12 / 83
ボーデン商会
しおりを挟む
「次の行き先が決まったぞ。ポタリアっていう国だ。そこに古い書物が大量に残ってるらしい。それを入手するのが今度の仕事だ」
事務所のドアを乱暴に開けて、アーストンがそう言った。そんなアーストンに向かって、小さな女の子を抱いたレリエラが怒ったような顔で言い返した。
「もう! ドアは丁寧に開けてっていつも言ってるでしょ! シェリーナがびっくりしちゃうじゃない」
シェリーナっていうのは、レリエラが抱いてる女の子の名前だった。アーストンとレリエラの子供で、今年四歳になるんだって。
レリエラはびっくりするからって怒ってるけど、当のシェリーナはぜんぜん気にしてなさそうなどころか、お父さんのアーストンに向かって嬉しそうに手を伸ばしてた。
「ごめんごめん、シェリーナ。びっくりしちゃったか?」
と言いながら、クリッとした大きな青い瞳の、レリエラそっくりのゆるくウェーブした亜麻色の髪を胸の辺りまで伸ばしたドレス姿のその子を抱き上げた。
するとシェリーナは、きゃあきゃあと笑いながらアーストンにしがみつくみたいに抱き付いた。お父さんのことが大好きなんだと思った。
その時、隣の部屋のドアが開いて、そこから口髭を生やした銀髪の男の人と、十三歳くらいの女の子が現れた。私達がいるこの事務所を拠点にした会社の社長のボーデンと、ナフィだった。ナフィは実はこの会社のスポンサーの一人で、ボーデンよりも偉い人だった。
「ポタリアか。それなら海路の方が早いし確実だな。よし、ではさっそく船の手配をしよう」
そう言ったボーデンをナフィが遮る。
「いや、今回の書物は特に古いものらしいので、潮風で痛んでは困る。時間は掛かるがここは陸路で頼みたい。それにかかる費用はこちらで負担する」
ポタリアは、ここからだと<内海(ないかい)>と呼ばれる海を挟んだ反対側だった。陸路でも行けるけどすごく遠回りになるからか、ボーデンは渋い顔をしながらも頷いた。
「陸路で移動する分の人手は痛いが、クライアントの頼みとあっては断れないな。分かった。馬車と途中の宿の手配をしよう。ルートは安全を期して公路のみとする。裏道で山賊に出くわしたら元も子もないからな。それでよろしいですか?」
「結構だ。金に糸目はつけない。安全第一で頼む」
こうして、私達の新しい仕事が動き出したのだった。
と、ここまで新展開を紹介したところで、状況を説明しておきたいと思う。
アーストンとレリエラとナフィに助けられた私はそのまま、このボーデンが社長を務める貿易会社<ボーデン商会>まで来たのだった。私のことを知る人間に見付からないように荷物の中に紛れて馬車で一週間かけて。それは別に平気だったけど、途中、アーストンとレリエラの仲の良さを何度も見せつけられて、ナフィはちょっと呆れてた。
それから五つの国を越えてようやくたどり着いたここで、私はボーデンと会ったのだった。でも最初に見た時、アーストンの言ってた<私に縁のある人>という意味が分からなかった。それはボーデンの口から説明されてようやく判明した。
「あなたを森から運び出した国の地下牢の看守は、僕の父です」
だって。
「あの時、あなたが父の間違いを正してくれたおかげで母の病は回復しました。その父も母も既に亡くなりましたが、もっと早くに失われていたかも知れない僕達家族の時間を与えてくれたあなたは、僕の恩人です」
とか言ってた。それでようやく、地下牢の看守のおじさんの息子さんなんだって分かった。なるほど縁があると言ったらそういうことになるのかな。
こうして私は、このボーデン商会の事務所に飾られてる人形としてここにいることになった。そのため、変装と言うかただの人形のふりをするということで金髪のウイッグをかぶり、昔のデザインのドレスを着て、アンティークの調度品の一部に溶け込んでた。だから、私のことを知ってる人以外は誰も私のことに気付かなかった。アンティークの人形だと思われてただけだった。
