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ミコナ

ルリアとしての感覚

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カリナがミコナを気遣ってくれるのも、ミコナがカリナに意地悪をしないからというのも大きいとは思いませんか? 意地悪で生意気で家政婦を見下してるような子供を、本心から気遣いたいと思ってくれる人はそんなに多いですか?

憧れていたルリアがハカセとの間に作った子供が、自分じゃない人を愛して作った子供が、意地悪で生意気でカリナを見下して罵ってくるような子だったら、気遣おうと思えますか? 最初の内は思えてても、ずっととなってくると続けられますか?

カリナ自身は、そんな自信はないようです。

「私も最初は、ルリア先輩の忘れ形見だっていうから力になってあげたいと思いました。だけど、実際に顔を合わせてると、先輩の面影は確かにありますけど、旦那さんにも間違いなく似てるこの子のことがだんだん嫌いになっていく自分がいたんです……なのに、ミコナちゃんはそっごくいい子で、私に優しくしてくれて、私のことを労わってくれて、それで、嫌いなのに、認められないのに、だんだん許してしまう自分もいて……

だから今は、先輩のお子さんとかそういうの関係なしで、ミコナちゃんのことを支えたいと思う自分もいるんです……」

カリナは、実はフカにはそんなことを打ち明けていました。フカはルリアの一部のはずなのに、今ではどうしてもそう思えず、あくまで<フカ>として接していました。

フカの方も、

「当たり前だろ。ミコナはルリアじゃないんだ。別の人間なんだよ。一緒にすんな……」

ぶっきらぼうにそう応えて、まったくルリアとしての意見は見せません。フカ自身、ルリアの記憶はあっても、ルリアとしての感覚はほとんどなかったのでした。

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