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【番外編】はじまり:はじまりのひと 4
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はじまりのひと 4
~本~
シキ、クローディア、ソウとリンの4人は、
初夏のようなさわやかな風がはいってくる明るい部屋で、
お茶とスコーンやサンドウィッチを楽しんでいました。
にぎやかな笑い声が、光り輝く室内に響き渡ります。
嵐の時に出会った時は、まさかこのような風景が広がるとは
思ってもみませんでした。
ルナとロイから、不思議なコンタクティをいう役目を引き受けた
途端、物事が大きく変わりました。
当時、嵐の避難所で知り合ったソウとリンは自然と惹かれあいました。
二人は恋仲になり、この島の大きな屋敷の資産家として
住むことになりました。
子のない夫婦であり、将来的にも望めないと言われ、
ちょうど引き取り手を探していたシキの双子の女の子を
引き取ります。
『大切に育てますから』
リンとソウは、クローディアとシキの娘を自分たちの子として育てます。
もう一人の男の子は、町に住んで商売を営んでいる気の良い夫婦に預けます。
『彼らは、君たちと同じ役割を持っている』
少し、君たちとは異なるけれどねとロイがにっこり笑って、
太鼓判を押してくれました。
男の子を引き取った夫婦には、リクという男の子がいました。
お兄ちゃんになるのだと嬉しそうに笑います。
何度かやり取りをして、二人は男の子を商売を営む
夫婦に託すことにしました。
いつのまにか、ソウとリンが、資産家として、
この町にずっと住んでいたかのような雰囲気ができあがっていきました。
シキは、この館の管理をしつつ、町にでて靴屋の
従業員として働きはじめました。
愛する妻を亡くし、子供をやむなく手放した一人やもめに、
まわりにはうつります。
しばらくの間、靴屋として生計をたてて町の人たちと
親しくなってから、館を購入して移り住むことになりました。
妻の菩提を弔うといって、庭の片隅に小さなお墓をたてます。
そして、日々穏やかに生活をしながら、
心に浮かんだことを紙に書きとめていくようになりました。
なんでもない書き留めたものを、人に見せ、広めていくうちに
一冊の本となりました。
御伽噺がつづられた本は、人々の間で人気となりました。
時に、町の人が理解できないような内容が書かれていましたが、
『御伽噺だからね』
穏やかに笑って、それ以上物語に関して話すことは
ありませんでした。
不思議な物語が、まるで湯水のようにわいてくるので、
まわりのものは不思議に思いましたが、やっぱり黙って微笑むだけでした。
つづく
~本~
シキ、クローディア、ソウとリンの4人は、
初夏のようなさわやかな風がはいってくる明るい部屋で、
お茶とスコーンやサンドウィッチを楽しんでいました。
にぎやかな笑い声が、光り輝く室内に響き渡ります。
嵐の時に出会った時は、まさかこのような風景が広がるとは
思ってもみませんでした。
ルナとロイから、不思議なコンタクティをいう役目を引き受けた
途端、物事が大きく変わりました。
当時、嵐の避難所で知り合ったソウとリンは自然と惹かれあいました。
二人は恋仲になり、この島の大きな屋敷の資産家として
住むことになりました。
子のない夫婦であり、将来的にも望めないと言われ、
ちょうど引き取り手を探していたシキの双子の女の子を
引き取ります。
『大切に育てますから』
リンとソウは、クローディアとシキの娘を自分たちの子として育てます。
もう一人の男の子は、町に住んで商売を営んでいる気の良い夫婦に預けます。
『彼らは、君たちと同じ役割を持っている』
少し、君たちとは異なるけれどねとロイがにっこり笑って、
太鼓判を押してくれました。
男の子を引き取った夫婦には、リクという男の子がいました。
お兄ちゃんになるのだと嬉しそうに笑います。
何度かやり取りをして、二人は男の子を商売を営む
夫婦に託すことにしました。
いつのまにか、ソウとリンが、資産家として、
この町にずっと住んでいたかのような雰囲気ができあがっていきました。
シキは、この館の管理をしつつ、町にでて靴屋の
従業員として働きはじめました。
愛する妻を亡くし、子供をやむなく手放した一人やもめに、
まわりにはうつります。
しばらくの間、靴屋として生計をたてて町の人たちと
親しくなってから、館を購入して移り住むことになりました。
妻の菩提を弔うといって、庭の片隅に小さなお墓をたてます。
そして、日々穏やかに生活をしながら、
心に浮かんだことを紙に書きとめていくようになりました。
なんでもない書き留めたものを、人に見せ、広めていくうちに
一冊の本となりました。
御伽噺がつづられた本は、人々の間で人気となりました。
時に、町の人が理解できないような内容が書かれていましたが、
『御伽噺だからね』
穏やかに笑って、それ以上物語に関して話すことは
ありませんでした。
不思議な物語が、まるで湯水のようにわいてくるので、
まわりのものは不思議に思いましたが、やっぱり黙って微笑むだけでした。
つづく
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