アーストンが言ってた通り、彼とレリエラもここで働くことになった。私は友達になった三人の名前を憶えることにした。長い間、人間の名前を覚えることをしてこなかったからか覚えるのに一ヶ月くらいかかっちゃったけど、覚えられるようになったら今度は他の人の名前も勝手に覚えられるようになった。ボーデンの名前を覚えたのもそれで。ここの従業員の名前はだいたい覚えた。だけどあくまでただの人形としてここにいる以上、他の人の前では一切動かないようにしてる。私が魔法の人形だって分かったらまたどこからその話がどこに伝わるか分からなかったし。
それから一年ちょっと。私もすっかりここでの暮らしに慣れていた。普通の人形として黙って座ってればいいから、森にいた頃を思い出せてた。
この事務所には十人くらいの人が働いてて、今は仕事でみんな出払ってる。そして残ってたアーストンとレリエラが今回の仕事を受け持つことになった。ボーデンが手配した馬車が届くまでに用意を済ませる。私も本の内容をチェックする役目として同行する。だから他の人がいないのが都合よかった。
私も貿易用の商品の一部という扱いで箱詰めされ荷台に乗せられた。
「いってらっしゃーい」
ナフィと一緒にお留守番になるシェリーナがそう声を掛けるのが聞こえた。もう慣れてるし、ボーデンも彼女の親みたいなものだから泣いたりしないんだって。
ポタリアに着いてからは、私は今度は逆に人間のふりをしてボーデン商会の従業員として動くことになる。それに合わせて、移動中にレリエラが私にメイクを施してくれた。元々の人相を変える為と、さらに人間に似せる為だ。
「どう? 今回もいい出来だと思うんだけど」
そう言いながら見せてくれた鏡には、一見しただけだと人形とは分からなくなった私の姿が映ってた。
「うん、いいんじゃないかな」
馬車は、公路って言われる、国が管理してる整備された道をゆっくりと進んだ。難所と言われるようなところを迂回して、安全な場所を選んで通した道だから時間はかかるけど、盗賊や山賊は出ないし安全だった。それとは逆に、厳しい場所とかを敢えて通る、裏道って言われる道もある。だけどそっちは、距離が短くて早く行ける代わりに危険な場所も多いし、国による警備もされてないから盗賊や山賊も出る。速さを売りにしてる輸送業者や貿易業者には、武装した早馬でわざと裏道を使うところもあるらしい。
だけど、今回は、ナフィの依頼もあって早さよりも確実さを選んでる。公路は安全第一だからあまりスピードを出すと警備に止められたりもする。警備に目をつけられないようにのんびりと目立たないよう片道十日間、往復で二十日かかるっていう行程だった。変に目立って私のことに気付かれても困るからね。途中の宿も、ボーデンが懇意にしてる馴染みの宿だけを使った。
そして私達は、予定通りにポタリアへと着いたのだった。
事務所のドアを乱暴に開けて、アーストンがそう言った。そんなアーストンに向かって、小さな女の子を抱いたレリエラが怒ったような顔で言い返した。
「もう! ドアは丁寧に開けてっていつも言ってるでしょ! シェリーナがびっくりしちゃうじゃない」
シェリーナっていうのは、レリエラが抱いてる女の子の名前だった。アーストンとレリエラの子供で、今年四歳になるんだって。
レリエラはびっくりするからって怒ってるけど、当のシェリーナはぜんぜん気にしてなさそうなどころか、お父さんのアーストンに向かって嬉しそうに手を伸ばしてた。
「ごめんごめん、シェリーナ。びっくりしちゃったか?」
と言いながら、クリッとした大きな青い瞳の、レリエラそっくりのゆるくウェーブした亜麻色の髪を胸の辺りまで伸ばしたドレス姿のその子を抱き上げた。
するとシェリーナは、きゃあきゃあと笑いながらアーストンにしがみつくみたいに抱き付いた。お父さんのことが大好きなんだと思った。
その時、隣の部屋のドアが開いて、そこから口髭を生やした銀髪の男の人と、十三歳くらいの女の子が現れた。私達がいるこの事務所を拠点にした会社の社長のボーデンと、ナフィだった。ナフィは実はこの会社のスポンサーの一人で、ボーデンよりも偉い人だった。
「ポタリアか。それなら海路の方が早いし確実だな。よし、ではさっそく船の手配をしよう」
そう言ったボーデンをナフィが遮る。
