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【初級者 編】
閑話「二年前の出来事」空音の森 編
しおりを挟む「ね、ねえ、ターくぅん。この森の噂って知ってるぅ?」
「ん? あー 居もしないのに子供の笑い声とか? 何処からともなく、人を殴りつけたような生々しい音が聞こえてくるとか……だろ?」
「それそれ、それよー。アタシそういうのニガテなのよね。空音の森かぁ。こわいなぁ……」
「ふふふ。何が出て来ようと、俺が絶対護ってやるぜェ……マイハニーエンジェルマドモワゼル」
「ウフフ。なら、護ってもらっちゃおっかなー……?」
「勿の論さ、マイハニーエンジェルマドモワゼル。なんなら……一生護ってやってもいいんだZE?」ニヤリ
「ェ……ターくん。それって」ポッ
「俺さー。マイハニーエンジェルマドモワゼルとのことを、真剣に考えてみたんだ。もし、マイハニーエンジェルマドモワゼルが毎朝、俺の朝食を作ってくれたら……てな」フッ
「――――ッ!」
「ど、どうしたんだ? 急に泣いたりして」
「だ、だってぇ。アタシ嬉しいんだもん。ウゥ……ごべ、んでぇー」
「そんな、泣くほど嬉しいのか? ……ってことは、プロポーズの返事はOKでいいんだな?」
「う、うん……幸せにしてネ」
「ほら、可愛い顔が台無しだろ? このハンカチで涙を拭くがいいさ。一生幸せにすっぜ。マイハニーエンジェルマドモ――」
――ドゴッ! ドスッ! ボコッ! ガスッ! ――――ッ!
「「――ッ!!?」」
「な、なんだこの音は!?」
「で、出たあっ! ターくん、これって噂の生々しい音だよぉ! こわーい護ってぇ!」
――ズゴッ! バキッ! メリッ! ベコッ! ――――ッ!
「コワッ! ひ、ひぃいいいっ! ヤバイやばいヤバイやばいヤバイィイ!!」
「え? ターくん? 護ってくれるん……、じゃ?」
――ドドドド駑駑駑ドド怒怒怒……
「あ、テメェ! ドチクショ、タケシ! オレ置いて逃げんじゃねーよ! ハゲッ!」
――ドドドド怒怒怒怒怒怒怒怒ッ!
「なっ!? いきなり口調が変貌してないか? マイハニーエンジェルマドモワゼルッ!? ちょ、脚はやっ!」
「タケシぃい! このオレを護ってくれるんじゃねーのかよ! マジ、テメェ、ブッコロ(ピ――)!」
「あれ? もしかして男だった、とか!?」
「ウッセェ! 男が漢を好きで何が悪いんだよ! ちゃんと結婚してもらうまでは、ゼッテェ逃がしゃしねーからな! パスポートと国籍変更の準備しとけよ!」
「へ!?」
【ギャアアアアアアアアッ!!】
(もう、この世界で出会いを求めるのは辞めよう。……そ、そうだ! リセットして、女性型アバターになればいいんだ!)
俺のアバターネームは『タケシ』
本名も『たけし』だ。
苗字は『剛◯』でも『北◯』でもない至って普通の男。
『山田』
な、普通ダロ?
俺はこの時決意したんだ。
もう、出会い厨は辞めよう、と。
EXをリセットして、新しいタケシを作り出す!
そうだな、次は女性エルフにしよう。
自分を女性アバターにすれば、女体を触りまくりだZE?
やっぱ二次元のほうがいいわ…………
……………………………………
……な、俺キモいダロ?
――ってか、マイハニーエンジェルマドモワゼル……えらい長ったらしかったな、あのネーム。
――――――
「婆ば、げんわく終わったのー?」
「ああ、やっと終わったわい。まったく、休み休みやらんと魔力が持たん……儂も歳かの? 最近、肩が凝って、肩が凝って仕方ないわい」
――ドゴッ! ドスッ! ボコッ! ガスッ! ――――ッ!
「キャハハッ! 婆ばの肩、スッゴイ音するのー! おもしろーい!」
つづ……きません。
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閑話(しがない話)……ですので、会話ばかりの構成にしてみました。スミマセン
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