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ミコナ

そう言えばいないな

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「あれ? オウさん、ガーは……?」

ヴァドヤがガーを連れてスーパーから出ていってしまった後、買い物に来ていたカリナがオウにそう問い掛けました。

「む? そう言えばいないな……いや、スーパーから離れて行ってる」

「え……っ!?」

オウの言葉に、カリナが青ざめます。

「まさか……誘拐……!?」

ペットロボットはあくまで法律上は<器物>ですし、たとえ依り代として見てもやっぱり器物ですので、実際には誘拐ではなく窃盗ということになるはずですが、ガーがルリアの一部であることを知っているカリナにとっては、誘拐と同じでした。

「け……警察に……っ!」

自分が買い物に気を取られてガーから目を離した隙に攫われてしまったとなればこんな失態はありません。だから警察を呼ぼうと携帯端末を取り出そうとするのですが、手が震えてしまって上手く取り出せません。そんなカリナの様子に、

「慌てるな。たとえ本当に盗まれたのだとしても、俺達かぷせるあにまるは、マナ転換炉がベースになってる。人間の力で壊せるようなものじゃない。それに、俺達の場合は特に一人の人間が五つに分かれてる状態だからか、だいたいどの方角にいるか程度は察知できる。探すのは難しくない。まずは買い物を終わらせて家に戻り、ウルとティーでも連れて出直せばいい。俺達に任せておけ」

オウは慌てることなく堂々ときっぱりとそう言ってのけました。

「でも、オウさん……」

それでも心配なカリナが言おうとすると、

「くどい! 俺の言うことが信じられないか!?」

オウがやっぱりふんぞり返りながらそう言って、

「い…いえ……そんなことは……」

カリナは引き下がったのでした。

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