「いや、今回の書物は特に古いものらしいので、潮風で痛んでは困る。時間は掛かるがここは陸路で頼みたい。それにかかる費用はこちらで負担する」
ポタリアは、ここからだと<内海(ないかい)>と呼ばれる海を挟んだ反対側だった。陸路でも行けるけどすごく遠回りになるからか、ボーデンは渋い顔をしながらも頷いた。
「陸路で移動する分の人手は痛いが、クライアントの頼みとあっては断れないな。分かった。馬車と途中の宿の手配をしよう。ルートは安全を期して公路のみとする。裏道で山賊に出くわしたら元も子もないからな。それでよろしいですか?」
「結構だ。金に糸目はつけない。安全第一で頼む」
こうして、私達の新しい仕事が動き出したのだった。
と、ここまで新展開を紹介したところで、状況を説明しておきたいと思う。
アーストンとレリエラとナフィに助けられた私はそのまま、このボーデンが社長を務める貿易会社<ボーデン商会>まで来たのだった。私のことを知る人間に見付からないように荷物の中に紛れて馬車で一週間かけて。それは別に平気だったけど、途中、アーストンとレリエラの仲の良さを何度も見せつけられて、ナフィはちょっと呆れてた。
それから五つの国を越えてようやくたどり着いたここで、私はボーデンと会ったのだった。でも最初に見た時、アーストンの言ってた<私に縁のある人>という意味が分からなかった。それはボーデンの口から説明されてようやく判明した。
「あなたを森から運び出した国の地下牢の看守は、僕の父です」
だって。
「あの時、あなたが父の間違いを正してくれたおかげで母の病は回復しました。その父も母も既に亡くなりましたが、もっと早くに失われていたかも知れない僕達家族の時間を与えてくれたあなたは、僕の恩人です」
とか言ってた。それでようやく、地下牢の看守のおじさんの息子さんなんだって分かった。なるほど縁があると言ったらそういうことになるのかな。
こうして私は、このボーデン商会の事務所に飾られてる人形としてここにいることになった。そのため、変装と言うかただの人形のふりをするということで金髪のウイッグをかぶり、昔のデザインのドレスを着て、アンティークの調度品の一部に溶け込んでた。だから、私のことを知ってる人以外は誰も私のことに気付かなかった。アンティークの人形だと思われてただけだった。
アーストンが言ってた通り、彼とレリエラもここで働くことになった。私は友達になった三人の名前を憶えることにした。長い間、人間の名前を覚えることをしてこなかったからか覚えるのに一ヶ月くらいかかっちゃったけど、覚えられるようになったら今度は他の人の名前も勝手に覚えられるようになった。ボーデンの名前を覚えたのもそれで。ここの従業員の名前はだいたい覚えた。だけどあくまでただの人形としてここにいる以上、他の人の前では一切動かないようにしてる。私が魔法の人形だって分かったらまたどこからその話がどこに伝わるか分からなかったし。
それから一年ちょっと。私もすっかりここでの暮らしに慣れていた。普通の人形として黙って座ってればいいから、森にいた頃を思い出せてた。
この事務所には十人くらいの人が働いてて、今は仕事でみんな出払ってる。そして残ってたアーストンとレリエラが今回の仕事を受け持つことになった。ボーデンが手配した馬車が届くまでに用意を済ませる。私も本の内容をチェックする役目として同行する。だから他の人がいないのが都合よかった。
私も貿易用の商品の一部という扱いで箱詰めされ荷台に乗せられた。
「いってらっしゃーい」
ナフィと一緒にお留守番になるシェリーナがそう声を掛けるのが聞こえた。もう慣れてるし、ボーデンも彼女の親みたいなものだから泣いたりしないんだって。
ポタリアに着いてからは、私は今度は逆に人間のふりをしてボーデン商会の従業員として動くことになる。それに合わせて、移動中にレリエラが私にメイクを施してくれた。元々の人相を変える為と、さらに人間に似せる為だ。
「どう? 今回もいい出来だと思うんだけど」
そう言いながら見せてくれた鏡には、一見しただけだと人形とは分からなくなった私の姿が映ってた。
「うん、いいんじゃないかな」
