【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

ボク…ロボットじゃないよ……

「ボク…ロボットじゃないよ……」

ヴァドヤが普段は言えないことを口にできたのと同じにガーも話すことができました。

「え…？　ロボットじゃないの？　じゃあ、なんだろう……？」

「ボク、依代だって……」

「依代…？　依代ってあの、死んだ人の魂が帰ってきて入るっていう……？」

「うん、それ……」

「今の依代って、動いたり喋ったり出来るんだ……？」

「ううん、ボク達はまだ特別製らしいから……他にはないって……」

「ということは、あの鳥みたいなのも……？」

「うん、オウだよ」

そこまで話したところで、ガーがハッとなります。

「いけない……！　みんながきた……！」

ガーにも当然、他のみんなのいる方向が何となく分かるから、誰が来たのかまでは分からないけれど、誰かが近付いてきているのは分かります。

「オウだったら大変なことになる……」

オウの性格を知っているだけにガーは焦ります。自分を勝手に連れてきたこの人のことを、許さないに違いない。

確かに勝手に連れてこられたのは嫌でした。怖かった。だけど、自分の前で泣いていたこの人をあの調子で怒るのは何か違う気がするんです。



一方、オウとウルは、かなり近くまでは来ているはずだけれど、正確な場所までは掴めずにいました。

なので、二手に分かれます。そうすることでお互いに感じている方向をすり合わせ、ガーのいる場所を特定する。

「どうだ？」

戻ってきたウルにオウが問い掛けます。

「まだ真っ直ぐみたいだな。ほとんど変わらなかった」

「そうか。なら行くぞ」

オウに言われて、ウルが従います。

そしてしばらく行ったところで、

「あ、通り過ぎた……？」

それまで進行方向に感じていたガーの気配が、背後になったのでした。