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共犯者だな

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『尻は自分で拭くんだな』

オウにそう言われて、ハカセは、ミコナのママを、ルリアを思い出していました。

ルリアは、すごく大きな器を持った女性でしたけど、だからと言ってハカセを甘やかしてはくれなかったんです。

発明に行き詰まって落ち込むハカセを、

「無理しなくていいよ」

とは言いつつ、

「ただし、やれること全部やってダメだったら諦めるのも大事だけど、自分が何か見落としてないかちゃ~んと確認せずに投げ出すんなら、私はそれは情けないだけだと思う」

とも言って、お尻を叩いたんです。それがあったから、ハカセは、いくつもの企業に採用される発明をしてみせることができた。それがなかったら、今の暮らしはなかったかもしれない。

そしてそれは、かぷせるあにまるにも繋がるものでした。だからそのことがなかったら、かぷせるあにまるも生まれなかったでしょう。

ただ同時に、かぷせるあにまるを作れてしまったからこそ、オウ達との別れを考えないといけなくなってしまったのも事実で、それはとても皮肉なことですけど。

そこに、

「オウの言うとおりだ。お前は、本来は必要のないことでミコナを悲しませることになる。オレはそれを許さない」

フカでした。いつの間にかリビングに入ってきたフカが厳しい表情でそう言ったんです。

けれど続けて、

「まあそれは、馴れ合わなきゃよかったところを馴れ合った、オレ達にも責任のあることだけどな……」

とも言ったんです。

フカは決して、ハカセにだけ責任を押し付けるつもりはありませんでした。

するとオウも、

「それはその通りだ。俺達は皆、共犯者だな」

羽を組んで苦々しく言ったのでした。

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