馬車は、公路って言われる、国が管理してる整備された道をゆっくりと進んだ。難所と言われるようなところを迂回して、安全な場所を選んで通した道だから時間はかかるけど、盗賊や山賊は出ないし安全だった。それとは逆に、厳しい場所とかを敢えて通る、裏道って言われる道もある。だけどそっちは、距離が短くて早く行ける代わりに危険な場所も多いし、国による警備もされてないから盗賊や山賊も出る。速さを売りにしてる輸送業者や貿易業者には、武装した早馬でわざと裏道を使うところもあるらしい。
だけど、今回は、ナフィの依頼もあって早さよりも確実さを選んでる。公路は安全第一だからあまりスピードを出すと警備に止められたりもする。警備に目をつけられないようにのんびりと目立たないよう片道十日間、往復で二十日かかるっていう行程だった。変に目立って私のことに気付かれても困るからね。途中の宿も、ボーデンが懇意にしてる馴染みの宿だけを使った。
そして私達は、予定通りにポタリアへと着いたのだった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
司書ですが、何か?
みつまめ つぼみ
ファンタジー
16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。
ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。
天使かと思ったら魔王でした。怖すぎるので、婚約解消がんばります!
水無月あん
ファンタジー
超庶民の前世をもつ、本好き王女アデル。だれもがうらやむ、年のはなれた完璧すぎる美貌の婚約者がいるのだが、中身は腹黒魔王。怖すぎる。このまま、こいつに管理されてしまう人生だけは送りたくない。婚約解消するため、がんばります! 前世もち王女アデルのお気軽な日々(ヤンデレ付き)のお話です。
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
イラストブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
子持ち主婦がメイドイビリ好きの悪役令嬢に転生して育児スキルをフル活用したら、乙女ゲームの世界が変わりました
あさひな
ファンタジー
二児の子供がいるワーキングマザーの私。仕事、家事、育児に忙殺され、すっかりくたびれた中年女になり果てていた私は、ある日事故により異世界転生を果たす。
転生先は、前世とは縁遠い公爵令嬢「イザベル・フォン・アルノー」だったが……まさかの乙女ゲームの悪役令嬢!?
しかも乙女ゲームの内容が全く思い出せないなんて、あんまりでしょ!!
破滅フラグ(攻略対象者)から逃げるために修道院に逃げ込んだら、子供達の扱いに慣れているからと孤児達の世話役を任命されました。
そりゃあ、前世は二児の母親だったので、育児は身に染み付いてますが、まさかそれがチートになるなんて!
しかも育児知識をフル活用していたら、なんだか王太子に気に入られて婚約者に選ばれてしまいました。
攻略対象者から逃げるはずが、こんな事になるなんて……!
「貴女の心は、美しい」
「ベルは、僕だけの義妹」
「この力を、君に捧げる」
王太子や他の攻略対象者から執着されたり溺愛されながら、私は現世の運命に飲み込まれて行くーー。
※なろう(現在非公開)とカクヨムで一部掲載中
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。
あおいろ
ファンタジー
主人公ーヒルフェは、唯一の家族である祖母を失くした。
彼女の葬式の真っ只中で、蒸発した両親の借金を取り立てに来た男に連れ去られてしまい、齢五歳で奴隷と成り果てる。
それから彼は、十年も劣悪な環境で働かされた。
だが、ある日に突然、そんな地獄から解放され、一度も会った事もなかった祖父のもとに引き取られていく。
その身には、奇妙なスキル【疲れ知らず】を宿して。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる