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ちょっと睫毛が
しおりを挟むミコナのママとハカセの絆を改めて見せられたカリナでしたけど、不思議とショックとかはありませんでした。
それよりも、ミコナのママが本当にハカセのことを愛していたから結婚したんだなというのが分かってホッとしたというのが大きいかもしれません。
もし、ただの<打算>とかで結婚してたのだったら、その方が辛かったかも。
『幸せだったんですね……』
安心しながら、でも、だからこそ病気で亡くなってしまったことが悲しくて……
自然と、涙が……
「お、お? どないしたんでっか?」
ティーさんがカリナの涙に気付いて。
「あ、いえ、ちょっと睫毛が入っちゃったみたいで」
誤魔化そうとした彼女に、
「大丈夫……?」
ガーが、寄り添うようにして心配してくれました。
「はい、ありがとうござます。大丈夫です」
ハンカチで涙を拭いながら、応えます。
そうして気を取り直して、手を洗って、
「じゃあ、始めましょうか」
声を掛けました。
「ああ」
「そうでんな」
「うん」
ウルとティーさんとガーが応えて、餃子作りが始まります。
カリナがニラを刻み、ウルがキャベツを刻み、ティーさんがニンニクを刻み、ガーが調味料やボウルを用意してひき肉をそこに入れ、刻んだニラやキャベツやニンニクや調味料を投入。カリナがそれらを混ぜてタネを作っている間にティーさんがフライパンを用意、ガーが大皿を用意、ウルが調理卓を整理して餃子の皮を用意。
こうして、できた餃子のタネを、みんなして餃子の皮に包み、餃子の形にしていきます。
四人(?)で手分けしてやるから早い早い。みるみる餃子が出来上がっていきます。
その間、いろいろと話を。
「え、と、カリナさん、だったっけ? ミコナのママを慕ってくれてたんだって?」
「あ…え、あ、はい。そうですね。ルリアせ…さんは、みんなの憧れでしたから」
「そうなんや? しらんかった」
「ルリアさん自身は、そういうの、気にしない人でしたね。確かに」
それよりも、ミコナのママが本当にハカセのことを愛していたから結婚したんだなというのが分かってホッとしたというのが大きいかもしれません。
もし、ただの<打算>とかで結婚してたのだったら、その方が辛かったかも。
『幸せだったんですね……』
安心しながら、でも、だからこそ病気で亡くなってしまったことが悲しくて……
自然と、涙が……
「お、お? どないしたんでっか?」
ティーさんがカリナの涙に気付いて。
「あ、いえ、ちょっと睫毛が入っちゃったみたいで」
誤魔化そうとした彼女に、
「大丈夫……?」
ガーが、寄り添うようにして心配してくれました。
「はい、ありがとうござます。大丈夫です」
ハンカチで涙を拭いながら、応えます。
そうして気を取り直して、手を洗って、
「じゃあ、始めましょうか」
声を掛けました。
「ああ」
「そうでんな」
「うん」
ウルとティーさんとガーが応えて、餃子作りが始まります。
カリナがニラを刻み、ウルがキャベツを刻み、ティーさんがニンニクを刻み、ガーが調味料やボウルを用意してひき肉をそこに入れ、刻んだニラやキャベツやニンニクや調味料を投入。カリナがそれらを混ぜてタネを作っている間にティーさんがフライパンを用意、ガーが大皿を用意、ウルが調理卓を整理して餃子の皮を用意。
こうして、できた餃子のタネを、みんなして餃子の皮に包み、餃子の形にしていきます。
四人(?)で手分けしてやるから早い早い。みるみる餃子が出来上がっていきます。
その間、いろいろと話を。
「え、と、カリナさん、だったっけ? ミコナのママを慕ってくれてたんだって?」
「あ…え、あ、はい。そうですね。ルリアせ…さんは、みんなの憧れでしたから」
「そうなんや? しらんかった」
「ルリアさん自身は、そういうの、気にしない人でしたね。確かに」
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