【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

遊びのつもりでやってしまえばいい

そうして洗い物が終わった後は、キッチンの掃除をします。と言っても、週に一度、ハウスキーパーに来てもらっているので、そんなに汚れていないですけど、

『一緒に遊び感覚で掃除する』

だけですね。徹底した本格的な掃除はまだ早いです。彼女にはそれをこなせるだけの集中力が備わっていません。オムライス作りを手伝ってもらった時にガーには分かってしまいました。

なので今はとにかく楽しくそれができるというのを分かってもらえればいい。

ヴァドヤも、家事は本当に嫌々していただけなので、こうやって楽しくできるというのがすごく新鮮でした。

真面目に仕事として家事をするのもいいですが、誰に褒めてもらえるわけでもなく、昇進や昇給があるでもなく、何らかの形で報われるわけでもないとなれば、後はそれ自体を楽しんでしまうくらいしかやる気を維持する方法はないでしょう。

『家事は仕事じゃないから、昇進も昇給も報われる必要もない』

と言うのなら、真面目にやる必要なんてないじゃないですか。遊びのつもりでやってしまえばいいんですよ。仕事じゃないんですから。

ルリアもそう考えて家事をこなしていました。だから、まだ五歳にもなっていなかったミコナと＜家事ごっこ＞で遊んでいたりしたんです。

おかげでミコナにとって家事は辛いことでも嫌なことでもありませんでした。ママと一緒に遊んだ記憶があるからです。

だから楽しくできた。だけど、ヴァドヤにはそういう記憶がない。ママと一緒に家事をして、上手にできて、褒めてもらえた記憶がない。そういうものが一切ない状態で報われない仕事を続けられるほど、人間は強くありませんからね。