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ミコナ

話題になる前に

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宿題を終わらせたサンギータは、配信の用意をします。ティーさんが作ってくれたミニ防音室はとても快適で、何の気兼ねもせずに全力でシャウトできました。もちろん、多少の音漏れはありますが、階下に少しばかり響くだけで、これまでのテントに布団を被せただけの簡易防音室とは比べ物になりません。

実はこのことは、ヴァドヤにとってもとてもありがたいものでした。何か得体の知れないモノを招き入れてドタバタしていたと思ったら、これまでに比べるとすごく静かになったのです。

一応、家自体も防音仕様にはなってるものの、近所から苦情が来るのではないかと気が気じゃなかった。実際、外からも聞こえないわけでもありません。ただ、苦情を入れないといけないほどじゃなかったから、見逃されてきた感じですね。

サンギータの拙いアイデアだった簡易防音室も、ある程度は効果があったんです。それが今では、ほとんど外には音が漏れない。

階下には多少漏れてきても、テレビでも見れていればそんなに気になるようなものでもない。状況は確実に良くなっていると言えるでしょう。

これも、サンギータがティーさんと親しくなれるような子でいたおかげ。そうでなければ、あくまでミコナには近付けないようにしていただけで。ティーさんだって決して<聖人>じゃないんです。どんな相手でも手を差し伸べられるわけじゃない。サンギータがサンギータだったからこそのものなんです。

周りのことなんて何も考えないようなタイプだったら騒音だって気にせずにデスメタルを披露して近所から疎まれて、

<デスメタル女子小学生>

と話題になる前に潰されていたかもしれませんね。

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