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ミコナ
僕達だって元々は一人の人間のはずなのに
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「すまん。ワイとガーは、今日はもうこのままサンギータはんの家に泊まることにしたわ。そういうことでよろしゅう頼んます」
夜。ティーさんからそう電話がありました。
「そうか。分かった」
電話を受けたウルはそう返しただけで了承。
『サンギータと母親を二人きりにすると危険だと判断したということだな……』
そう察します。
「ウル……」
電話を切ったウルに、ミコナが心配そうな視線を。
「大丈夫だ。ティーさんとガーがいればむしろ安心だ。ただ、あのサンギータという子の家庭はかなり難しい状態になってるのは事実だな」
包み隠さずそう応えます。
「まったくもって愚かな奴らだ。どうして自分の家庭一つ守れないのか?」
オウはやっぱり棚の上でふんぞり返って言います。けれどウルは、
「そう言ってやるな。人間というのはそんな簡単なものじゃない。僕達だって元々は一人の人間のはずなのにこんなに違うだろ? 一人の人間なのにこれだけいろんな面があるなら、そりゃ別々の人間同士だともっといろいろあるさ」
静かに諫めます。なのにオウは納得できなくて、
「ハカセとルリアのような不器用な人間でもこんなに穏やかな家庭を築けるというのに、おかしいではないか!? 奴らは努力が足りんだけだ!」
そんな風にも。するとオウは、
「やめろ。<努力>という言葉で人を殴るのは。それは傲慢というものだ。お前の言ってることは、『ルリアを助けることができなかったハカセは努力が足りなかった』と言うのと同じことだ」
と返します。しかしオウは、
「ルリアのことは、医者ですらどうにもならんかったことだ。ハカセに何ができたと言うんだ?」
ウルに食って掛かったのでした。
夜。ティーさんからそう電話がありました。
「そうか。分かった」
電話を受けたウルはそう返しただけで了承。
『サンギータと母親を二人きりにすると危険だと判断したということだな……』
そう察します。
「ウル……」
電話を切ったウルに、ミコナが心配そうな視線を。
「大丈夫だ。ティーさんとガーがいればむしろ安心だ。ただ、あのサンギータという子の家庭はかなり難しい状態になってるのは事実だな」
包み隠さずそう応えます。
「まったくもって愚かな奴らだ。どうして自分の家庭一つ守れないのか?」
オウはやっぱり棚の上でふんぞり返って言います。けれどウルは、
「そう言ってやるな。人間というのはそんな簡単なものじゃない。僕達だって元々は一人の人間のはずなのにこんなに違うだろ? 一人の人間なのにこれだけいろんな面があるなら、そりゃ別々の人間同士だともっといろいろあるさ」
静かに諫めます。なのにオウは納得できなくて、
「ハカセとルリアのような不器用な人間でもこんなに穏やかな家庭を築けるというのに、おかしいではないか!? 奴らは努力が足りんだけだ!」
そんな風にも。するとオウは、
「やめろ。<努力>という言葉で人を殴るのは。それは傲慢というものだ。お前の言ってることは、『ルリアを助けることができなかったハカセは努力が足りなかった』と言うのと同じことだ」
と返します。しかしオウは、
「ルリアのことは、医者ですらどうにもならんかったことだ。ハカセに何ができたと言うんだ?」
ウルに食って掛かったのでした。
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