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不死不滅の私がいれば、私だけでも中に突入しておびき出せばいいと思うかもだけど、いくら不死不滅とは言っても、力そのものはたかが知れてる。それに、万が一にも屋敷が崩れて私が埋まったりしたら、掘り出すのも一苦労だしさ。

私を掘り出すために何人も人を雇ったりしたらそれだけ正体を知る人間が増えてしまう。いくらもう王様に狙われてないと言っても、人間からすれば私が奇妙で不可思議な存在には違いないし、変に関心をもたれるのも望んでない。

だから普段は、依頼主も現場には近付けさせないようにしてる。来るにしても、少し離れたところから見守るようにしてもらってるし。スリガンは私の正体を知ってるけど、助手達に知られても面倒だし。

まあ、だいたいの依頼主は、危険を恐れて普通は近付かない。スリガンも安全なところから見てるだけだ。

たまに、『研究のためなら命も惜しくない!』とか言っちゃう研究者もいるけど、そういうのに対しては、隙を見て私が雷撃を食らわして、『だから危ないと言ったよね』ってことで安全なところまで運び出してってこともあったな。

素人が現場をうろつくのは勘弁して欲しいよ。仕事が失敗する大きな原因だ。

なんてことを考えつつ、さらに外から分かる限り遺跡の状態を確認して、私達はこの日の仕事を終えた。

ちなみに仕事の期限は一週間。その間の宿は、スリガンが一番近い集落の空き家を借り上げて提供してくれてた。

というわけで、私達はその宿に向かう。それは、畑の脇に建てられた小さな家だった。

見晴らしがいいから、決して特別大きくはないスリガンの屋敷も見える。だけど、

「どうですか? 首尾は」

なぜかしっかり、私達と一緒にテーブルについていた。本当なら自分の屋敷に戻るところだったらしいけど、私がいたからこっちに来たんだ。

でもまあ、流れ的にそういうことになりそうなのは予測もついてたしで、そんなに気にしてないアーストンが、

「正直、『簡単だ!』とは言わないが、特段、難しいわけでもないと思う。俺達ならできる」

冷静に応えた。

そんなアーストンに、スリガンは感心した様子だった。

「こう言っては何ですが、これまで雇ってきた冒険者の皆さんは、どうにも自身を過大評価していて、大言壮語が過ぎるところがあるように感じました。でも、皆さんはとても堅実で誠実で、信頼できる方々のようです。さすがはププリーヌ様が信頼してらっしゃる方々です」

いささか大袈裟だとも思うけど、たぶん、本人は大真面目なんだろうな。

ナフィが助手として使ってたくらいだしね。

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