つまり、森の中において、私の属性は最も強く出ることになる。
まぁ、生き物がいっぱいいれば、充分強く出れるから、余程のことがない限り力を抑えられるような状況にならない。
「心地よい空間だね」
「属性が似てますしね」
私が森で、黒姉さんが樹。
ほんと、相性はすごくいい。
アディがどうするか次第です。
「蹂躙しましょうか」
「手早く済ませるよ」
魔力を調和させて発動する魔法。
合成魔法の1種。
「サイレント」
それは静かに、侵食する魔法。
ただ静かに、命を魔力へと変換する。
本来は、私の魔力に変わるのだけど。
この城にいる生命の魔力は一気に吸い取れない。
だから、注げる相手に丸投げする。
私と魔力で繋がってる黒姉さんに譲渡するというプロセスだ。
つまり、黒姉さんは神樹へと繋げてくれてるだけ。
魔法自体は、生命魔法の1つでしかない。
まぁ、役割分担で発動させるという意味で、合成魔法となる。
ただ、暴力的に変換はしない、ゆっくりと魔力が浸透して分解する。
これにより、攻撃に気づきずらく、気づいたらもう遅かったという状況に持ち込める。
卑怯極まりない。
「音が無くなるからサイレントなのかい?」
「音を発するものがいなくなるからサイレントです」
そんな無駄話をしながらリリアナ様の所に向かう。
「ほう、これはまた面白い客人だ。久しいな神樹の姫よ」
「ちょっ、黒姉さん。普通にいるじゃないですか! しかも生気を調整されてて気づかないやつですよこれ!」
普通に探知したんじゃ、生命体と気づかないレベルである。
「あんたが、こんな所にいるとは予想外だね」
「横にいるのは、フェリから継いだ魔王か。ふむ、少し戯れるか」
言うが早いか、真後ろに突然現れて私を紅い剣で貫く。
「むっ? この俺が外した?」
「蝕の魔眼」
振り向いて視界に入れる。
「面白い、だがそれでは足りん」
「いいえ、これで充分ですよ」
もうここは、私の領域。
この空間全てが私の目だ。
ちょっと黒姉さんを巻き込むけど。
「ぬっ、待て待て、落ち着くのだ。軽い戯れで殺されては叶わん」
あっさり、戦意を捨てる現魔王にさすがに、魔眼を止める。
「何が狙いです」
「弱者が調子に乗って、世界を騒がせないような世の中にすると言えば、乗るか?」
もしかして、勇者に今回のことを唆した理由は……
「リリアナ様が巻き込まれましたので1発殴ります。首が飛ぶので覚悟してくださいね」
「甘んじて受け、ごふぉぁ」
ちっ、耐えたか。
「で、勇者の危険性を示しつつ、魔王に挑むということが、どれほど無謀なのか教えてやろうとしたのはわかりましたが、なんでこの城にいるんです?」
「うむ、聖国であるアルディスが落ち、そこに魔王が居座る。これほど、分かりやすい敵はおるまい?」
つまり、自分の存在を分かりやすく世界に示し、勇者の動向を分かりやすくしようとしたわけだ。
「そんな事のためにこの国を狙ったというのですか!」
リリアナ様、人間の都合で意味もなく狙われる魔王からすれば、鼻で笑われますよ。
己が蹂躙される側になることの覚悟もなかったのかと。
「ふん、これだから弱者は嫌いなのだ。挑むだけ挑む癖に、こっちが同じことをすれば非難する。まったく、お前らの覇権争いに勝手に利用される我ら魔族がいつまでも黙っていると思っているのか?」
「それは、魔族が私達の」
「敵だと言うなら、まずは歴史を知ってください。私が教えますし、見せましょう」
リリアナ様は人間側で都合のいいように改竄された歴史しか知らない。
本来の歴史を知るべきである。
「エルフ側の歴史なら疑いようがないでしょう。唯一、両方から狙われる立場ですから」
エルフの森はそれだけ利用価値が高いのである。
「愛菜様と言えど信用できません」
むしろ、私だと信用ならないの間違いじゃないかな?
