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僕は、僕のためにも
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かぷせるあにまる達に会えたエティトはすごくご機嫌で、テンションが高くなってました。
すると彼女は、ハカセに向かい、
「いつ頃に完成しますか!?」
と問いかけました。だけどハカセは、その勢いに少し気圧された感じで、
「そうだね……理論上は問題ないはずだったんだけどこれだったから、今は設計のどこに問題があったのかをしらみつぶしに探ってるところなんだ。だから、『いつ』とははっきりと答えられない。一ヶ月後かもしれないし、十年後かもしれない。でもいつかは完成させたいと思うし、もしかすると僕以外の誰かが完成させるかもしれないね」
正直に答えました。それに対してもエティトは、
「じゃあ、私が死ぬまでには完成すると思って大丈夫ですね!?」
と。
「え?」
「はい?」
「なんやて?」
思いがけない発言に、みんなが呆気にとられます。だけどエティトは言うんです。
「私もいつかは死ぬんだよね? でも、魂だけになっても帰ってこられるなら、怖くないと思うんだ! でも、みんなと自由にお話とかできないのはやっぱ悲しいし、だったら、かぷせるあにまるとしてなら、こんな風に普通にお話できるんですよね!?」
って。その言葉に、ウルは、
「そうか。そうだね。エティトの言うとおりだ。ハカセもそれが残念だったから僕達かぷせるあにまるを作った。今はまだ完全じゃないけど、いつかはちゃんとしたものができるのは間違いない。ハカセがそれを実現してくれる。僕はそれを信じてる」
と応えました。そしてハカセも、
「ウルの言うとおりだよ。僕は、僕のためにもかぷせるあにまるを完全なものにする。いつか、必ずね」
声は決して大きくないですけど、はっきりとそう言ったのでした。
すると彼女は、ハカセに向かい、
「いつ頃に完成しますか!?」
と問いかけました。だけどハカセは、その勢いに少し気圧された感じで、
「そうだね……理論上は問題ないはずだったんだけどこれだったから、今は設計のどこに問題があったのかをしらみつぶしに探ってるところなんだ。だから、『いつ』とははっきりと答えられない。一ヶ月後かもしれないし、十年後かもしれない。でもいつかは完成させたいと思うし、もしかすると僕以外の誰かが完成させるかもしれないね」
正直に答えました。それに対してもエティトは、
「じゃあ、私が死ぬまでには完成すると思って大丈夫ですね!?」
と。
「え?」
「はい?」
「なんやて?」
思いがけない発言に、みんなが呆気にとられます。だけどエティトは言うんです。
「私もいつかは死ぬんだよね? でも、魂だけになっても帰ってこられるなら、怖くないと思うんだ! でも、みんなと自由にお話とかできないのはやっぱ悲しいし、だったら、かぷせるあにまるとしてなら、こんな風に普通にお話できるんですよね!?」
って。その言葉に、ウルは、
「そうか。そうだね。エティトの言うとおりだ。ハカセもそれが残念だったから僕達かぷせるあにまるを作った。今はまだ完全じゃないけど、いつかはちゃんとしたものができるのは間違いない。ハカセがそれを実現してくれる。僕はそれを信じてる」
と応えました。そしてハカセも、
「ウルの言うとおりだよ。僕は、僕のためにもかぷせるあにまるを完全なものにする。いつか、必ずね」
声は決して大きくないですけど、はっきりとそう言ったのでした。
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