本にまつわるエトセトラ

ぎっちぎちの本棚

本屋さんや図書室に行くと、本棚に置いてある本の隙間がまったくないことがあります。司書さんや本屋の店員さん間では、利用者が本を取り出しやすくするため、本を詰めすぎないようにと指導しています。大抵は隙間に若干のゆとりがあり、取り出しやすいのですが、まれに隙間がまったくない本棚に出会います。

うっかりぴったり詰まった本棚から苦労して本を取り出し後、本を戻せなくて困ることもあります。無理に入れようとすれば本が妙な形になり、カバーに皺が寄っていきます。運よく元のスペースに戻せることもありますが、下手に力を入れて本がよれてしまいそうなら、心の中でごめんなさいをしながら平積みの本の上に置くこともあります。

自分が置いたのではなく誰かが本を取り出して、平積みの本の上にぽんっと置いた本も見かけます。ただ、本棚に戻すのが面倒とか、戻すのを忘れてその場を離れてしまったならともかく、本棚に戻すことができずに置いてあることもあります。たまたま通りかかり元の場所に本を戻そうと思ったら、本棚に入らず苦戦してやっぱり元の平積みの本の上に戻すこともありました。


他にも面白そうだと思った本を取り出そうとしたら、あまりに窮屈なのでうっかり背表紙が破れそうになり手に取るのを諦めることもあります。ぴりっとカバーの破れる音が聞こえるような気がして、本当に破れたわけではありませんがひやっとします。心臓にも悪いですね。ドキドキしながら態勢を立て直し、何度か挑戦して無理そうなら、すごすごと本棚の前から退散します。


ただ、ぴったりと本のつまった本棚はキレイに見えるんですよね。整然と並ぶ本の背表紙を見て歩くのも楽しいです。たくさんの作家さん、面白い本、まだ手に取ったことのない本がずらりと並んでいる様子は圧巻です。本と本の間に隙間があると物足りないような気分にもなります。

ぴたりと本棚に本が並びながらも、手に取りやすいようゆとりがある。

本棚から本を取るのに苦戦した経験があると、本を取り出しやすい本棚は大変助かります。