「リリアナ様、悪いんですけど選択肢はほとんどないですよ? 私としては、ここからは絶対に連れ出しますので、その後の事しか聞く気がありませんし、そっちの現魔王様であれば、効果的なやり方で残忍に殺すでしょうから」
圧倒的な強さを示すためにも、挑まれなければならないのだから。
「……私は、それでもこの国の姫です」
「もうその国はなくなります。ですが、その意志を尊重しましょう。アルディスと親交のある国に連れていきます」
後は、お好きにどうぞ。
「連れてけ、それを利用してもさほど好転はせん。むしろ、取り戻しに来るぐらいの方がこちらとしても助かる」
「いずれぶつかる時がくるかもしれませんが、その時はお覚悟を」
現魔王様のやり方は否定しない。
こっちにぶつかって来なければとなるが。
「精霊姫を敵に回すほど愚かではないがな」
「お互い本気なら、どう転ぶか分からないと思いますけどね?」
実際、私は切り札のひとつを見せたけど、現魔王様は何も見せていない。
「やはり、面白いなお前は。故に1つ忠告だ」
神樹の姫と呼ばれる理由を考えろ。
現魔王様は確かにそう言った。
わざわざ、念話で。
「では、私からも1つ。フェリーシア様を出し抜いた勇者がいます。お気をつけて」
「むっ? あれは魔族の裏切りではないのか?」
そう思ってたんですけどね。
不意をつかれたとは言え、あのフェリーシア様がなんであんなにあっさり正面から刺されるんですかねー?
あの城にいた魔族にそんな戦闘力を持つやつなんていなかった。
「フェリーシア様が即死しかねない一撃を放てるやつがあの場にいたとでも?」
「ほう、なるほど。お前のようなスキル持ちの勇者がいたわけか」
誤認ではないと思う。
予想では、もっと限定的な何か。
まあ、お話はこの辺で切り上げよう。
私は神樹に直接お話をしないといけなくなったしね。
「ああ、従属のスキルの使い方を勇者に説明なんてことをするとしたら、あいつに違いない」
誰かの入れ知恵はあっただろうとは思っていたけれど、現魔王様とは驚きである。
確かに、思考誘導にいざとなった時の拘束力を発揮する魔道具が装着されていたはずなのだ。
勇者1人で、あの状況を作れるとは思えない。
魔王ともなれば、あの程度の魔道具なら破壊できるだろう。
「となると、あの城には魔王がいると」
「いや、それはないね。あいつはそんな面倒な事をしない。あいつが城を構えるなら、こんな目立つ場所じゃない」
となると、ここを私の森にしてしまえば解決だろう。
「黒姉さんは、現魔王様がどんな相手なのか詳しそうですね」
「魔王様ねぇ? アイナ、あんたも魔王なんだから様付けはしなくていいと思うよ」
私も魔王だけど、継承者の場合は格が下ですからねー。
「クズだと判断したら、敬称なんてつけませんけどね」
城を中心に城壁の内側に魔力を浸透させる。
擬似的な森を作り上げると言えばいいだろうか。
性質が精霊に近い私の場合、自分の領域の中にいる方が強い。
私の属性は、森。その中でも生命に属するものである。
つまり、森の中において、私の属性は最も強く出ることになる。
まぁ、生き物がいっぱいいれば、充分強く出れるから、余程のことがない限り力を抑えられるような状況にならない。
「心地よい空間だね」
「属性が似てますしね」
私が森で、黒姉さんが樹。
ほんと、相性はすごくいい。
アディがどうするか次第です。
「蹂躙しましょうか」
「手早く済ませるよ」
魔力を調和させて発動する魔法。
合成魔法の1種。
「サイレント」
それは静かに、侵食する魔法。
ただ静かに、命を魔力へと変換する。
本来は、私の魔力に変わるのだけど。
この城にいる生命の魔力は一気に吸い取れない。
だから、注げる相手に丸投げする。
私と魔力で繋がってる黒姉さんに譲渡するというプロセスだ。
つまり、黒姉さんは神樹へと繋げてくれてるだけ。
魔法自体は、生命魔法の1つでしかない。
まぁ、役割分担で発動させるという意味で、合成魔法となる。
ただ、暴力的に変換はしない、ゆっくりと魔力が浸透して分解する。
これにより、攻撃に気づきずらく、気づいたらもう遅かったという状況に持ち込める。
卑怯極まりない。
「音が無くなるからサイレントなのかい?」
「音を発するものがいなくなるからサイレントです」
そんな無駄話をしながらリリアナ様の所に向かう。
「ほう、これはまた面白い客人だ。久しいな神樹の姫よ」
「ちょっ、黒姉さん。普通にいるじゃないですか! しかも生気を調整されてて気づかないやつですよこれ!」
普通に探知したんじゃ、生命体と気づかないレベルである。
「あんたが、こんな所にいるとは予想外だね」
「横にいるのは、フェリから継いだ魔王か。ふむ、少し戯れるか」
言うが早いか、真後ろに突然現れて私を紅い剣で貫く。
「むっ? この俺が外した?」
「蝕の魔眼」
振り向いて視界に入れる。
「面白い、だがそれでは足りん」
「いいえ、これで充分ですよ」
もうここは、私の領域。
この空間全てが私の目だ。
ちょっと黒姉さんを巻き込むけど。
「ぬっ、待て待て、落ち着くのだ。軽い戯れで殺されては叶わん」
あっさり、戦意を捨てる現魔王にさすがに、魔眼を止める。
「何が狙いです」
「弱者が調子に乗って、世界を騒がせないような世の中にすると言えば、乗るか?」
もしかして、勇者に今回のことを唆した理由は……
「リリアナ様が巻き込まれましたので1発殴ります。首が飛ぶので覚悟してくださいね」
「甘んじて受け、ごふぉぁ」
ちっ、耐えたか。
「で、勇者の危険性を示しつつ、魔王に挑むということが、どれほど無謀なのか教えてやろうとしたのはわかりましたが、なんでこの城にいるんです?」
「うむ、聖国であるアルディスが落ち、そこに魔王が居座る。これほど、分かりやすい敵はおるまい?」
つまり、自分の存在を分かりやすく世界に示し、勇者の動向を分かりやすくしようとしたわけだ。
「そんな事のためにこの国を狙ったというのですか!」
リリアナ様、人間の都合で意味もなく狙われる魔王からすれば、鼻で笑われますよ。
己が蹂躙される側になることの覚悟もなかったのかと。
「ふん、これだから弱者は嫌いなのだ。挑むだけ挑む癖に、こっちが同じことをすれば非難する。まったく、お前らの覇権争いに勝手に利用される我ら魔族がいつまでも黙っていると思っているのか?」
「それは、魔族が私達の」
「敵だと言うなら、まずは歴史を知ってください。私が教えますし、見せましょう」
リリアナ様は人間側で都合のいいように改竄された歴史しか知らない。
本来の歴史を知るべきである。
「エルフ側の歴史なら疑いようがないでしょう。唯一、両方から狙われる立場ですから」
エルフの森はそれだけ利用価値が高いのである。
「愛菜様と言えど信用できません」
むしろ、私だと信用ならないの間違いじゃないかな?
「リリアナ様、悪いんですけど選択肢はほとんどないですよ? 私としては、ここからは絶対に連れ出しますので、その後の事しか聞く気がありませんし、そっちの現魔王様であれば、効果的なやり方で残忍に殺すでしょうから」
圧倒的な強さを示すためにも、挑まれなければならないのだから。
「……私は、それでもこの国の姫です」
「もうその国はなくなります。ですが、その意志を尊重しましょう。アルディスと親交のある国に連れていきます」
後は、お好きにどうぞ。
「連れてけ、それを利用してもさほど好転はせん。むしろ、取り戻しに来るぐらいの方がこちらとしても助かる」
「いずれぶつかる時がくるかもしれませんが、その時はお覚悟を」
現魔王様のやり方は否定しない。
こっちにぶつかって来なければとなるが。
「精霊姫を敵に回すほど愚かではないがな」
「お互い本気なら、どう転ぶか分からないと思いますけどね?」
実際、私は切り札のひとつを見せたけど、現魔王様は何も見せていない。
「やはり、面白いなお前は。故に1つ忠告だ」
神樹の姫と呼ばれる理由を考えろ。
現魔王様は確かにそう言った。
わざわざ、念話で。
「では、私からも1つ。フェリーシア様を出し抜いた勇者がいます。お気をつけて」
「むっ? あれは魔族の裏切りではないのか?」
そう思ってたんですけどね。
不意をつかれたとは言え、あのフェリーシア様がなんであんなにあっさり正面から刺されるんですかねー?
あの城にいた魔族にそんな戦闘力を持つやつなんていなかった。
「フェリーシア様が即死しかねない一撃を放てるやつがあの場にいたとでも?」
「ほう、なるほど。お前のようなスキル持ちの勇者がいたわけか」
誤認ではないと思う。
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